動画広告講座その4――始めるなら今!モバイル動画広告の基本フォーマットとメリットまとめ

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「スマートフォンは画面が小さいし、データ通信制限もある。動画には向いていないのではないか」――そう考える方が多いかもしれません。

しかし総務省の平成26年版情報通信白書によると、「スマートフォンからのサービス利用率」は「情報検索」「ニュース」に次いで、『動画視聴』が66%という高い割合を見せています。

また10代では、80%が週1回以上スマートフォンで動画を視聴しており、PCを抜いてテレビに迫る勢いです(サイバーエージェント調べ)。さらに、平均視聴時間も「1時間以上」との回答が10%を超えています(ヤフー調べ)。

▽左:動画視聴が66% 右:10代の80%以上が週1回以上スマートフォンから動画視聴を行っている

画像参照元 左:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc141120.html
右:https://www.cyberagent.co.jp/news/press/detail/id=10844

以上のことから、スマートフォンユーザーは「動画を視聴する行為」について、必ずしも否定的ではなく、若年層においては積極的に動画を視聴する傾向にあることが分かります。

つまり現在の若年層へのアプローチはもちろんのこと、今後のマーケティング活動全体において、モバイルを意識した戦略が不可欠となっており、今のうちに基本を押さえておくことが大切です。

モバイル動画広告の分類

モバイル動画広告の出稿面は下表のとおり、アプリとウェブ(モバイルサイト)に大別できます。
(インストリーム広告、アウトストリーム広告については『動画広告講座その1ーー動画広告の種類とフォーマット、正しく分類できますか?』で詳しく解説しています。)

 インストリーム
(動画コンテンツに挿入される広告)
アウトストリーム
(動画コンテンツを持たないウェブ・アプリでの広告)
アプリ動画閲覧アプリ
(YouTube・ニコニコ動画など)
通常アプリ
(ゲームアプリ・ユーティリティアプリ・SNSアプリなど)
ウェブ動画配信モバイルサイト
(YouTube・ニコニコ動画など)
モバイルウェブサイト
(動画広告枠を持つモバイルサイト全般)

このように、一概に「モバイル動画広告」と言っても複数の種類が存在します。YouTubeのTrueView動画広告のように、アプリとモバイルサイトの両方で展開されているケースもあります。それぞれの特徴を理解し、自社の広告目的に適したモバイル動画広告を選択することが重要となります。

主なフォーマット

インストリーム動画広告は、基本的に本編の動画コンテンツと同じように再生されるため、今回はアウトストリーム動画広告の基本的なフォーマットをご紹介します。各社が独自に開発しているフォーマットも多数ありますが、ここでは代表的なものを取り上げます。

エクスパンドバナー広告

ページ下部やウェブコンテンツの途中などに表示されるバナーをタップした後に、動画広告が大画面で再生されるフォーマットです。ウェブ面でもアプリ面でも展開されており、エクスパンドの仕様や表現はさまざまです。

動画広告を試聴する前にバナーをタップする必要がある(=強制視聴ではない)ため、潜在的に興味があるユーザーに動画を視聴してもらえるというメリットがあります。

動画で見る

インフィード広告

FacebookやTwitterなどのフィード内に配信される動画広告に代表されるのがインフィード広告です。最近増えているニュースアプリ内の広告なども、インフィード広告のひとつと考えることもできます。

メリットは、ユーザーが慣れ親しんだインターフェイスに動画広告が掲載されるため、他のフォーマットよりも違和感が少ない点です。またFaebookやTwitterなどはユーザー情報に基づいた詳細なターゲティングができるため、アプローチしたいターゲット層が多く使っている場合は効率的な広告運用が可能になります。

画像参照元:https://www.facebook.com/business/news/Premium-Video-Ads-on-Facebook

インタースティシャル広告

ウェブページ遷移時やページのローディング中に表示される動画広告です。遷移後のページに被せるように表示する「インタースティシャルポップアップ」という方法もあります。

モバイルアプリで使用されることが多く、アプリ起動時やゲームのレベル読み込みなどの画面切り替え時に表示されます。全画面表示が多いため、インパクトを与えたり、確実にリーチを広げたい場合に有効です。ただし強制視聴型であり、ユーザビリティが下がる可能性があるため、クリエイティブなど十分な配慮が必要と言えるでしょう。

画像参照元:http://www.vdopia.com/mobile/insights/ad-gallery

リワード広告

リワード広告は主にモバイルゲームアプリ内で用いられる動画広告です。ユーザーが動画広告を最後まで視聴することで、ゲームで使用できるアイテムなどを獲得する仕組みのため、完全視聴率が高いのが特長です。さらにゲームオーバー時など、ユーザーが「このゲームを続けたい」と思うタイミングで表示されるため、能動的な動画視聴を促すことができます。

なお、リワード広告と混同されがちなのがブースト広告です。ブースト広告はユーザーが広告を通してアプリをインストールすることで何らかの報酬が得られる仕組みであり、インストール数は伸びますが、エンゲージメントの高いユーザーの獲得には不向きです。

動画で見る 

モバイル動画広告のメリット

次に、PC動画広告との比較から、モバイル動画広告のメリットを整理します。

画面占有率の高さ

モバイルはPCに比べ、動画広告の画面占有率が高くなります。一例として下図のようにインバナー広告を比較すると一目瞭然です。これにより、PCよりもインパクトが強まり、高いエンゲージメントを期待できます。
またPCの場合、画面の一部分で動画が再生されていても実際に視聴されていないケースが起こりがちですが、モバイルでは画像占有率が高いことから、ビューアブルインプレッション実際にユーザーが閲覧できる状態にあった広告インプレッション。広告枠の50%以上が2秒以上スクリーンに表示されると視認可能とカウントされる。と実際の視聴動向が近くなり、広告への反応や評価を把握しやすくなるというメリットもあります。

モバイル特有の機能との連動

モバイル動画広告では、モバイルデバイス特有の機能と組み合わせたキャンペーンを展開できます。

例えばGPS機能。PCでは、居住地によるジオターゲティングは市区町村レベルまでが主流ですが、モバイルであればもっと詳細な位置特定が可能です。中には基地局の情報を収集して、位置を特定するサービスもあります。
このような機能を用いれば「品川駅でサイネージ広告を展開する期間は、品川駅にいる人だけに動画広告を配信する」などといった他チャネルとのキャンペーン連携も可能です。また、動画広告を見た後に「今いる場所から商品を購入できる一番近い店舗」を紹介するといったシームレスなユーザーエクスペリエンスを提供する広告メニューも出てきています。

他にも、カレンダー機能との連携、加速度センサーやジャイロセンサーデバイスの傾きを測るセンサーといったモバイルデバイスが備える機能を利用した、よりリッチな企画や表現が可能となります。

アプリならではのターゲティング

アプリは基本的にユーザーが能動的にダウンロードしているため、より「パーソナルな好み」が反映されていると考えられます。つまりウェブのCookieを用いたターゲティングとはまた異なるターゲティングが可能となります。例えば「過去にカジュアルゲームのアプリをダウンロードしたユーザー」をターゲティングし、アプリ内動画広告を出稿することができます。

マルチスクリーンを意識したマーケティング施策を

ニールセンとYuMe社米国の動画広告配信企業の共同調査において、単一デバイスと複数デバイスで行った動画キャンペーンを比較したところ、購買意欲・レコメンド意向・ブランドへの印象とすべてにおいて、接触デバイスが増えるほどその効果が高まることが判明しました。

今や複数のタッチポイントを設計して広告効果を高めるマーケティング手法は一般化していますが、動画の世界でもPC×モバイル動画広告、TVCM×モバイル動画広告などのマルチスクリーン(マルチデバイス)戦略の必要性が高まっています。その際、今回ご紹介したモバイル動画広告の基本知識は不可欠です。

そして来るべきモバイル中心の時代に備え、早いうちからモバイル動画広告の経験値を積んでおくことが得策と言えるでしょう。

[参考]

総務省|平成26年版 情報通信白書|インターネットの利用状況 :
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h26/html/nc253120.html

YuMe Video Advertising Blog » Why multi-screen video advertising is essential
http://www.yume.com/blog/why-multi-screen-video-advertising-is-essential/