選手たちに多くのことを求めたハリルホジッチ監督。本田が決めた1得点目のように、ボランチに入った長谷部と山口にもミドルシュートをもっと打ってほしかったという。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 選手たちには勝利を要求し、そして勝利を手にしました。彼らも少しプレッシャーを感じていたのではないでしょうか。戦う意識はかなりあって、本当に素晴らしいものでした。多くのチャンスを作っていたのでもう少し得点できたと思いますし、3点しか取れなかったわけですから満足していません。今日は運もなかったと思いますけど、しかしそうは言ってもビッグチャンスを作っていたのであれば、もっと得点は取れました。

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 ディフェンス面に関しては、本当に素晴らしい働きをしてくれました。相手は2本以上連続でパスをつなげられなかったのではないでしょうか。またかなりの数のセンタリングを上げることができましたが、しっかりとしたポジションが取れていませんでした。その点に関してはたくさんトレーニングしていかなければいけません。今度はアウェーでふたつめの勝利を奪いにいかなければいけません。
 
――斜めにクロスを上げて、ヘディングで狙わせるというパターンが非常に多かった印象です。監督から見て、攻撃のバリエーションの満足度はどの程度なのでしょうか?
 
 多くのことを発展させるために、いろんなことを要求しました、みなさんが見られたとおり、ミドルシュートもそのひとつです。みなさんに考えてほしいのは、カンボジア代表はかなり引いていました。そしてグラウンドがかなり滑っていて、パスも滑りました。特に要求したのは、ボールホルダーと受け手のコンビネーションですね。
 
 例えば武藤です。彼にこそ、この試合で活躍してほしかったんですけど、ちょっと早く前に行ってしまったり、もしくはちょっと遅すぎて後ろにいたりというのがありました。ただ、攻撃のバリエーションはかなりあったと思いますし、そこは満足しています。
 
 ボランチのふたりにもチャンスがあったので、ミドルシュートを打ってほしかったですね。そういう意味でも日本代表にはまだまだ伸びる可能性があると思っています。もう少しトレーニングする時間が欲しいです。こうやってボードで説明するのは簡単ですが、そうではなくてグラウンドでトレーニングしていかなければいけない。
 
 前から言っていますが、本当に時間がありません。彼らには「6秒、7秒以内にボールを奪いなさい」と言っていましたが、3秒で奪っていました。その点でももっと伸びていくと思います。そして、どのような分野を伸ばさなければいけないかを、私は完璧に知っているつもりです。
 
――次のアフガニスタン戦に向けて、得点力をさらに高めるためにはなにが必要だと感じていますか?
 
 アフガニスタンもおそらく引いてくるでしょう。同じような状況になると思うので、勝ちにいくことを要求します。私のサッカーの哲学を日本代表にもたらしていきたいと思っています。今日もビッグチャンスを10回以上作りましたが、まだ完璧ではありません。そして相手は1回も我々の16メートルのなかに入っていない。
 
 それでも、彼らに求める理想はまだまだ高い。我々はこの正のスパイラルを続けたいなと思います。そうしていくうちに自信がつくでしょう。
 
 今日の試合のビッグチャンスに関しては、少し慌てた、もしくは悪い選択だったというのもあるかもしれません。ゴール前でもう少し冷静さを持ってほしい。香川にしても、本当にあと少しの正確さがあれば得点を奪えましたが、まだ足りない。ただ、それは改善されていくでしょう。その点は楽観的に考えています。
 
――最初に『少し選手はプレッシャーを感じていた』と言っていました。それは監督が厳しい要求を出しているからなのか、あるいは東アジアカップで勝てなかったなどの状況からきているのか。選手はどこにプレッシャーを感じていたと思いますか?
 
 シンガポール戦の後ですね。全員が結果を飲み込めない状況でした。私に関しても、今年の夏はシンガポール戦の引き分けを引きずって生活していました。選手は今日の試合で本当に勝ちたかった。そしてその気持ちが良かったのです。
 
 ボールを奪うとか、そういった気持ちのところも凄かった。3秒、4秒でボールを奪えたと思います。「やり返すんだ」という気持ちが彼らからは見えました。そしてこれは、全スタッフ、そしてサポーターも同じでしょう。
 
 おそらくそういったこともあって、少し慌ててしまうとか、不確実性があったのかもしれません。もちろんもっと得点を取って勝つのは理想ですけれども、でも今夜はネガティブにはなれないですね。もう「おめでとう」とだけ言いたいです。
――ワールドカップを目指してチーム作りをするなかで、引いて守るばかりの相手が続きます。かなりストレスが溜まっているのではないでしょうか?
 
 個人的にはストレスを感じていません。とにかく勝ちたかっただけです。そして、選手からもそれは伝わってきました。ただ、そのせいで彼らがプレッシャーを感じすぎたのではないかということは先ほども話しました。相手はブロックをかなり引いて守っていましたね。我々が準備したのはサイドでの三角形を作るということ。オーバーラップをしなさいとか、いろいろなことを伝えたのですが、少し複雑にしすぎたと思います。
 
 本田に関しても、それを少し修正しましたし、逆サイドの武藤も修正しました。ほかの可能性を与えるためです。最後の16メートルのフィニッシュのところでは、カンボジア代表が引きすぎたのでスピードアップが物足りませんでした。FW陣が早めに入ってしまい、止まった状態を作ってしまいました。
 
 岡崎と武藤が同じラインに入ってしまっていたので「ボールが遠いところにある時の動きに注意しなさい」と話しました。「騙す動きをしてスペースを作り出しなさい」と。時にはマイナスのセンタリングをもらうとか、香川にしても「FWのふたりに対して、少し引いた状況を作りなさい」と話し、長谷部と山口には「マイナスのボールをもらってシュートを打ちなさい」と話しました。
 
 ただ相手の真ん中のゾーンに人数がいたので、かなり難しかったですね。それから3人目の飛び込む動きも要求しました。アウェーではもう少しスペースが生まれるかもしれません。
 
――昨日の会見で、「得点を取ることで選手たちに自信を取り戻してほしい」と話していました。この試合で3点取ったのは、選手の自信を取り戻すのに充分な結果だったと思いますか?
 
 何人かは満足していて、何人かは満足していないと思います。勝ちましたから私は満足しています。ただ、みなさんが思っているように、もっともっと得点が取れました。批判ではなく、我々に厳しい要求をし続けて下さい。我々はまたもっと向上したい。ただ、このようにビッグチャンスを作り続けるということが大事です。フィニッシュはまだまだ高いレベルにありませんが、それは伸ばせると思います。
 
――一貫して縦に速い攻撃を志向していて、引いた相手に対してもそれをやろうとしています。日本がこれまでやってきたパス回しはもう少しゆっくりしたもので、それで引いた相手を崩していくのが今までのやり方でした。監督は今後、高いレベルのパス回しも追求していくということなのでしょうか?
 
 そうですね。得点を奪うためのポジションを取らなければいけません。このように引いた相手に対して、一番良いソリューションは、サイドの攻撃だと思います。そして中央のコンビネーションはワンタッチが理想です。もしくはミドルシュート。今日はたくさんのセンタリングを上げましたが、合わせるところが少し足りなかった。しっかり合わせられていませんでした。これから映像をしっかり分析します。
 
 対戦相手が我々より弱いとは言いませんけども、そういったチームが低い位置でブロックを築いた時に得点を取るのは全世界で見ても難しいことです。我々はすぐに相手にプレッシャーをかけにいきました。また武藤を中に入れて、真司を外に置いて、相手をちょっと困らせるようなこともトライしました。そういったことが必要ですね。