Doctors Me(ドクターズミー)- 【藤森香衣のがんコラム】Vol.9: 乳がん手術後2年で、私が気付いたこと

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術後2年…

先日、乳がんの手術から2年が経ちました。

1年に1回、反対側の胸の検診を行っているんですが、やはり「大丈夫」と思っていても、検診の時は怖くて緊張します。

エコーや、マンモグラフィーの結果を見た担当の医師から、「問題ないですね」と言われるまで、今回も体に力が入っていて、帰宅してからグッタリしてしまいました。

私は、右胸を全摘出したので、再発の可能性は「5%以下」と言われていますが、全摘出をした祖母が、(再発ではなく)反対側の胸も同じ病気になったことが、私の中でトラウマになっているようです。

病気ではなくなると、細かい事は色々と忘れてしまいますが、逆に“2年間で得た知識”が大きな不安を生み出しているのかも知れません。

「一生、こうした恐怖を抱えて生きていくのかな」

人生で、予想もしなかったことを体験したサバイバーの人たちは、健康という、当たり前のことを失った時の辛さも忘れられずにいます。

「『病気になったのが、他の誰かなら…』とは思わないけれど、じゃあ、どうして私なの?」と、悩む人も多いと思います。

若くても、高齢であっても、「がん」であることを簡単に受け入れられる人なんて、なかなかいないでしょう。

啓蒙活動や、講演で色々な方とお会いし、それぞれの体験をお聞きするたび、私の中で「がん」という、理不尽で巨大な敵の存在を恐怖に感じ、自分の無力さを思い知る経験もしました。

きっと、この恐怖が消えることはないと思います。
もう片方の胸だけでなく、体のどこかが病気になることだって考えられます。
想像したら、本当にキリがないんです。

「がんが治ったんだから、いいじゃないか」と、思われるかも知れません。
究極を言ったらそうなんですが…【治ったから一件落着】ではないということも、知って頂きたいのが、サバイバーの願いの一つでもあります。

生きるって、誰にとっても大変

私が病気を公表し、からだのことを“ぶっちゃけている”せいか、この2年の間に色々な方が、
・ご自身の闘病経験
・がん以外の持病のこと
・ご家族の悩み
・仕事のこと
…などを「実は、私もね…」と、話してくれました。

私からしたら、順風満帆の人生だと思っていた人でも、想像を超えたご苦労をされていることが多く、「生きるって、誰にとっても大変!」と、常に感じています。

困難を目の前にし、「どうして自分だけが…」という孤独が不安の種になり、恐怖へと成長してしまいますが、誰かの腕を掴んで、辛さを話してもいいんだ!と、この2年で私は多くの方から学びました。

S.O.Sを誰かに伝えたら、案外、心って簡単に重い荷物を降ろせたりしますよ。

〜モデル:藤森香衣〜