0−0で引き分けたシンガポール戦。最下位に終わった東アジアカップを間に挟み、再びベストメンバーで臨んだカンボジア(FIFAランク180位)戦は3−0。ハリルジャパンはパッとしないサッカーを続けている。
 
 人間の身体は、老廃物を排出し、必要なものを取り入れる新陳代謝が進まなければ活性化しない。好循環しないが、代表チームという集団も同様。
 
 ハリルジャパンのスタメンは、ザックジャパン時代とほぼ同じ。代表チームに漂う停滞感は、名のある選手はいても、右肩上がりの選手が少ないそのメンバー構成に、端的に表れている。
 
 国内組で臨んだ東アジアカップで最下位に終わったことが、ハリルホジッチをベストメンバーへ、いっそう執着させることに繋がっている。それが、崩壊へのカウントダウンを意味するように見えるのは、僕だけか。
 
 というわけで、今回はカンボジア戦に臨んだベストメンバーを久々に採点してみた。
 
GK西川 シュートを防いだシーンは一度だけ。その他は立っているだけだった。舞台は、浦和のホーム、さいたまスタジアム。観衆にもう少し存在をアピールしたかったはず。カンボジアの力不足が、さぞ恨めしかったに違いない(採点なし)

DF酒井宏 大外を駆け上がりセンタリングーーに固執しすぎた感じ。その前に位置する本田にはキープ力がある。彼にボールを預けておいて前に出るサイドにおけるポストプレイがもっとできたはず。本田を外に開かせておいて、その内側を突くプレイとか。一言でいえば単調。もう少しバラエティに富んだプレイが欲しい(5.5)

DF森重 見せ場はセットプレイのみ。相手の守備陣が真ん中に固まっていただけに、サイドに展開するロングフィードをもっと繰り出して欲しかった(採点なし)

DF吉田 後半5分、低く抑えたインステップが枠内に。貴重な追加点をもたらした。長谷部、山口の守備的MFが、引いたポジションを取っていたので、かつての闘莉王のように、ほぼ常時、前に出て、空中戦に絡んでもいいほどだった(6)

DF長友 右の酒井宏同様、単独攻撃が目立った。プレイの選択肢も、大外からのセンタリングばかり。サイド攻撃=センタリング。これでは引いた相手は崩せない。ハリルジャパンのサイド攻撃は追求が甘い。長友のプレイそのものについては、キレと俊敏性が落ちたなという印象。キックのパンチ力不足は相変わらず。かつては日本を明るくする存在だった。いまは日本が停滞する姿と被る。右サイドバックに戻り、心機一転を図ってみるのも面白い。(5.5)

MF山口 東アジアカップにおけるプレイが評価され、A代表のスタメンに復帰したが、長谷部とのコンビは、お互い引いて構える捌き役なのでキャラが被る。0.5人分しか役割を果たしていない印象。この試合に、守備的MF2人はいらない。もう少し前でボールに絡める柴崎の方が適役に見えた。(5)

MF長谷部 前半、大きなサイドチェンジを2本決めるなど、スケールアップした姿を見せたが、全体としては山口同様、攻撃に巧く絡めなかった。アンカーとしてプレイしたアギーレジャパン時代の方がよく見えた。(5.5)

MF/FW本田 年齢を重ねたせいか、かつてに比べ強引さ、とりわけ縦への推進力が失われている。縦突破を図り、マイナスの折り返しを行えばチャンス到来というシーンで、左足に持ち替え、ゴール前の密集地帯にプラスのセンタリングを送るプレイは凡庸。精神的なノリがプレイに影響するタイプだとすれば、乗れていない感じ。長友同様、彼も一時より落ちている。(5.5)

MF/FW香川 サイドができない香川が務まるのは、この1トップ下しかない。ハリルホジッチも香川をここでしか使わないが、やはり日本代表においてトップ下は不適格だ。香川はディフェンダーを背にしたプレイができない。ポストプレイが得意ではない。2トップ下なら分かるが1トップ下がこれでは、センターフォワードによほどポストプレイ得意な選手が張っていないと、ボールの収まり所がなく、バラエティな攻撃に繋がらない。引いて守るカンボジアのような相手にはとりわけだ。シンガポールに苦戦した理由でもある。真ん中にいるのが岡崎と香川では、パスワークは有機的にならない。岡崎(あるいは興梠)がセンターフォワードなら、1トップ下は本田の方が適任。となると、今度は香川の行き先がサイドしかなくなる。香川を1トップ下で使うなら、センターフォワードは岡崎、興梠より大迫の方がいい。いまはとてもバランスが悪い状態にある。それとは別に、香川のシュート力不足は深刻な問題。本田が決めたような先制点は、期待できる状況にない。(5.5)