またしても根拠なき自信に繋がっていく(負けました)「まれ」138話

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朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)9月5日(土)放送。第23週「いっぱい失敗タルトタタン」第138話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:渡辺一貴


138話は、こんな話


失敗をおそれて何もできない匠(小山春朋)を勇気づけるために、希(土屋太鳳)は失敗から生まれたケーキ・タルトタタンをつくることにする。その試みは匠を元気にさせただけでなく、希にも「世界一のパティシエ」への夢を今一度見させることになる。

今日の、教訓


怪我の功名

昔の彼女(「元カノ」といまどきの言葉を言わないところが希の純朴な性格を表している気がします)へのプレゼント・箸置きをずっと持っていた圭太(山崎賢人)のことをちょっと怒りつつ、「物には罪がない」と赦す希。懐がでかいです。
その箸置きが、歩実(横山芽生)が漆をやる気になるきっかけになる「怪我の功名」から希は、匠を元気づけるための一大芝居を考えつきます。
圭太がわざとケーキ作りを失敗したことから、思いがけないケーキが生まれるというシナリオで、希、圭太、藍子、文たちまでがひと芝居打つ流れはにやにやして見ました。演技の巧い俳優たちの、演技してる感たっぷりの芝居の多重性も見どころあります。
その後、家族で、失敗について語り合い、「失敗してもいいさけいちょっこり勇気出してみんか」「いっぱい失敗していいげんよ」などと子供を励ます希と圭太。
こういうふうに子供を育てるのは理想的。
で、これがすべて、これまでの希の考えなしの行為の擁護になっている仕組みで、希もいっぱい失敗してきたけど、まだこれから。“この8年間、能登で経験したからこそできるケーキがある”とまたしても根拠なき自信に繋がっていくのです。8年の能登の経験と世界一は飛躍ありすぎなので。でももうここまで常に前向きだと、文句も言えなくなってきて、むしろ、失敗しても大丈夫なんだと励まされてしまいます。洗脳に負けました・・・

まだ遅くないと希望を抱く希。そして、その後、どこかでうらぶれた感じの徹(大泉洋)が登場。
やっぱり、希のブログをチェックしていました。
失敗してもいい っていうのは、希よりも、徹に向けて書かれているような気がしてなりません。
公募で選ばれた主題歌の2番「どうか覚えていてね ひとりじゃないことを 大切な仲間たちがあなたを待っているよ」というのも徹に呼びかけているように聞こえてきます。
徹は、世界にたくさんいるだろう、家族から離れてひとりでがんばっている人(単身赴任のおとうさんとかね)のことでもあるような。
「まれ」さりげなく優しい祈りのこもったドラマなんですよね。

今日の、気になる


アマメハギをやってる圭太。イケメンの顔を面で隠すと、自由になれるんだなと思いました。

双子の後ろに中腰で立つ元治(田中泯)。あの年齢で中腰キープできるのは、足腰が強靭な証拠。さすが。
(木俣冬)
エキレビ!にて月〜土まで好評連載中! 木俣冬の日刊「まれ」ビュー全話分はこちらから

いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))