監督の発言は宇佐美や香川へのメッセージだと感じた(撮影:長瀬友哉/フォート・キシモト)

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27日に発表された日本代表のリストを見て、僕はハリルホジッチ監督の強い意志を感じます。

残念ながら僕が推薦していた遠藤保仁も、豊田陽平も入りませんでした。それどころか東アジアカップで大活躍した武藤雄樹までも呼ばれませんでした。

それだけ監督としては今回のメンバーに「しっかりやれ」ということだと思います。岡崎慎司、本田圭佑、そして香川真司が好調なので、まずはそこがキチンと働いてくれれば、監督は問題ないと思っているのでしょう。だから飛道具のような選手を呼ばず、自分の好みをしっかり押し出しています。

相手が引いてくる中で、永井謙佑のようなスペースに飛び出すタイプを選んだということは、サイドをもっと使いたいという意思表示かもしれません。今回の戦いでは、相手をおびき出すために、相手にボールを持たせて、その裏を突いていくことでしょう。永井は、その相手守備ラインの裏にスペースを作ったときの切り札だと思っているかもしれません。そして永井は、今回のような相手に対してでもいいプレーを見せられないと、次はないと気を引き締めているはずです。

メンバー発表記者会見では、監督が2度に渡ってPKについて語っていました。「この7試合で1度もPKを獲得していない」「自分は狙って取りに行った」「それが試合を動かすこともあった」。これは、香川と宇佐美貴史に対するメッセージではないでしょうか。ドリブルで仕掛けられる選手はペナルティエリアに入って勝負しろということだと僕は捉えています。PKを取れるようなプレーをしろと言っているのです。

僕が思う今回のノルマは「勝ち点3」。別に大量得点でなくてもかまいません。欲を言うなら、前半の早いうちにゴールを挙げてほしいものです。それさえできれば日本は立て続けに得点することも十分可能です。一番の敵はシンガポール戦から東アジアカップに繋がった「重苦しい空気」です。前半のうちに日本代表の上にかかっている黒雲を追い払えるよう期待しています。