欧風からタイカレーまで…天皇ご一家御用達カレー10

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天皇皇后両陛下がご公務などで地方に行かれる際、昼食のメニューを決めるとき、「陛下はカレーライスがお好きでいらっしゃいます」と宮内庁からアドバイスがあるほど天皇陛下はカレーがお好きだ。実際に戦後間もない時期から、東宮御所にはカレー粉が献上されていたという。

陛下のカレー好きは、お子さま方にも受け継がれている。雅子さまが皇太子さまのために東宮御所のキッチンで初めて作った料理も、欧風カレーだった。いっぽう、秋篠宮家の晩ご飯には「火曜日はカレーの日」というルールが。そんな、天皇ご一家の“幸せエピソード満載”のカレーのお店を一挙紹介!

神奈川県『富士屋ホテル』
富士屋ホテルを両陛下が訪れられたのは’64年のこと。注文の多い日は、1日300食も出るというビーフカレー、その特徴は、ブイヨンの代わりに丹念に煮込んだコンソメスープを使うことだ。
「100年以上受け継がれているレシピに忠実なメニューです。チャツネやココナツミルクといった隠し味も深みやコクの秘密でしょうか。ルウや具材のひとつひとつまで妥協しないように心がけています」(北村雅之洋食料理長)

東京都『ナイルレストラン』
創業から半世紀以上たっても行列ができる人気店。中でも多くのファンを持つメニューが、ムルギー(鶏肉)ランチだ。
「私の父が66年前に日本でインド料理レストランとカレー粉の販売を始めたとき、ぜひ天皇家の方々にも召し上がっていただきたいと、父はカレー粉を献上したそうです」(G・M・ナイルさん)

北海道『五島軒』
ご即位から間もない平成元年秋、全国障害者スポーツ大会に臨席された両陛下が昼食に召し上がったのが、五島軒の“鴨カレー”だった。
「当店は創業明治12年と、北海道でもっとも歴史ある洋食店です。この鴨カレーを作ったのは二代目・若山徳次郎。彼は修業先の帝国ホテルで学んだ英国風ビーフカレーを基本に、函館を渡りの中継地にする鴨を使い、このカレーを完成させました」(販売部・鈴木勝浩さん)

愛知県『名古屋国際ホテル「天守閣」』
両陛下が’68年に同ホテルに滞在された際に召し上がったレシピを、平松和人料理長が、6年ほど前に復活させたのが「幻の国際カレー」。
「滑らかな食感になるので、ルウは小麦粉ではなく米粉を使用。とくに牛肉はA5ランクの和牛にこだわっています。うちはステーキハウスですから」(吉田充宏店長)

三重県『マンドルーラ』
’84年に三重県で開催された全国豊かな海づくり大会に臨席された両陛下が召し上がったのが、欧風の「プリンスカレー」。
「お見送りした際、美智子さまから『おいしかったですよ』とのお言葉をいただいたことは、一生の思い出になっています」(柳川昌彌社長)

福岡県『博多 和田門』
『特製和田門スペシャルビーフカレー』は、九州産の黒毛和牛を使い、肉と野菜などを香ばしく焼いたものからブイヨンをとる。
「’69年の長崎国体にお越しになった際に、佐世保で両陛下が召し上がったカレーと同じものです。両陛下は一粒のご飯も残さず召し上がられたので、それを喜んだ当時の市長に『このカレーをメニューとして残してほしい』と言われました」(三代目主人の松尾龍典さん)

京都府『ぎをん 萬養軒』
ランチ限定メニュー『ビーフカレーセット』は、’06年に皇太子さまと雅子さまが奈良・京都を訪問された際に召し上がった『ビーフカレー』をアレンジしたメニューだ。
「京都御所に宿泊される両陛下や皇族方のお食事も作らせていただいたことがありますが、ご夕食でのカレーは珍しいので腕をふるいました」(有馬千秋料理長)

東京都『雲取山の“山荘カレー”』※現在もメニューにカレーはありません
ご結婚から2年後に皇太子ご夫妻は東京都の雲取山(2017m)に登られている。お2人が宿泊された山荘で召し上がったのは、やはりカレーライスだった。
「宮内庁から『皇太子さまはカレーがお好きだから』とアドバイスをいただきました。それでふだんは出していないカレーをお作りしたのですが、少なすぎるのは申し訳ないと多めにご飯を盛ったところ、雅子さまが残されてしまいまして……。すると皇太子さまが、その残されたものをすべて召し上がられたのです。本当にステキなご夫婦だなと思いました」(山荘主人の新井信太郎さん)

京都府『佛沙羅館』
秋篠宮両殿下がタイ関係者と最初に同店を訪問されたのは’94年。そのとき召し上がったカレーが『特製グリーンカレー』だ。
「私がご予約のお客さまがいらしたみたいだと玄関までお迎えにいくと、目の前に、秋篠宮さまと紀子さまがお二方だけで立っていらっしゃった。そして『こんにちは』と笑顔でご挨拶いただいたものですから、もうビックリです。どうも、秋篠宮さまのちょっとした“イタズラ”だったみたいです(笑)」(オーナーの宇野克子さん)

東京都『コートロッジ』
大通りから道路を一本入った住宅街の真ん中にひっそりとたたずむ、知る人ぞ知るスリランカカレーの名店にも、秋篠宮両殿下が食事にいらしたことがあるという。
「両殿下は、スリランカとご縁の深い学者の方と一緒に、プライベートのパーティで来店されました。スリランカでは数種類のカレーをお皿の上にとって食べるのですが、妃殿下は、ティースプーンを使って、花びらのような形を作って、ご自分のお皿を彩っていらっしゃいました」(同店スタッフ)