カンボジア戦ではチーム最多となる6本のシュートを放ちながら、ゴールを奪えなかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 なんとなくパッとしない日本代表の現状を、それでも岡崎は前向きに捉えている。
 
「ワールドカップ(本大会)の前になっていきなりいろんな問題が出るよりは、予選で苦しみながら自分たちがやらなきゃいけないことを見つけていくほうが、個人的には良い。(相手の力量に関係なく)アウェーの試合は難しいし、そこで課題が出てくれば自分も含めて伸ばせるものがまだあるって考えられるので」
 
 ポジティブななかにも慎重な言い回しがあるのは、アウェーの怖さを十分に承知しているからだ。とはいえ、焦りや戸惑いは一切ない。テヘランの標高が1200メートルということを訊かれた際も、毅然とこう言い放った。
 
「もちろん、いつもとは違う感じかもしれないですが、それを考えれば考えてしまうほど身体は動かなくなるものだし、ホント、それはあまり気にしないでやりたい」
 
 ここで弱気なコメントなどできないだろう。カンボジア戦ではチーム最多6本のシュートを放ちながら、無得点。所属するレスターで称賛の声を集めていたぶん、失望は大きかった。
 先のカンボジア戦の前日練習では「シンガポール戦で悪夢を見て、なんか霧がかかった状態をどうにかしたい」と言っていたが、残念ながら本番で結果を出せなかった。その試合で3‐0と勝利したチームは多少なりとも停滞ムードを打破できただろうが、もしかすると岡崎はまだ霧のなかにいるかもしれない。だから、発する言葉が熱を帯びる。

「チャンスをモノにしなければいけないのが自分の立場。チームが勝つためにゴールを取りたい。アフガニスタンに勝って、自分たちがワールドカップにどれだけ行きたいかを日本の皆さんに分かってもらいたいと思う」
 
 もちろん、口で言うほど簡単ではないことは分かっている。アフガニスタンは明らかに格下だが、日本代表と相性が決して良くないテヘラン──アウェーという環境に対して危機感を募らせているのだ。
 
「やりきったというような試合がなかなかできないのがアウェー。日本にとっては結構難しい試合になると思います。ようは自分たちがいつもやっているようなことをやれるかどうかにかかってくる」
 
 自分自身にそう言い聞かせているように見えた岡崎。ハリルホジッチ監督が「クロスが重要なテーマ」と語るアフガニスタン戦では文字どおりフィニッシャーとしての役割が求められる。クロスに上手く合わせられなかったカンボジア戦の課題を克服できるか。
 
「課題が出てくれば自分も含めて伸ばせる」。その言葉を信じるなら、どんな「伸び」があるかを是非見たい。そして今度こそはゴールを決めて、目の前にある霧を振り払ってほしい。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)