アフガニスタン戦の予想スタメン。より攻撃的に行くならボランチは山口ではなく柴崎だろう。左ウイングはカンボジア戦でキレがなかった武藤に代え宇佐美が起用される可能性も。

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「湿度が低いぶん乾燥し、標高が高くてスプリントの後は息切れをする」(香川)
 
 アフガニスタン戦の舞台──イランの首都テヘランはアルボルズ山脈の麓に広がる大都市だ。照りつける太陽は容赦なく体力を奪い、ミネラルウォーターなしでは不安にかられるほど喉が渇く。確かに湿気は少ないが、サッカーに適した環境かと言えば頷けない。
 
 日本代表は大丈夫かと懸念が膨らむのは、そんな気候のせいだろう。過去のワールドカップ予選で中東勢に苦戦してきた一因も、おそらくそこにある。
 
 6月のシンガポール戦に続き、数日前のカンボジア戦でチームのパフォーマンスがピリッとしなかった点も不安を増幅させる。果たして、あの体たらくでワールドカップ本大会への出場権を獲得できるのかと、疑問を抱くサポーターも少なくないのではないか。
 
 開催地がイラン、対戦相手がアジア2次予選でカンボジアに1-0と勝ったアフガニスタンという点を踏まえても、多少なりとも心配になる。アザディ・スタジアムの収容人員(本来は10万人)が今回は3万3000人に制限されるのは朗報だが、それでも……。
 
「シンガポール戦がアクシデントだったと思わせたい」というハリルホジッチ監督の宣言も、今のところは半信半疑に映る。カンボジア戦の“辛勝”がかえって、アップセットとは言わないまでも、シンガポール戦の悪夢(引き分け)を予感させる部分はあるだろう。
 
 もっとも、前日会見に臨んだハリルホジッチ監督に慢心も焦りもない。「ふたつのポジションで誰が行くか分からない」というコメントから察するに、スタメンはカンボジア戦とほぼ同じになりそうだ。
 
 より攻撃的に行くなら、ボランチに山口ではなく柴崎を起用する手があるだろう。また左ウイングは、カンボジア戦であまりキレがなかった武藤に代えて宇佐美がスタメンに抜擢される可能性もある。本田らと並んで攻撃の核になる岡崎はカンボジア戦で無得点に終わったとはいえ、余程のアクシデントがないかぎり外れないだろう。
 スタメンにどんな顔ぶれが並ぶにせよ、見どころのひとつはサイドアタック。9月6日の全体練習では「クロスの上げ方や(エリア内への人の)入り方」(香川)を確認したようで、ハリルホジッチ監督も「センタリングが重要なテーマ」とはっきり口にしている。
 
「時間がない」(ハリルホジッチ監督)なかで、突き詰めてきたサイドからの崩しを機能させられるかは大きなポイントだ。
 
 キーマンはサイドの4人(スタメン予想で言うなら本田、酒井宏、武藤、長友)に加えて、CFの岡崎。ポジショニングが持ち味の彼がサイドからのクロスに上手く合わせて早い時間帯にゴールを決められれば、チームも一気に波に乗るかもしれない。
 
 またボランチの長谷部、山口(もしくは柴崎)の縦パスにも注目だ。「(ベタ引きだった)カンボジアよりは前に出てくることは聞いていて、そうなるとスペースが空く」(香川)ので、彼らがそこを巧みに突けるかはひとつの肝になる。
 
 クロスを警戒されたら縦パス、縦パスを通せなければサイドというように、臨機応変に戦う必要があるだろう。本田はカンボジア戦後に「チャンスを作るのが上手くない」と語ったが、“少しでも上手くなる”うえで、一辺倒な戦い方にならないよう工夫できるか。
 
「皆さんにはどう見えているか分からないが、守備、攻撃も発展している」──。ハリルホジッチ監督の言葉は嘘か真か。アフガニスタン戦は、それをジャッジする舞台にもなるだろう。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)