◇「『幽遊白書』に出たかった〜(笑)。」


土屋: お二人は、今後の自分の方向性ってイメージされているのですか?

白石: 私は一生仕事したいので、結婚しても辞めるつもりは今のところないですね。

野中:私も日高のり子さんみたいになりたいです。お母さん業もしっかりして、お仕事も第一線でやるってのに憧れます。

土屋: 年齢と共に、演じる役って変わってくるんですか?

白石: 変わってきますねぇ。お姉さんとか、自分と同じ年ぐらいとか、ちょっと色っぽい役も増えてきました。

野中: 私も、お母さんやおばさんの役をやらせていただけるようになりました。

土屋: あの声やりたかったなあ、という作品ありますか?

野中: 『幽遊白書』に出たかった〜(笑)。

白石: オーディションを受けたアニメ映画のキャラクターが、決まってみたら芸能人だった時はショックでしたね(笑)。

野中: 「決まってたんじゃないの〜?」「受ける意味あったのかなぁ?」って?(笑)。

土屋: 芸能人! どうですか、本業の方からみて芸能人の方のスキルは?

野中: パスッ! 今日はパス3まで使えるって、聞きました!

白石: (笑)パスしたことで、「なんかあるんだな」と思われちゃうかも(笑)。

土屋:っていうかお二人、いまだにオーディションなんですか? もうご指名でしょ?

白石: 指名もありますけど、基本オーディションです。

野中: 「この役のオーディションに事務所から5名出してください」というのが来て、まずそこに入らないと、って感じです。

白石: そうなんです、この「事務所から5人」の中に入るのが第一関門。

土屋: へー! そこから5分の1って事ですか?

野中: 違いますっ! 他の事務所からも出てくるので、もっと低いです。

白石: 百人単位で受けることもあるので。

土屋: 100人単位!!

白石: だって「事務所から5人出してください」の時点で、全くはまらない5人を出している可能性もあるし。逆に制作サイドから「この役、白石さんオーディション受けてください」みたいなこともあります。制作サイドからの要望でオーディション受けた時の方が、モチベーションはあがりますよね。

土屋: オーディションが多いって事は、声色が七変化な方のほう仕事が決まりやすいですか?

白石: 声が7変化みたいのはあんまり関係ないですね。そのキャラクターにはまるかはまらないかとか。他とのバランスみたいなこともあったり。

野中: 何人かで一緒にブースに入って実際にお芝居をして、バランスを見て決まったりもします。

白石: あと、受けた役は落ちたけど他の役で決まったりすることもあります。オーディションで「このセリフを読んでください」と言われて別のキャラクターのセリフを読むこともあるし、あとから出てくるキャラクターの役をもらって「ラッキー」みたいなこともあります。

土屋:ちなみに、採用の打率ってどれくらいですか? イチローより下ですか? あ、ちょっと古いですか、秋山より下ですか?

白石:打率なんて私、相当やばかったですね。一番やばかったのは2013年〜14年でアニメのオーディション、受けたやつ全部落ちた!

野中: 私も、イチローさんより全然低いです。

土屋: そんな打率なんですか、もう凹んでいる場合じゃないですね…。ちなみにこれって、外画でも同じですか? シガニーウィーバーに声が似てるとか…本人の声に似ている必要性はあるんですかね?

白石: 外画もモノによりますが、オーディションがありますね。

野中:外画のほうが、似てる声で決まったりしないの?

白石:それが作品によるんだよね。ボイスマッチで選ばれることもあるし、全く違う場合もある。外画の場合は、録った声を本国に送って向こうのスタッフが判断して選ぶこともあったりするんですよ。ボイスマッチなのか…決め手は何なのかわかりませんけど。凹んでいる場合じゃないっすね。

野中: 確かに。でも、毎回凹みます。

土屋: 凹むんですね。それは大変なお仕事だ…。

白石: でも、運よくゲームがアニメ化されるとか、前にやってたアニメの新しいシリーズが始まるとか、ドラマCDがアニメ化とか、そういう形でお仕事があったりもするので、意外とお仕事の幅は広いです。

野中: 今はスマホゲームがたくさんあるし、嬉しいですね。