乃木坂46“主題歌起用”の理由、「ここさけ」プロデューサーが明かす。

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アニメ「劇場版あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」のスタッフによる映画「心が叫びたがってるんだ。」のプロデューサー・清水博之氏が9月5日、都内で行われた高校生と専門学校生対象の上映会とティーチインに登壇。アイドルグループ・乃木坂46を主題歌に起用した理由などについて語った。

清水氏は「黒執事」シリーズや、「あの花」「七つの大罪」などのチーフプロデューサーを務め、本作では企画・プロデュースを担当している。乃木坂46を起用した経緯は、もともと「乃木坂46の歌は、いい詞が多くて、スタッフ一同『君の名は希望』がすごく好きでした。本作もミュージカルが舞台ですし、『コーラスで歌う曲が最後にくるといいね』と話して」いたという。

そこで、「乃木坂46の持つ青春感や疾走感、歌詞が持つせつなさがいいのではと。秋元康先生のところへ私と岡田さん(脚本)で相談に行き、打ち合わせをした上で、詞を書いていただきました」とのこと。

完成した楽曲は「『ここさけ』のせつないけれど主人公たちが前向きに生きていくというという点から、そのような楽曲で最後を締めたいという希望をくみ取っていただきました。誰かと話したい、伝えたいというテーマを歌詞やタイトルにもこめていただけ、すごく気に入っています」と、作品にマッチした仕上がりに、プロデューサーも満足しているという。

また、ティーチインではほかにも作品について、さまざまな質問・回答のやり取りが繰り広げられた。

質問:「あの花」に続き、「ここさけ」でも長井監督、脚本の岡田さん、キャラクターデザインの田中さんを起用されていますが、清水さんが考える、それぞれの魅力を教えてください。

清水P:長井さんは演出力はもちろん決断力、判断力がすごいです。監督は最後ジャッジしなければいけないですが、ぶれない。いろいろな局面でのジャッジが的確で早いです。あと絵コンテの画力です。カメラワークを決めるのですが、とても映画的で他では類をみません!岡田さんは、「黒執事」以来ご一緒していますが、構成力と脚本力はもちろんのこと、やはり台詞です。台詞回しが独特で研ぎ澄まされています。発想力もですね。今回の“玉子の妖精”が効いていているなと思いました。田中さんのキャラクター
は、一般性があって感情移入もできます。例えばポスターなどの描き下ろしなども、静止画にも関わらず、今にも動き出しそうという躍動感があります。3人が同世代で、それぞれのパートで力を発揮しながらもお互いの分野でもコミュニケーションをとることで、シナジー効果が生まれるのが一番の魅力です。

質問:劇中に「あの花」のキャラクターとみられる人物がいたと思うのですが……?

清水P:気づいてくれてありがとうございます。「あの花」と「ここさけ」は同じ秩父を舞台に同じ時間軸で共存しているという設定なので、「あの花」ファンだったら探し出せるような事や、登場させた人物もでてきます。気づいてくれたら嬉しいなと。ただ、あまりやり過ぎてもいけないので、ちょっとしたエッセンスで入れ込んでいるので、慎重に厳選して組み込まれてます。

質問:最近の雑誌などで水瀬いのりさんを見ると、髪を切られてて主人公の順にすごく似ているのですが、オーディションでは雰囲気も重視されたのでしょうか?

清水P:水瀬さんとご一緒するのは初めてですが、起用理由はとにかく“声”でした。順は彼女しかいないと早い段階から決めました。最初は言葉を封印されているので喋れないんだけど、心の中ではとってもお喋りだし、実は歌がうまいという、こちらからの要求
が高い、非常に難しい役どころです。(皆さんにも)見ていただいた通り、すごくいい演技をしてくれてます。

質問:作品を作るにあたり、最も迷った点は何でしょうか?

清水P:アニメに多いロボットが出てくるような派手な作品ではなく、リアル感を重要視した作品なのでたくさんの方にご覧いただくにはどうしたらいいかと。そのためにはやはり、脚本と音楽です。脚本は今の骨格ができてから決定稿が上がるまで2年くらい時間をかけて何度も何度も更新いただきました。オリジナルで2時間のアニメ映画なので熟成させる期間をとりました。

音楽については本作はミュージカルシーンがポイントなので、曲のセレクション、そして劇伴とミュージカルとの兼ね合いをミトさん(クラムボン)、横山克さんにご担当いただき、素晴らしいものを生み出していただきました。

両面でいかに自然に楽しんでもらえるか、感情移入してもらえるか腐心しましたが、結果は見ていただいた通りです。