ランチパック専門店も。写真は『ランチパックショップ TX秋葉原店』

写真拡大

 コンビニなどで売っているパンの定番といえば、山崎製パンの『ランチパック』だ。とにかく様々な種類があることが大きな特色で、「ピーナッツ」や「たまご」といった定番の具のほかに、ご当地ものも含めて全国で約60種類が販売されている。秋葉原と池袋にある専門店「ランチパックショップ」では、定番はもちろん、週替わりでご当地ものも販売しており、常時30〜40種類を取り揃えている。

 新商品が毎月発売される『ランチパック』。全国統一の商品と、エリアごとの商品が、それぞれ3〜4品ずつ登場するとのことだ。その一方で、毎月新商品が登場するのとほぼ同数の商品が廃版となっており、かなり入れ替わりが激しいようだ。反響が大きかった商品については、翌年の同じ時期にアレンジを加えてリバイバル発売されることもあるという。

 新商品のアイディアは、常に30〜40ほどあり、そこから商品化できそうなものから順次開発が進む。基本的に半年くらい先の発売を予定して試作を繰り返すとのことだ。新商品のなかでは、特に“ご当地色”が強い商品が人気。知床牛肉入りコロッケ」や「十勝の小豆」や「夕張のメロン」などといった、特定の産地の具材も人気となっている。

 ご当地もののなかには、かなりユニークなものも多い。過去には、B-1グランプリで優勝した勝浦の「タンタンメン風」、香川大学とコラボした「釜玉うどん風」(うどんのこま切れが入っている)、大阪で開発された「たくあんマヨネーズ風」(こま切れのたくあんにマヨネーズを和えたもの)など、個性あふれる商品が登場している。

 常に新しい商品が投入され、新陳代謝を繰り返している『ランチパック』だが、1984年4月に誕生した時は、「ピーナッツ」「小倉」「ヨーグルト」「青りんご(ジャム)」の4種類だった。あくまでもおやつ感覚ということで、甘い味だけだったが、ユーザーから食事として食べたいとの要望があり、同年10月から惣菜系の販売もスタートする。

 当時は、全国20か所ある工場で独自に開発製造されており、本社でまとめることもなかった。そういった状況だったため、パッケージもバラバラで、過去にどんな商品がいつ発売されていたかなどを、正確に把握できていないという。

 数ある菓子パンのひとつに過ぎない存在だった『ランチパック』に転機が訪れたのは、2006年のこと。社内で、ランチパックをきちんとブランディングしようということになり、食パンのしっとり感アップなどの品質向上や具材のバラエティー化と共に、テレビCMを打つなどPRに力を入れ始めたのだ。すると、一気に知名度が上がり、出荷数も大幅にアップ。2005年は年間売上が140億円前後だったが、どんどん売上がのび、2012年頃からは年間売上400億円前後をキープしている。

 2014年のデータによると、出荷数ベスト3は、1位「ピーナッツ」、2位「たまご」、3位「ツナマヨネーズ(オニオン入り)」。この3アイテムは不動のベスト3で、全体の約40%の出荷数を占めている。

 入れ替わりの激しい『ランチパック』だが、定番商品の人気はかなりのもの。これらの人気があるからこそ、挑戦的な新商品の開発が実現できるのかもしれない。

(取材協力:山崎製パン マーケティング部・鈴木智さん)