重要文化財の前で、重要無形文化財の出演陣が演じる豪華な「増上寺 薪能」開催

写真拡大

芝の増上寺で江戸時代から行われてきた薪能は、度重なる天災や戦争などで中止されていたのが、第二次世界大戦で全てが失われた後の昭和49年(1974年)に増上寺大殿が復興されたのをきっかけとして再開されたのだとか。今年も薪の灯りに照らし出される幽玄な能舞台を堪能できそう。

2015年10月3日(土)に、「第32回 増上寺薪能」が奉納される。ほかにも薪能の舞台はあるけれど、増上寺では夜目にも多彩な色彩が楽しめるのが、醍醐味だとか。また、江戸三大名鐘のひとつと言われる大梵鐘(高さ約3m、重さ15t)が境内に鳴り響いて開演を知らせる、荘厳な開演ベルは、増上寺ならではのパフォーマンス。

舞台の周辺から大殿に向かって参道全体がゆるいスロープになっているので、客席がすり鉢のような構造になるため、奥の舞台正面が浮き彫りになって見え、迫力のある能舞台を見られるのも、増上寺の境内だからこそ。

重要文化財の門を背景に演じる出演者も、梅若万三郎さんや梅若万佐晴さんといった重要無形文化財総合指定保持者。朱塗りの鮮やかな三解脱門(重要文化財)を背景にした舞台は、薪の灯りに浮かび上がる周囲の木々の緑や、きらびやかな能の衣装の動く様子とともに楽しめる。

「辺りが闇に包まれても、目が慣れてくると色の違いがはっきりと見えるようになり、写真では伝わらないような色彩の存在感が増してきます」と、広報担当の三輪さん。

今回は2つの能とひとつの狂言を鑑賞できる。演目は、『伊勢物語』に出てくる女性(杜若の花の精)を描いた『杜若(かきつばた)』と、稲荷明神の化身である少年と刀鍛冶の刀匠が出会う『小鍛冶−白頭−(こかじ−しろがしら−)』。狂言は、昆布売りの男に「太刀持ち」をさせようとして仕返しをされる大名が出てくる『昆布売(こぶうり)』というラインナップ。

「最初は雰囲気だけを味わいたい、という方にもおすすめです。自由席2000円からのチケットは、電話でお申込みいただくか、直接増上寺へいらしてご予約ください」(同)

8000円のS席と6000円のA席はすでに売り切れというから、興味がある女子は早めのチケット購入がオススメ。贅沢な空間で、豪華な出演による薪能を堪能すれば、充実した秋の夜になるはず。