アフガニスタン戦が行なわれるイランでの初練習を終え、取材に応じた香川。ゴールへの意欲を語った。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 チームを引っ張っていく才能・技術がありながら、それを代表戦で上手く発揮できていない。このところ、背番号10に相応しい活躍ができていないことは本人が誰よりも分かっている。だから、アフガニスタン戦を前にゴールへの意欲を口にしたのだろう。
 
「もう少しボールを受ける回数を前半から増やしていきたい。運動量豊富にやっていきたいなと。ゴール前に入り込んでいく姿勢を出して、待っているのではなく、自分から動き出す。そういうところを意識しながらやっていきたいです」
 
 ハリルホジッチ監督にリクエストされているのも、そういう部分だそうだ。
 
「監督には(ゴール前に)入って行く際のスプリントを増やして、そういう(局面での)スピードの緩急をもっと出すように言われました。あとはボールを受けたら、どんどん入って行けとも言われました。ゴール前に入るスピード感を修正したいと思っています」
 
 ゴールを奪ううえで、ミドルシュートの重要性を説くハリルホジッチ監督から「ボールを受けたら、どんどん入って行け」と要求されるのは、ある意味、信頼の証と言えるかもしれない。ミドルを打つよりも、ドリブルで持ち込んで至近距離からゴールを狙ったほうが得点率は高まる。それを実践するのが、香川真司だと。
 
 ただ、前回のカンボジア戦ではゴールまで1メートルもないような位置でのシュートをまさかのミス。誰もが目を疑った。英国の新聞などでも酷評されたが、そんなもので動じるはずがない。
 
「次に決められるよう、準備するだけです。ゴールの枠に飛ばすことをあまり考え過ぎずに、来たボールをしっかりと打つだけだと思っています。集中してやりたい」
 
 アフガニスタン戦から始まるアウェー5連戦(ワールドカップ・アジア2次予選4試合と10月13日のイランとの親善試合)を日本が良い形で乗り切るうえで、やはり背番号10のゴールは不可欠だ。
 
 思い出されるのは、1月のアジアカップ・ヨルダン戦で香川がゴールを決めた直後のシーン。GK川島までも自陣のゴールから走ってきて喜びの輪に加わり、チームはひとつにまとまったように見えた。
 
 言動などで引っ張る長谷部、カリスマ性が光る本田とどこか違って、ピッチでは少し控え目な香川だが、チームに与える影響力は前述したふたりと変わらない。
 
 アジアカップに限らず、ハリルホジッチ政権下でも仲間からの信頼が厚い香川。「待っているのではなく、自分から動き出す」能動的なプレーでグイグイと引っ張り、代表戦でもゴールをコンスタントに決められるようになれば、きっと日本はひとつにまとまり、香川のチームになるはずだ。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)