皮脂の状態が改善して赤ちゃんのような肌に!? evgenyatamanenko/PIXTA(ピクスタ)

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 ここ数年、風呂でボディーソープや石鹸などを用いて体を洗わない"タモリ式"入浴法が注目を集めている。タレントのタモリさんが入浴時に行っていると発言したことから火がついた。福山雅治さんや妻夫木聡さん、ローラさんなど、美肌で知られる芸能人も実践されていることでも有名だ。

 そもそも、体の汗や皮脂などの汚れは、ボディーソープや石鹸を使わなくても、お湯に10分も浸かれば大半は落とせるという説や、ボディーソープや石鹸類は肌にとって刺激が強すぎるという説がある。当サイトでも、「乾燥シワ、過敏な肌の痒み...... 肌老化を減速させるコツとは?」で紹介している。

 昔はアカスリやナイロンタオルなどでゴシゴシ体を洗ったほうが、健康にもいいし、垢も取れやすいという考え方が主流だった。むしろ体を石鹸で洗わないなど、不潔で病気になるのではないかとすら思われていた節もある。

 だが最近では、肌の角質層で水分保持を担う"バリア機能"を守り、乾燥を防ごうという考え方が注目されている。そこに、有名人らが実践するタモリ式入浴法が注目され、美容に気を遣う男女に説得力を与えたようだ。

 "アカスリ世代"の反発も顧みず、定着しつつあるタモリ式入浴法。そもそも日本人にはなじみにくいものだが、実はフランスではすでに古くから定着していた入浴法だった。

フランスでは"体を洗わない"のが当たり前?

 東京大学大学院医学系研究科の梅崎昌裕教授による資料によれば、ヨーロッパでは、古代から毎日入浴したり、体を洗ったりする習慣がなかったという。古代ローマのキリスト教徒たちに至っては、官能に身を任せる異教徒への抵抗から、入浴はもちろん、体を洗うことまで拒否していた時期があったのだという。そして、自らの身体から汗と皮脂の匂いを発散させることに誇りすら感じていたというのだ。

 16〜17世紀のフランスでは、ペストの流行などが背景としてあり、皮膚に病毒が浸透することへの懸念から、水に浸かること自体、抵抗があったという。ところが現代に入ると、 "衛生"に対する観念や理解が生まれ、目に見えない細菌まで洗うのが常識になった。

フランス人が積極的に入浴しない理由とは?

 しかし、フランス人はいまだに週に1度くらいしか入浴しないという。その理由のひとつには、「体の皮脂や汚れを洗い流すと健康が損なわれる」と考えられている点にある。これは、フランスの医療に根付くデカルトの考え方からきているそうだ。

 また、フランス人が積極的に入浴しようとしないのは、気候も関係している。温暖湿潤な日本では、肌が蒸れやすく、入浴は頻繁に必要になる。その点、ヨーロッパの乾燥している地域では、入浴の必要性が薄くなる。そもそも、フランスは水道代が高いという背景もあるようだが......。

医学的にも石鹸はそれほど必要ではない?

 週に1回しか風呂に入らない人たちがいるくらいだから、毎日入浴する習慣のある日本人は、毎回石鹸を使わなくとも問題ないように思える。さらに、加齢とともに皮脂の分泌量が減るため、石鹸でゴシゴシ洗う行為は、皮脂を取りすぎてしまう。

 医学博士である岡田正彦氏の著書『医者が絶対にすすめない「健康法」』によると、「肌に負担をかけないためには、石けんを使わず手のひらでやさしくなでるように洗ったほうがいい」とある。岡田氏自身も、石鹸をあまり使わないと綴っており、使うときは手の平でなでるようにするだけという。

 肌の乾燥が気になる季節へ移る前に、一度 "タモリ式"入浴法を試してみてはどうだろう。皮脂の状態が改善し、衰えた潤いとハリも回復するかもしれない。
(文=編集部)