そろそろ夏も終わりの足音が聞こえてきているが、まだまだ激辛ブームは終わらない。

辛いだけじゃなく、あと引く旨みがやめられない!夏の終わりの激辛グルメ特集はこちらから!



四川名物よだれ鶏。鳥は山形の古白鶏を使用。タレの甘辛旨のバランスも絶妙!
渋谷の辛旨の名店と言えばココ!『月世界』

渋谷


猥雑という言葉が似合う渋谷円山町。独特の空気感と裾野の広い中華がいい意味で化学反応を起こし、ひと際賑わいを見せているのがここ『月世界』である。

料理長の小山内耕也氏は、南青山の薬膳中華『チャイニーズレストラン エッセンス』で研鑽を積んだ人物。

「ウチは、いろんな地区のいいとこどり料理ですよ」と謙遜するが、各地の料理を再現するために自ら中国まで足を運び、買い付けてきた本場の香辛料や食材を使って作る醤は40種以上を数える。

名物のよだれ鶏は、蒸し鶏が20種以上の香辛料を使ったオリジナルのタレにとっぷり浸かったひと品で、残ったタレ食べたさに饅頭を注文するゲストも多いのだとか。

岐阜県の本巣や神奈川県三浦をメインに、産直で入れている野菜の充実ぶりも特筆もの。仕入れの度に書き換えられる黒板メニューには、黒水菜や赤水菜といった耳慣れない品種も合わせて常時40種ほどの野菜が並ぶ。ここではシンプルな蒸し野菜を頼み、醤で食すのが月世界流だ。

『月世界』に行かずして“大人の渋谷”を語ることなかれ。




JASMINE名物よだれ鶏 蒸し鶏の特製香ラー油。しっとりと火入れされ、黒酢がまろやか
しっとりと火入れされたよだれ鶏が絶品!『中華香彩ジャスミン』

広尾


2011年に広尾にオープンした『中華香彩ジャスミン』では、こだわりの料理をアラカルトで気軽に楽しめる。

メニューには東坡肉の宝塔仕立てやよだれ鶏などの伝統料理がずらり。加えて中国の大豆味噌を使った魚介の炒め物や、ハーブやスパイスが利いたシンガポールのニョニャソースを添えた魚料理など、中国各地で今、楽しまれている味を紹介しているのも魅力的だ。

看板料理はしっとりと蒸し上げた総州古白鶏に15種類の香辛料の香りを移した特製ラー油と黒酢ベースの甘酢タレがよく絡み、紹興酒がとまらない!




中華の鉄人・陳建一が腕をふるう
『赤坂四川飯店』の「陳麻婆豆腐」

永田町


「麻婆豆腐」は『四川飯店』の礎と言うべきひと品だ。昭和30年代の日本で入手しやすい食材を使った故・建民氏版麻婆豆腐はしっかりと家庭に根を下ろした。

ツ痛稠牝ι纜イ亘竝紊領礁をはっきりと示した建一氏版。ご飯にかけてかき込む至福を味わうべし。


次ページもビリビリ旨い麻婆系どどんとご紹介!



四川麻婆豆腐。この刺激的な味、やはりご飯が欲しくなる
四川山椒のさわやかな香りと痺れる辛さ!
『四川料理 蜀郷香』の「四川麻婆豆腐」

四谷三丁目


四川料理の真髄となる熱を持った辛さと華やかな香りが身上の『蜀郷香』。おすすめはやはり四川麻婆豆腐。

四川山椒の痺れる辛さ、麻(マー)と唐辛子の熱のある辛み、辣(ラー)の後、押し寄せる旨味が渾然一体に。




山椒とオリジナルブレンドの特製豆板醤が決め手の麻婆豆腐
四川直送の食材で本場の辛旨を再現
『ホイ』

恵比寿


オーナーシェフが中国のものよりも美味しいと絶賛する日本の豆腐を引き立てるために、にんにくや生姜を使わない。時付けが四川直送の黒豆(豆鼓)とオリジナル豆板醤・挽肉を炒め中国溜り醤油。たっぷりの山椒が、辛さに奥深さを加える。

種類が豊富なランチは混雑必至!中華好きでなくとも毎日通いたくなるリーズナブルな価格と居心地の良い雰囲気も魅力だ。

夜は仲間と大皿を取り分けあうのもよし、昼はピリリと辛い麻婆豆腐でお腹を満たすもよし。気分とタイミングによって使い分けることのできる貴重な中華レストランのひとつだ。




香辣焼鶏塊(小盆)。強い火力で仕上げた四川風鶏肉の辛子煮 。複雑な旨味。メニューは仕入れ状況などにより異なる。写真は一例
多種の香辛料で旨みと辛みが広がる
『中国料理 四川』の「香辣焼鶏塊」

白金高輪


広東料理が圧倒的多数を占める東京ホテル中華にあって、ホテル開業以来、四川料理一筋の『四川』料理長・橋本暁一氏。日本における四川料理の父・陳建民氏の直弟子として学び、その後多くの後進を輩出してきた。

自ら四川省に足を運び、食材や香辛料を吟味し、本場の味に触れる等の研鑽も怠らない。その功績が称えられ、「黄綬褒章」も受章。

作り置きはせず、素材や料理ごとに味を見ながら作ると言う醤。なかでも20種ほどの香辛料を使った麻辣醤を口に含むと、上質な素材のみが発する澄んだ香りが全身を駆け抜け、その後、複雑かつまろやかな旨みが口中に広がった。「食在広州味在四川(食は広州にあり、味は四川にあり)」との言があるが、それを体現するホテル中華の雄である。


汗出るウマさ!ジメジメを吹き飛ばす、灼熱の赤い麺は次へ



希須林 担々麺
練り胡麻凝縮のクリーミーな逸品
『希須林 赤坂』の「希須林 担々麺」

赤坂


ほのかに香る干海老とたっぷりのもやし、適度に馴染むクリーミーなスープ……。青山にある人気中国家庭料理の赤坂店は、行列の絶えない担々麺専門店。味の要は豚肉と鶏肉を使った肉味噌、豚骨&鶏ガラのWスープ、たっぷりの練り胡麻。

1から5段階まで調節できる辛さは炒めた玉葱と一味で作る特製の醤(ジャン)の量で調節。辛さのレベルは3辛で普通。辛党なら4辛以上がおすすめ。白飯とも好相性だ。




本場成都の汁なし担々麺
素材の良さが風味を醸す元祖担々麺
『雲林坊』の「本場成都の汁なし担々麺」

九段下


『神田雲林』プロデュースの担々麺&陳麻婆豆腐専門店。本店と同じ担々麺・麻婆豆腐よりおすすめしたいのが、ここでしか食べられない汁なし担々麺。本場成都の味わいを彷彿させる担々麺は、何より風味がいい。

その理由は選りすぐりの素材にあり。麺は全粒粉麺、花椒は四川省の漢源産花椒を一粒一粒選り分けて吟味。自家製ラー油やたっぷりの胡麻など厳選された素材を使用し、深みのある辛さが印象的。食べ終わった後の爽快感がクセになる。


辛いだけじゃない、栄養満点でヘルシーな韓国料理は次へ



切り口から春雨がそるように出たら食べごろ
スタミナ満点のスンデで美活力アップ!
『辰家』の「スンデ ジョンゴル」

新大久保


パワーみなぎる情熱の赤。そこで煮込まれるのは、韓国女子の美容フード・スンデ。豚の腸詰めだ。太めの春雨タンミョン、もち米、10種の野菜を豚の血で混ぜたもので、血に含まれる鉄分やビタミンがそのまま生きている食べる増血剤。ゆえに美味しさの第一条件は新鮮さ。

こちらでは来客の7割がスンデ目当てのため、仕込みの回転も早い。ガツ、豚耳、軟骨とともに豚骨スープと薬念で煮込むとコラーゲンが徐々に溶け出し、スープはトロトロ。前日に本国で磨り潰したエゴマも加わり、血液がグングン巡る。




ふぁんそカムジャタン。じゃがいもと豚の背骨肉がたっぷり。唐辛子が入っているものの、辛さはほどほど。韓国味噌が穏やかなコクを醸し出している
美肌の主人の如く美しくなる薬食同源の美味
『黄牛』の「ふぁんそカムジャタン」

麻布十番


薬食同源の考えが、今も普段の食生活にキチンと受け継がれている韓国の食卓。素肌の綺麗な女性が多いのも、そうしたバランスの取れた食事が大きく関係しているようで、「牛や豚の骨から摂るコラーゲンたっぷりのスープやキムチをはじめとする多彩な発酵食品。そして焼肉やポッサム、サムギョプサルにしても、常にたっぷりの野菜と一緒に食べる。これが、美肌と健康の秘訣でしょうか」。

そう言って微笑むのは、チェ・ジウ似の女主人のユーヒさん。ここ麻布十番『黄牛』には、そんな美しくなるための料理が満載だ。

中でもおすすめは、写真の“カムジャタン”。豚の背骨肉とじゃがいもを煮込んで作る、日本でもお馴染みとなった鍋のひとつだが、同店のそれは、他とは一線を画すピュアにして滋味溢れる美味しさ。豚の背骨肉を、甘草などの漢方薬やニンニクなどと共に約2時間余り煮込んで摂るスープに臭みは皆無だ。

それも背骨は丁寧に水洗いをして血抜きをし、更に茹でこぼして汚れやアクを丹念に取り除くなど手間を惜しまぬ下ごしらえがあればこそだろう。隠し味に加える大根の干し葉やエゴマの葉と粉末が栄養価を高めると共に味に深みを与えている。クリアなスープが美味な参鶏湯も美肌作りに最適。ユーヒさんの肌美人ぶりを見れば、効果のほどは、推して知るべしだ。




「〆の韓国うどん」李家チョンゴルは全10品。チョンゴルには、特製ダレで味付けした牛肉と10種ほどの野菜が入る。通常の〆はごはんやラーメンだが、予約時にリクエストすればこの韓国うどんを用意してくれる
辛味スープで味わうシコシコのうどん
『李南河』 の「〆の韓国うどん」

代官山


オーナーの李南河さんが、自宅でゲストをもてなすように供する料理、をテーマにした韓国料理店。特にオーダー率の高いコースが「李家チョンゴル」。ナムルやチヂミといった韓国惣菜、旬の刺身盛り合わせなどが供された後に、メインのチョンゴルが登場する。

チョンゴルとは、さまざまな種類の具材をたっぷり入れた鍋のことで、日本で言うところの寄せ鍋。中に入った黒毛和牛や野菜から旨みが滲み出て、コチュジャンベースのスープは煮込むほどに複雑味が増す。

このスープに浸す“鍋あと”には、ぜひ韓国うどんをオススメしたい。見た目は半透明で太い葛きりのようだが、食感はシコシコで、喉越しがつるり。
のびにくく煮崩れしないのも特長で、日本風のうどんならばややもすると重い印象になってしまうが、この韓国うどんなら最後まで軽やか。

噛むたびに感じる独特な歯応えが心地よく、それが脳裏に一度刻まれてしまったら最後。日常の生活の中に、ふと「あ、あの麺食べたい」と思い起こす瞬間が訪れて、店への予約に勤しんでしまうかも。