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ディズニー不朽の名作として知られる『シンデレラ』。

【画像13枚】5つのトリビアで見方が変わる実写版『シンデレラ』フォトギャラリー

アニメーション版は1950年にアメリカで公開されました。それから65年、ディズニーは再びこの作品を実写版としてリメイクしました。

2015年9月2日、そんな実写版『シンデレラ』がMovieNEXで発売されます。今回は実写版シンデレラをより深く楽しむことができる、5つのトリビアをご紹介します。

アニメ版シンデレラを楽しむためのトリビアは、こちらをどうぞ。

シンデレラ=灰ちゃん!? ディズニーの名作『シンデレラ』の見方が変わる5つの事実

1. シンデレラが「木の枝」を欲しがったのはグリム童話由来?

主人公のエラの父は貿易商を営んでおり、家を留守にしがちでした。

エラは幼いころに母を亡くしており、エラは使用人たちとともに生活をしていました。

その後、エラの父は、トレメイン夫人と再婚することを決めます。エラは父の幸せを願い、この再婚を受け入れました。

トレメイン夫人には、前の夫との間に2人の娘がいました。ドリゼラとアナスタシアです。

さて、いつものようにエラの父は、仕事のために旅に出ることになりました。

そんなとき、ドリゼラとアナスタシアは土産として、自分たちが欲しいものを父にねだったのに対して、エラは「一番初めにお父さんの肩に触れた木の枝が欲しい」と頼みます。

その理由は「旅の間、その枝を見るたびに自分のことを思い出すから」でした。

では、どうしてそもそも「木の枝」なんて欲しいと言ったのでしょうか。

この描写はアニメ版にはありません。実はこれ、グリム童話の『灰かぶり姫』に同じような描写があるのです。

グリム童話版では、持ち帰った枝を植えると、そこに白いハトがやってきて、灰かぶり姫に舞踏会へ行くためのドレスと靴を用意するのです。

グリム童話版のハトの役割を、ディズニー版では妖精であるフェアリー・ゴッドマザーが果たしているのですね。

2. シンデレラが話せるフランス語は、当時の欧州社交界の共通語

物語の途中、エラがトレメイン夫人にフランス語を話して、トレメイン夫人が驚く描写があります。

どうしてエラはフランス語を話せるのでしょうか。

実写版『シンデレラ』の時代設定は、明確には決められてはいません。

ただ、風景や人間関係などを見ると、19世紀ごろのイギリスが舞台であると思われます。

当時、ヨーロッパの社交界では、フランス語が共通語でした。貴族や上流階級の人たちはフランス語を勉強して、コミュニケーションを取っていたのです。

フランス語が話せるというのは、それだけ身分が高いことの証拠でもありました。

おそらくエラもその影響で、フランス語を学んでいたのでしょう。

トレメイン夫人が驚いたのは、貿易商の娘であるエラが、フランス語を話せるとは思っていなかったからでしょう。

3. シンデレラが馬に乗れる理由。女性の乗馬は珍しくなかった

さて、実写版『シンデレラ』では、森の中で馬に乗ったエラと王子が出会います。

そもそも、この時代の女性は馬に乗っていたのでしょうか。ただの物語のための設定なのでしょうか。

実は19世紀後半になると、乗馬が好きな女性の数は多くなっていたのです。

当時の乗馬服や鞍(騎乗するために使う馬具)には、きちんと女性用が用意されていました。

19世紀のイギリスでは、馬に乗る女性というのは、決して珍しい存在ではなかったのです。

4. シンデレラのドレスはブルー。青は「幸福」や「純潔」の象徴

シンデレラと聞くと、ブルーのドレスを想像する方が多いと思います。ディズニーのアニメ版でもそうですね。

実写版『シンデレラ』でも、フェアリー・ゴッドマザーの魔法の力で、エラは美しいブルーのドレスを手に入れます。

では、どうしてシンデレラのドレスはブルーなのでしょうか。

ヨーロッパでは、結婚式の習慣として「サムシング・フォー」というものがあります。

これは、花嫁が4つのものを身につけると幸せになれる、とされているものです。

その4つとは「古いもの」「新しいもの」「借りたもの」そして、最後は「青いもの」になっているのです。

青色は、キリスト教における聖母マリアのシンボルカラーで、「純潔」を表しているからだと言われています。

だから、シンデレラのドレスも美しいブルーをしているのではないでしょうか。

ちなみに、作品で登場するドレスの胸元にある蝶の飾りは、日本人デザイナーの宮本遥香さんの手によるものなんですよ。

5. 時代背景に反して、王子の家来に黒人がいるのはなぜか

映画終盤、ノンソー・アノジー演じる大尉が、エラの窮地を救うシーンがあります。

大尉はキット王子に仕える家来で、その姿の通り「黒人」です。

19世紀のイギリスという時代設定を考えると、黒人は奴隷として虐げられていました。

王子直属の部下として、黒人が仕えるのは考えられないことでした。

実写版『シンデレラ』で、黒人の大尉が仕えているのは、おそらくディズニーによる人種への配慮だと思われます。

ディズニーとしても、さまざまな人種が共存する社会を描きたかったのかもしれません。

「え? 今さらシンデレラ?」と思う方に見てほしい!

「シンデレラ」と聞くと、「何で今さら?」「ストーリーの内容は分かってるよ」と思われるかもしれません。

実は私も、実際に見るまではそう思っていました。

しかし、作品を見てみると、もともとのアニメ版だけではなく、グリム童話やシャルル・ペロー版のシンデレラ(『サンドリヨン』)もきちんと踏まえたうえで、実写版が作られているという印象を受けました。

不朽のおとぎ話を、ディズニーは現代社会に合うように、見事にアレンジしてみせました。

作品の中では、どうしてシンデレラは「シンデレラ」と言うのか、どうしてトレメイン夫人は、エラの父親と再婚したのか、そしてトレメイン夫人は、どうしてエラが舞踏会へ行くことに反対したのか、その理由がていねいに描かれています。

MovieNEXが発売されるこの機会に、食わず嫌いせず、ぜひ新しいシンデレラを見ていただきたいと思います。

※本記事の執筆にあたって、以下の資料を参考にしました

・木村 吉次『体育・スポーツ史概論』2001年12月

『シンデレラ』デジタル先行配信中、MovieNEX(4,000円+税)は2015年9月2日(水)発売 発売:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン