多くの子が推奨値以上の重さを背負っている bloodua/PIXTA(ピクスタ)

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 背中に背負うカバン、いわゆるバックパックやリュックサックは、今季も注目されている"ファッションアイテム"。通学やレジャーにかぎらずタウンユースでも、カバンのトレンドだ。

 これまで"子どもっぽい"と敬遠されがちだったが、カジュアルファッションにかぎらず、通勤時のジャケットに合わせてもおかしくないシンプルなデザインも登場。近年では、デザイン性が高く、ノートパソコンの収納に適した機能性の高いものも少なくない。実用性を重視するビジネスシーンでも人気だ。

 そんな人気のバックパックだが、最近、「子どものうちからバックパックを使用していると、重大なケガや身体のダメージに繋がる可能性がある」という気になる報告があった。

子どもの半数以上が推奨値以上の重さを背負っている

 米国消費製品安全委員会(CPSC)によれば、2013年に全米の救急科で治療を受けたバックパック関連の損傷は5400件以上にもなった。米国カイロプラクティック協会労働衛生評議会(ACACOH)のScott Bautch氏は、「診療で、背中や首、肩の痛みを訴える低年齢児の数が著しく増えた。こうした患者にまず尋ねるのは『バックパックで通学しているか?』で、たいていは『そうだ』と答える」と話す。

 さらに米・理学療法協会の報告によると、アメリカの子どもの半数以上は、推奨値以上の重さのバックパックを背負っているという。

 Bautch氏は、バックパックの重さが子どもの体重の5〜10%を超えないようにし、幅または高さが子どもの胴体より小さいものを使うよう勧めている。ショルダーストラップは幅広でパッド付きの調整できるものとし、子どもが持つ場合は常に、両方のストラップを使うべきだという。

 子どもの頃から重い荷物を、毎日背負っていると、どんなことが起きるか?

子どもの頃から重い荷物を背負っていると......

 背中やお腹の筋肉をはじめとする組織に負担がかかり、腰痛などのケガを引き起こしてしまう可能性が高い。また、ベルトが両肩の後ろに引っ張られるため、血管や神経の通り道を圧迫してしまう。長時間その刺激が続くと、しびれや麻痺などの症状が現れる(同じようなメカニズムで起こるのが胸郭出口症候群である)。

 加えて、バックパックの両方のベルトに不均等な重さがかかると、左右不均等に筋肉が発達してしまったり、片足だけに余分な負荷がかかってしまったり、最悪の場合、側弯症などにつながってしまう。

 このように、バックパックに大量の荷物を入れたり、間違った方法で背負っていると、さまざまなリスクが生じる。それらを防ぐためには、まず第一に「重すぎるバックパックを背負わない」こと。

重い荷物を毎日持ち歩くことが必要か再考を

 いつも重い教科書を持ち歩いているなら、学校に置いておくのも子どもの発育にとっては重要だ。大人も、ノートパソコンや重い荷物を毎日持ち歩くことが必要か、再考すべきだ。

 そして、バックパックを背負う時の方法にも注意したい。重いバックパックを床から、あるいは机から持ち上げて背負う時は、きちんと膝を曲げ両手で抱えるようにしよう。

 ちなみに、日本の小学生の通学鞄といえばランドセルが定番。「ランドセルは重い」というイメージがあるが、30年ほど前は平均1500〜1700gだったものが、現在では平均1200gにまで軽量化されている。軽いものだと800gのもある。

 さらに、最新のランドセルは、肩ベルトの部分にさまざまな工夫がほどこされ、肩のラインにフィットする形のものや、負担を分散させる機能がついていたりするなど、細かな配慮がほどこされている。いまや、ランドセルは機能的にもハイテクな道具である。

 いずれにしても、バックパック型のカバンは、デザインもさることながら、荷物の重量や負担の軽減を考えて使用することが、体へのダメージを和らげる大切なポイントになる。
(文=編集部)