カンボジアを下し、5試合ぶりの勝利を飾った日本(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

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3日のカンボジア戦には勝ったものの、日本代表はなかなか厳しい批判にさらされています。確かに韓国がラオスに8-0で勝っていますから、それくらいの大差の試合は見たかったという意見もわかります。

ですが、この試合で一番大切だったのは勝ち点3を奪うこと。そのミッションは達成することができたのです。

僕は1-0でもいいと思っていました。勝つことで、シンガポール戦、東アジアカップとチームの上を覆っていた黒雲が晴れてくれるからです。きっとピッチの中にいた選手たちは、風向きがいい方向に変わったのを感じたことでしょう。

雰囲気が悪いときには、何をしてもうまくいかなくなります。過去のワールドカップの予選を振り返っても、そういう時期があったことを思い出せるでしょう。不思議なもので、「流れ」というのはあるのです。

それに若いカンボジアを相手に、どんなプレーが決まったところで、それは今後の指標にはなりません。攻撃のパターン作りが成功しているのかどうかは、今後の戦いでしか判断できないはずです。

だったら、日本の攻撃パターンが成功したかどうかよりも、本田圭佑香川真司のような今後活躍してくれなければいけない選手に一発が出たことを喜んだほうがいいでしょう。

僕の現役のときも、相手によっては「もっと点が取れたはずだ」とか「失点になりそうだった」ということだけで批判を受けました。

今の選手はわかっているでしょうが、気にしすぎる必要はありません。問題は今後も勝利を積み重ねていくこと。どんな相手でもアウェイで戦うのは大変です。まずは今年の残り3試合をしっかり乗り越えてほしいと思います。