カンボジア戦の予想スタメン。左ウイングはマインツで好調をアピールした武藤が、宇佐美をリードか。長友の状態次第では、米倉が左SBに入る可能性も捨てきれない。

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 勝って当たり前。たとえ内容が良かったとしても、持ち上げる必要は決してないだろう。

【PHOTO】カンボジア戦、アフガニスタン戦に向けた日本代表メンバー23人
 
 ワールドカップ・アジア2次予選の山場は、いずれもアウェーで戦う10月8日のシリア戦と11月12日のシンガポール戦であり、今回のホームゲームではない。言い方を変えれば、FIFAランク180位の“弱小”カンボジアとの一戦は単なるウォーミングアップに過ぎないのだ。
 
 万が一、そのウォーミングアップで苦しんだ場合、6月にシンガポールとスコアレスドローに終わった時と同じように「アンラッキー」のひと言では済まされない。FIFAランクでシンガポールよりも格下のカンボジアに勝てないようなら、お先は真っ暗。ハリルホジッチ監督の進退が間違いなく問われることになる。
 
 イラクとの親善試合(6月11日)の前日会見で指揮官が自ら口にした「2015年の無敗宣言」が脆くも崩れ去り、前述のシンガポール戦から5試合続けてアジア勢に勝ち星なしとなれば、更迭されて当然だ。
 
 なにもハリルホジッチ監督の解任を提唱しているわけでなく、カンボジアとの圧倒的な戦力差を考えれば苦戦などというシナリオは存在しないということだ。あえてノルマを設けるなら、相手の心を完膚なきまでに砕くほどの圧勝となるだろうか。
 
 カンボジアの力量よりも気になるのは、日本がどんなスタメンで戦うかだ。

「選択肢はない。勝つしかない」とのハリルホジッチ監督のコメント、さらにシーズン開幕直後というデリケートな時期にあえてヨーロッパでプレーする選手を呼んだ状況から察するに、現時点でのベストメンバーで臨みそうだ。
 
 なかでも注目は、ドルトムントで目下絶好調と言っていい香川だろう。
 
 ハリルホジッチ監督が今後も“縦に速いサッカー”を追求するなら、このテクニシャンのプレースピード、状況判断にマッチした動きが、味方には求められる。香川の個性を潰すのではなく、持ち味をどこまで引き出せるかはアジア予選を通してのポイントになる。
 
 香川と言えば、今季からミランでトップ下を担うようになった本田とのポジション争いもいずれは見物になるかもしれない。
 
 ハリルホジッチ監督の下ではここまで中盤センター(インサイドハーフまたはトップ下)が香川、右ウイングが本田で固定されているが、香川が2次予選で思うような結果を出せなければ、“マイホーム”を本田に譲る可能性が膨らみそうだ。
 攻撃陣では左ウイングにも注目したい。4-2-3-1の左サイドに起用された7節のFC東京戦以降、Jリーグでゴールがない宇佐美のコンディションは下降気味。主役級の活躍が期待された東アジアカップでも無得点に終わった彼よりも、マインツで好調をアピールする武藤のほうがスタメンに相応しいだろう。
 
 サプライズがあるとすれば、長友に不安がある左SBか。オフシーズンは去就問題に揺れ(結局はインテルに残留)、メンタル的に厳しい状態にあるかもしれない彼のコンディション次第では、東アジアカップで株を上げた米倉の抜擢もあるだろう。
 
 ちなみに、右足負傷で離脱した槙野の代わりに招集されたFC東京の丸山は、CBのバックアッパー扱いになるはず。スターティングメンバーで吉田とコンビを組むのは、東アジアカップの3試合すべてにフル出場した森重に違いない。
 
 先発の11人だけでなく、途中から投入される選手のパフォーマンスも要チェックだ。シンガポール戦に続き、東アジアカップでも試合の流れをガラリと変えるような“スーパーサブ”は見当たらなかった。
 
 ワールドカップ予選を勝ち抜くうえで、ラッキーボーイ的な存在は重要だ。チームの底上げを図る意味でも、アフガニスタン戦を含む9月の2連戦はスタメンよりも、交代枠3人の働きがポイントになるかもしれない。
 
 今年、日本で戦う最後の代表戦。停滞ムードを打破するためにも、しばらく遠ざかっている白星を掴みたい。
 
 取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)