3日に行われた日本vsカンボジアは、日本テレビが地上波で放送するのと同時に、NHKがBSで中継した。そしてNHKの解説は、「これぞ辛口」という厳しい内容だった。

この日、NHKの実況は杉澤僚アナウンサー、解説は木村和司氏と山本昌邦氏。木村氏は1月に脳梗塞で病院に運ばれていたが、この日は元気な姿で画面に登場した。そして木村氏の毒舌は、病で倒れる前とまるで変わらなかった。

試合開始早々は「いいと思いますよ」と語っていた木村氏だったが、なかなかゴールが入らない展開で次第にイライラを隠せなくなる。

「(シュートは)数打てばいいと言いましたけど、できればゴールに行ってほしいですよね」

そして本田圭佑のクロスに吉田麻也がヘディングで合わせてゴールを外したシーンでは、監督批判も飛び出した。

吉田のヘッドが外れた後、ベンチのほうを向くヴァイッド・ハリルホジッチ監督の様子に「あの態度を気に入らないんですよ。人ごとのようにやるんで。自分のチームなのに、『なぜなんだ』という態度をするじゃないですか」と毒づく。

杉澤アナが「木村さんは(横浜FMの)監督時代、ほとんどテクニカルエリアに出てくることがなかったですからね」とフォローしようとすると、「だって恥ずかしいですもん。監督は試合するまでですから」と続けた。「(選手は)自分の判断、決断で動いているわけですから」と選手にもっと自由度を与えなければいけないという持論を展開した。

杉澤アナが「木村さん、あとはどんな工夫が必要なんですか?」と質問すると「フッ。入れるだけですよ。もう少し、気持ち入れてほしいなと思いますけどね」と選手たちにも毒づいた。

28分、本田がミドルシュートを突き刺す。そのプレーに対しては「強烈なシュートでしたけどね」と一言。杉澤アナが「このシュートは気持ちが入ってましたね」と振ると、「そうでしたね」と苦笑いしているような声で答えた。

その後も、宇佐美貴史が途中出場すると、「この宇佐美が代表に入って、私からすると、少し面白くなくなってきたんですよね。何か、失敗を怖れているというか。大胆さとかいろんな技術を持ってるんですけど、それを見せてくれなくなっています」と厳しい選手紹介をする。

そして最後まで甘みの一滴も入っていない中継が続いた。山本氏が冷静に話を試合に向けようとするが、木村氏が「うーん」とうなると、杉澤アナは「今の『うーん』はどういう意味だったのですか?」とツッコミ、さらに厳しい意見を引き出すなど呼吸も抜群。「ひどい失言が飛び出すのではないか」と緊張感溢れる放送となった。

8日に開催されるアフガニスタン戦を、NHKが中継しないことになったのは残念だと言えるだろう。

【日本蹴球合同会社/森雅史】