手だれの投資家の次の一手は…

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 8月末起こった世界同時株安で、日米のマーケットはパニック状態になった。

 相場の乱高下に振り回された個人投資家の悲痛な声が聞こえてくる。

「2万円は切らないだろうと思っていたのに、予想が外れました。二十数銘柄が売るに売れない状況になっています。早く相場が元に戻ってほしい」(個人投資家の50代男性)

 だが、危機は好機とばかりに稼ぐ、手だれの投資家は次の一手をうかがう。

 アベノミクス以降、3千万円の利益を得た千葉県在住の銀行マン、越田仁さん(仮名、58歳)の主な投資先は、割安株だ。割安株とは、本来の企業価値に比べて、株価が低い企業を言う。

 越田さんの注目は、トヨタ、富士重工、伊藤忠、三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ、ANAだ。

「トヨタや富士重工は超優良企業ですので、今の株価水準はお買い得。先日、国際線に乗って感じたのですが、訪日外国人利用が多いANAの株価は伸びるでしょうね。同じ理由でJALも買いました」(越田さん)

 もう一つ重視しているのが、株主優待だ。積水ハウス、スーパーを展開するベルク、アミューズメント施設運営大手のイオンファンタジーの優待品は、魚沼産コシヒカリ。家計の助けになっているという。

「ビックカメラやニトリホールディングスの優待は買い物優待券で、これも家計の助けになる。株価水準も高くありません。優待狙いで投資先を選ぶ際、割安かどうかを見極めたほうがいいでしょう」(同) 株式アナリストの今北洋さん(37)は某IT企業に投資していた3千万円を引き揚げた。次の投資への元手にするためだ。

 狙うは富士重工、新日鉄住金、ラオックス、沖電気、ブライダルジュエリー事業を手掛けるシーマだ。

 富士重工は原油安の影響で自動車販売が好調。新日鉄住金は業績の割に、株価が下がりすぎと見る。ラオックスはインバウンド需要が期待でき、沖電気は中国でのATM設置でもうけている。

「中国株が低迷しても銀座には観光客があふれていますし、ラオックスは業績が良いので株価は上がると見ています。また中国の成長率が低迷しても、ATMなどのインフラ需要が減ることはないでしょう」(今北さん)

 シーマは8月27日、16年3月期の連結業績見通しを上方修正して市場の注目を集めた。同社は14年10〜12月期に黒字転換し、3四半期連続の黒字となっている。

「一般的に、黒字に転換したのち3四半期連続黒字となると投資家の信頼を得て株価は上昇しやすい」(同)

 手だれの投資法にのるかどうかは、あなた次第。

(本誌取材班=村田くみ、西岡千史、小泉耕平、永野原梨香)

週刊朝日 2015年9月11日号