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米Nok Nok Labs Inc.(NNL)はこのほど、日本に拠点を開設すると発表した。これまで米国から行ってきたサポートを日本から提供する。

同社は生体認証などを利用したオンライン認証技術の標準化団体「FIDO Alliance」の創設メンバー6社の中の1社。FIDO Allianceはパスワードではなく、公開鍵暗号と生体認証などの技術を利用し、サーバを介して認証を行う新方式を推進している。

参加企業は順調に増え、マイクロソフトやGoogle、PCメーカー、スマートフォンメーカー、決済ソリューションを提供するPayPal、アリババの支払いソリューションを担当する支付宝といったサービスプロバイダー、NTTドコモなどの携帯キャリアを含め、全世界で210社以上が参加している。

NNLはFIDO Allianceの技術を活用しビジネスを展開。「パスワードに比べ強固な認証技術であり、これを採用した企業にとってはブランドロイヤリティの向上、エンドユーザーとのエンゲージメント確立、ユーザー当たりの収益拡大の実現といったメリットを生む」(NNL 社長兼CEO フィリップ・ダンケルバーガー氏)と、そのメリットをアピールする。

日本の拠点はNNLのビジネス・デベロップメント担当ディレクターの宮園 充氏が担当する。すでにNNLのソリューションを採用しているNTTドコモなど既存顧客へのサポートを拡充するとともに、まだ顧客になっていない日本企業へのアピールを行う計画だ。

FIDO Allianceが提供する認証技術は、すでに提供されているスマートフォンなどデバイスが持っている技術を活用。指紋認証センサーをはじめ、カメラ、Trusted Execution Environment(TEE)など、デバイスに搭載されている機能を活用できる。

ユーザーは事前に自分の端末をレジストレーションしておけば、デバイスが持っている指紋認証などの認証技術を使って、アプリケーション用の秘密鍵を取り出すことができる。端末と認証サーバのやりとりにはFIDOが制定した標準化されたプロトコルを利用し、サーバに対する認証でデバイスが秘密鍵を用いて認証する。

現在主流となっているパスワードを使った認証方式に比べ、機密性が高いことから、「これまでにない強固な認証技術となると考え、アライアンスとして公開することとした。すでに提供されているデバイスの認証技術を活用することから低コストで実現可能で、ユーザー側の使い勝手もよい。ECサイトなどのサービスを提供する事業者にとっては、ユーザー当たりの収益拡大につながるものとなる」とダンケルバーガー氏はアピールする。

NNLはFIDOのプロトコルを採用し、デバイス側にはアプリケーションを開発するSDKの提供、認証デバイスを開発するオーセンティケーター向けSDKの提供を行う。サービス事業者が利用する認証サーバ向けには、ポリシー、ルールに準じた認証サーバを提供する。

認証技術を製品として提供するだけでなく、スマートフォンを開発するメーカー、認証用デバイスを開発しているメーカーに対しては、OEM形式で技術を提供するビジネスも行っている。

「より簡単で、公開鍵暗号による高いセキュリティ、統一されたインフラによる複雑さの解消といった点が理解されれば、FIDOに対応したデバイスが大きく広まっていくだろう。2017年までには何十億台ものデバイスが出回る見込みだ」(ダンケルバーガー氏)

また、AppleのiPhone、iPadなどはAppleがFIDOに参加していないものの、利用されている指紋認証センサーを活用すれば、対応アプリケーションの開発は可能となっている。もちろん、Apple製品以外のスマートフォン、タブレットも同様にサポート可能なものが多数存在する。

「対応できるのは指紋認証だけに限らない。生体認証以外の認証方式に対応することも可能で、現在は登場していない、将来出現する新技術にも対応できることがNNLの強みとなる」(NNL ビジネス・デベロップメント担当ディレクター 宮園充氏)

日本の拠点では、以前からリクエストがあった米国本社からではない、日本からのサポートを行う。

「以前から数社のサポートを米国で行っていた。しかし、NTTドコモのように同じタイムゾーンでサポートをしてくれないかとの要望もあって、今回、日本に拠点を開設する。今後、サポートを強化していくことで、日本向けデザイン要件などもヒアリングし、製品に反映させていきたい」(ダンケルバーガー氏)

(三浦優子)