Doctors Me(ドクターズミー)- 【藤森香衣のがんコラム】Vol.6: 乳がんの啓蒙活動を通じて思うこと

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ピンクリボン月間

10月は、「ピンクリボン運動(乳がんの啓蒙活動)」を強化する、ピンクリボン月間です。そして、10月1日は「ピンクリボンデー」。この日は世界中の色々な場所がピンク色にライトアップされるため、ご存知の方も多いかと思います。

しかし、「ピンクリボン=乳がん」という認知度が高まっているにもかかわらず、残念ながら毎年、乳がん患者は増えてしまっています。日本人女性では、14人に1人(※)が疾患すると言われる、誰にでも可能性のある病気なのです。

乳がんを撲滅することはまだ難しいですが、たとえ乳がんになってしまっても、私のように早期発見によって、治療することが可能な病気でもあります。実際に、早期に発見すれば治癒率が高いがんで、90%以上が治るといわれています。

※(国立がん研究センター がん対策情報センター 「がん情報サービス」 )

病気の知識を広げたい

先日、宮崎県の都城市にお邪魔させて頂き、乳がんサバイバーとして講演をしました。
宮崎県は全国でも検診率が低く、乳がんによる女性の死亡率が高いため、私の体験話をして欲しい…ということで、お招き頂いたのです。同時に地元のニュースの取材もあったこともあり、病気を乗り越えた体験が、都城市に住むより多くの人たちのお役に立てて良かったなーと改めて思った一日でした。

今月で私は手術をしてから一年半になり、色々な場所で自分の経験をお話させて頂いていますが、そこで、よくされる質問はやはり「胸を失ったことについて」です。

まず、がんの告知をされた場合、患者さんたちは「がん」という病気に対する恐怖はもちろん、それと平行して、、治療方法に関する専門的な話、生活や金銭面などの現実的な問題、しなくてはならない多くの決断(しかも大急ぎで)が、一度に襲ってきます。
さらに、これらと一緒に「胸を失う」ということ…もちろん、胸を失うということは、とても辛いことでしたが、それだけが辛いことでは無かったのだと、今は思います。

社会全体で考えるということ

啓蒙活動を通じて、色々な質問に答え、話をすることで乳がんを客観的にみることができました。そうした中で特に感じるのは、男性も女性も圧倒的に病気への知識が少ないことです。知識がなければ、対応もできない…これでは、悲しい想いをする人が増える一方です。

検診による早期発見も、もちろん大切なことですが、がんという病気が特別なものではなく「社会全体で考えること」になれば、患者さんやサバイバーだけでなく、それを支える人たちにとっても、もっと暮らしやすい世の中になるのではないでしょうか。

そうしたことを伝えるための活動を私は、今後も続けていきたいと思います。

〜モデル:藤森 香衣〜