「バルセロナはサッカーを知っている」ブレイズ熊本が肌で感じた差

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文=川端暁彦 写真=瀬藤尚美

 8月29日に行われた13位〜16位決定戦。予選リーグ最下位チームによる順位決定戦となったが、そこにはこちらが想定していた以上の熱気があった。この4チームトーナメントを制したのは、グランセナ新潟FCジュニア、セレッソ大阪U−12を連破したブレイズ熊本である。

 遠く九州熊本県からやって来たこのチームは、火の国・熊本にちなんだ“炎”の意味を持つ英語“ブレイズ”をチーム名に冠する街クラブ。野元恒兵監督は「僕らみたいな街クラブにとっては、やるゲーム、やるゲーム、そのすべてがまるで違うタイプのチームばかりで、本当に勉強になるし、すごく刺激になります」と語る。また「グラウンドの中だけじゃなくて、オフ・ザ・ピッチも選手たちにとっては良い刺激になっていると思います。最初はみんなで固まって行動してという感じでしたけれど、海外の選手は個別にコミュニケーションを取ってくるわけで、そういうのは刺激になっているみたいですね」と語った。

 予選リーグではFCバルセロナと対戦する機会にも恵まれた。スコアは0−4だったが、FW廣田勇心、吉村英隼を中心に縦への鋭い攻撃を繰り出して善戦を見せた。ただ、前半に3つあった決定機を決めておけばという試合内容について野元監督は「決めるだけの技術と精神力がなかったということだし、そこに差があったんです」とバッサリ。ありがちな「決めておけば」という言い訳をしない辺りに、九州のチームらしい気骨が見え隠れした。

 また野元監督が肌で感じた差は、「バルセロナの選手はサッカーを知っている」という点でもあった。「分かりやすいドリブル突破のような“個の力”ではなくて、全体を観ながらゲームをコントロールする“個の力”がある。彼らも11人制に移行したばかりだそうですが、僕らはその(11人制と普段やっている8人制の)差に苦労しているのですけれど、そういうところがバルサにはないですよね。そこもサッカーへの理解の差なのかなと思いました。それにピッチ外の振る舞いを観ていても、自立心の部分で僕らとは差があるなと思い知らされました」と語る。

 それもすべて含めて経験値。「こういう機会は彼らのサッカー人生の中でもそうはない。その中で学んだことは大きかったと思います」(野元監督)。炎のようなサッカーで奮戦したブレイズの選手たちが、この経験を今後の人生に生かしていくことを期待したい。