朝ドラ「まれ」(NHK 月〜土 朝8時〜)8月31日(月)→放送。第23週「いっぱい失敗タルトタタン」第133話より。脚本:篠崎絵里子(崎の大は立) 演出:保坂慶太


133話は、こんな話


2015年、春。仕事に育児に充実した日々を送る希(土屋太鳳)。塗師屋にも新しいスタッフが入ったので、お店のほうに力を注ぐべく、アルバイトを雇うことを考えはじめる。

今日の、幸福


132話、2015年春だったのに、133話の冒頭は2014年秋。いきなり過去へ戻って、びっくり。
今どきの時系列シャッフル手法をいきなり使うとはトリッキーな。って、それほどのことではないのでしょうけれど。
そこで、紺谷弥太郎(中村敦夫)がかおるという本名に戻って熟年再婚したことや、希たちが桶作家に部屋を借りたことが語られました。
再婚相手まさえが、ウルトラセブンのアンヌ隊員ことひし美ゆり子! 熟年再婚相手にピッタリの、60代後半とは思えない色気。現役感ありまくりでした。
このひと、女将だったら良かったのに。

そんなこんなで、とにかく順風満帆。
桶作家の居間は希が子供だった頃よりも家族が増えて、さらににぎやかになり、
「まれ」の初期の頃に提唱されていた、血縁、非血縁関係ない新しい家族像が
成熟してきた感じです。

仕事に育児に充実した毎日を送る希が、あまりにもハッピーな感じなので、歯ぎしりしながら、匠(小山春朋)と歩実(横山芽生)になぜトリコロール柄を着せるのか、フランス菓子職人だからってそれはないだろ、くらいはツッコませていただきます。
服といえば、洋一郎(高畑裕太)のファッションが様変わり(それなりにオシャレなジャージ姿。マイルドヤンキー化?)したことにまったく触れないのはなぜ・・・。

今日の、不幸


「ふみさん劇場」として、「ほんとうの夢とはなにかちゅう徹が残した貴重な教訓」を紙芝居仕立てにして、子どもたちに見せる文(田中裕子)。
「行方不明になってしまいました」で「めでたしめでだし」とし、
「時、すでに遅し」とみんなで楽しそうに言うなんて、ブラックですねー。
歩実はこの話が大好きであるというのも胸が痛い。
匠はあまり楽しそうじゃない(そもそも歩実に比べて感情を抑制しがちのようですが)のが見て取れるのが気になります。

気になるといえば、藍子(常盤貴子)。
みんなが笑って見ているときの藍子の気持ちを思うと・・・。
もうず〜〜っと帰ってこない徹を思い続けて年老いていく藍子(老眼鏡ぽいものをかけて日記か何か書いてる場面が切ない)・・・。
彼女と徹って、トータルすると一緒に暮らしてない期間が15年をくだらないわけで、そんなに離れていても、楽しかった思い出と子供たちがいるからいいのかしら。
まるで、戦争から帰ってこない夫を待ち続けたり、亡くなった夫を思って出家するような描かれた方。
自立したいと願っていたはずなのに、一応塗師屋の仕事も続けているとはいえ、それほど何かしているようにも思えず・・・。
希が自由奔放で幸福な分、藍子ばかりがえらく地道な部分を背負い、これでバランスをとっているのでしょうか。

今日の、迷場面


「台詞だとようしゃべるな、高志」(一徹/葉山奨之)

高志(渡辺大知)が、歌にドラマに大活躍している様が描かれます。
その出世のイメージがものすごく紋切り型で、高志も結局こんな描かれ方なのかよ、とがっくり。なんで、ここでまた笑いにもっていってしまうのか。
とことんキャラクターに夢を託さない脚本であります。

今日の、勝手に名言


「茶飲み結婚」(まさえ/ひし美ゆり子)

キャラへの夢を裏切るといえば、かおるの再婚相手が、あの年齢差のある美人かなえ(橋本マナミ)ではなく、そのお母さんだったこと。こちらは逆にホッとしました。流行の年齢差結婚だと辟易ですから。
その再婚相手まさえが、茶飲み結婚でいいと思っていたが、かおるが情熱的で・・・とのろけます。
茶飲み結婚ってなに? 茶飲み友達とどう違うの? たまに来て茶を飲むくらいの通い婚的ゆるやかな婚姻関係? 
この結婚の形、ものすごいラフでいいですね。夢を抱きました。
(木俣冬)

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いまひとつ視聴率が伸びないが、奮闘は讃えたい。NHK朝ドラ「まれ」おさらい(54話までを総括))