中国メディアの中金網は28日、世界同時株安によって世界の投資家たちは中国に起因する3つのリスクを認識したと伝え、「おそらく世界の金融市場の動揺は今後も続くだろう」と主張した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディアの中金網は28日、世界同時株安によって世界の投資家たちは中国に起因する3つのリスクを認識したと伝え、「おそらく世界の金融市場の動揺は今後も続くだろう」と主張した。

 記事は、まず中国に起因する3つのリスクとして、「中国国内における生産が減少していること」、「生産減少によって石炭などの商品価格や耐久品の価格が下落していること」、「人民元切り下げによって、中国がより安い価格で製品を輸出できるようになったこと」を挙げた。

 続けて、「中国国内における生産が減少していること」および「生産減少によって石炭などの商品価格が下落していること」に対し、中国の製造業における受注状況はあまり芳しくないと伝え、中国国内における需要も疲弊しつつあると指摘した。

 さらに、中国のメーカーは生産を拡大できる状況にはないとし、そのため原油や石炭、銅といった商品価格が下落していると伝え、米国の株価指数である「S&P500指数」においても、エネルギー関連などの企業の株価は非常に冴えないと論じた。

 また、中国の消費者物価指数(CPI)は今なおプラスの伸びを保っているとしながらも、耐久品の価格は下落傾向にあり、自動車メーカーや高級ブランド品メーカーは相次いで値下げを余儀なくされていると指摘。莫大な債務を抱える中国にとってCPIの伸びが鈍化していることは経済成長における足かせとなっていると指摘した。

 そのほか記事は、3つ目のリスクとして、「人民元切り下げによって、中国がより安い価格で製品を輸出できるようになったこと」を挙げ、中国の輸出面における競合国が利益を削られることになると指摘。ひいては競合国の企業が損失を被ったり、通貨切り下げ競争が起きることにつながりかねないことを示唆し、「米国の利上げが延期されれば金融市場は短期的に落ち着きを取り戻すかもしれないが、中国経済に起因する3つのリスクは解消されない」と指摘した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)