国会前に詰めかけ、車道まで溢れかえる人びと

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 国会議事堂前に地鳴りのように響き渡る「安倍はやめろ!」「戦争反対!」のシュプレヒコール。本日、国会前で開かれた安保法制反対のデモは、雨に見舞われるという悪天候ながら、これまでで最大規模の人びとが詰めかけた。その人数は、なんと35万人にも上ったという。さらに、本日は全国各地約250箇所で同じようにデモやイベントなどが行われており、それらの数を合わせると相当な人数になると思われる。

 熱気もすさまじい。高校生グループは「レ・ミゼラブル」の「民衆の歌」を歌い上げ、大学生たちは全国津々浦々から結集。世界的ミュージシャンの坂本龍一もスピーチに駆けつけけ、芥川賞作家の平野啓一郎に、デモ参加を表明していた作家の室井佑月、いとうせいこう、高橋源一郎、映画監督の園子温、高畑勲らの姿も。当然、歩道には人が溢れかえり、早々に警察のバリケードは決壊。これまで封鎖されてきた車道に人の波が押し寄せ、結局、4車線の車道はあっという間に人が覆い尽くしてしまった。

 ──この光景を見れば、それだけでこれまで安保法制反対デモに対して流されてきたデマの数々は真っ赤なウソだと証明できるだろう。先月、首相補佐官の礒崎陽輔は〈道路にあふれない限り、(反対デモの人数が数万、数十万と)そんなに多くの人がいる場はありません〉とTwitterに投稿したが、道路に人があふれたきょうの風景をどう見るのか。百田尚樹は"デモ参加者の大半がアルバイト"とツイートしたが、数万人ものバイト代を支払える組織なんてあるわけない。渦中の武藤貴也議員は性懲りもなく「若い人たちがだまされている」と言ったが、これだけの高校生や大学生たちが何にだまされているというのか。

 菅義偉官房長官は「私は全共闘世代だが当時はこんなもんじゃなかった」としたり顔で語ったが、国会前が完全に反対派の人びとで包囲されたきょうの様子を見て、同じことを言えるのだろうか。官邸は反対派デモを共産党や革マル派などの左翼団体が行っているとまったくの嘘っぱちを流布しているようだが、左翼団体がいま十数万人も動員できると信じているのならおめでたいにも程がある。

 そして、デモをしても無駄だと冷笑した太田光は、これでもまだ無駄だと思うのか。堀江貴文は反対派デモは情弱だとほざくのか。「まあ、いいじゃん」などと平気で口にしてしまう総理は許せない、その真っ当な怒りをまだ笑うのだろうか。

 安倍首相の顔色をうかがう多くのメディアは、きょうの大規模デモも矮小化して伝える可能性は高い。官邸もなかったことのように振る舞うだろう。だが、国民ひとりひとりが強権的な安倍政権にNOを叩きつける動きを続けていけば、何かを変えることはできるかもしれない。そんな希望を感じた1日だった。
(編集部)