ユーミンが初の洋画主題歌担当、原作大ファン「星の王子さま」で。

写真拡大

シンガーソングライターの松任谷由実が、キャリア初の洋画主題歌を担当することがわかった。11月21日公開の映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」の日本語版主題歌「気づかず過ぎた初恋」を書き下ろしたもので、約半年間の時間をかけて楽曲制作に取り組んだという。

今回のオファーについて、「こんな世界観を歌に出来たらきっとみなさんも喜んでくださる、というものが浮かびました」と振り返る松任谷。「スタジオジブリの『魔女の宅急便』、そして近年『風立ちぬ』でも曲を使っていただいたのですが、空を飛ぶテーマの映画のときにはご用命いただけるのかなと思っています(笑)。『星の王子さま』は13歳のころに読んで以来、私の大切な本のひとつです」と、自身にとっても特別な作品に携わることを喜んだ。

また、完成前の本編をいち早く観た松任谷は「最後のほうはぽろぽろ涙がこぼれて、この気持ちをそのまま歌にできたらいいな、と思いました。作画のエネルギーが濃い密度で作られていて、同じクリエイターとしてこれに負けない主題歌にしたいと思いました」と絶賛。原作のファンであることも相まって、楽曲制作への意欲がいかに高いかを語った。

実際に楽曲制作に取り組んだ約半年間は“13歳の心を取り戻すための旅”だったそう。「原作を改めて読み直したら、(原作を初めて読んだ13歳のころの)あの感動した自分をどこに置いてきてしまったんだろう、とすごく焦ったのが正直なところでした。私自身が、原作に触れたときの気持ちを忘れてしまっていたんですね。そんな自分すらも気づかずに過ぎてしまった“初恋”のような気持ちを、改めてこの歌に込めたかったんです。」と話している。

映画の中で“星の王子さま”を探す旅に出る少女や飛行士の姿にも重なるエピソードを語った松任谷は「これまでの音楽活動でも、原作にある“大切なものは目に見えない”という言葉に近い“儚いけれど強いもの”“見えないけれど確実にある絆”というテーマを持ってやってきた気がします」と、“星の王子さま”から受けたインスピレーションが数々の名曲の下地となっていたことを明かした。

そんな松任谷は、楽曲のイメージを膨らませるために本作のマーク・オズボーン監督と対談。さらには原作者サン=テグジュペリ氏の生誕の地フランス・リヨンを訪問した。

「リヨンという街はとても美しくて不思議な場所でした。サン=テグジュペリの銅像を見たり、彼の甥に当たるダゲイさんともお話したのですが、サン=テグジュペリ自身がダゲイさんを通して、私が分からなかった星の王子さまについての“心”を教えてくださったような感じがしました。また、セスナに乗せていただく機会もあって、低空で空から村を見る機会がないですから、前日に見た景色がまるで手に取るように腕の中にある感覚になりました」と実際に現地の雰囲気を味わうことで、あたかも物語の世界に飛び込んできたかのような体験ができたようだ。こうした様々な準備により、書き下ろし最新曲「気づかず過ぎた初恋」が完成した。

日本でも多くの人に愛される名曲「やさしさに包まれたなら」の歌詞にある“目にうつる全ての物はメッセージ”と同じ想いを違う歌にも入れたかったと話す松任谷は、原作でも強く語られるメッセージ“大人になることで失ってしまう子供心”を意識して作詞した。聞く人の心の扉を開いてくれる温かなメロディーとともに、新たな名曲として多くの人の心の琴線に触れること間違いなしの仕上がりとなっている。

本作は、詩的で美しい原作の魅力はそのままに、9歳の少女が星の王子さまを探し冒険する、誰もが楽しめるエンターテイメント作品。松任谷も「心の硬くなったところを揉みほぐしてくれ、これまで見ていた世界を全く違うものに見せてくれる映画」と太鼓判を押している。

映画「リトルプリンス 星の王子さまと私」は11月21日より、2D&3Dで全国ロードショー。