また朝の血圧測定にしても、起床後すぐに行ってはいけない。
 起床直後は自律神経が切り替わるので、普通の人でも一過性で血圧が上昇する。出来るだけ起床後30分以上過ぎてから測るのが望ましい。
 「残念ながら、先に挙げた条件を満たしていない人は、薬をやめたい、減らしたいと思っても難しい。ですから、血圧が下がり始める来年の暑い季節に向けて、今からでも食生活改善に努めるべきでしょう」(同)

 ちなみに、こうしたこととは別に、薬をきちんと服用し減塩もしているのに血圧が下がらないという人は「薬が自分の体に合っていない」、「ストレスによる高血圧」などの可能性があるので、専門家と相談して欲しいという。

 「降圧薬には『カルシウム拮抗薬』、『利尿薬』のほか、レニン(血管を締め付けるホルモン)を抑制する血管拡張薬などがあります。水分で血管がパンパンになるタイプには、カルシウム拮抗薬か利尿薬が良く、血管を締め付けて“ギューギュー状態”のタイプには、レニン阻害薬が合うはずです」(専門医)

 ストレスが強い状態が続けば、それを解消しない限り血圧はなかなか下がらないと言われる。
 さらに血圧には、「原発性アルドステロン」といって手術で治るものもある。薬では血圧が下がりにくいことがあるからだ。

 また、巷では「高血圧の薬は一度飲んだらやめられない」という話が流布しているが、これは誤った考え方だ。
 「まるで血圧を下げる薬が麻薬か何かのように、一度飲んだら薬の依存症になってしまい、やめられなくなると思い込んでいる。それは大きな誤解です」(専門医)

 高血圧症には遺伝因子、環境因子が複雑に絡み合う。血圧を上げる要因を変えることが出来れば、薬に頼らなくても下げることは可能だ。
 「遺伝因子とは、先祖から受け継いだ体質のこと。親が高血圧の人は血圧が上がりやすいが、遺伝子を変えることは難しい。一方、環境遺伝子は寒冷環境や精神的ストレスがありますが、夏になると高血圧の人は血圧が下がり、冬になると血圧が上がる。暑い時期に薬の減量、あるいは中止し、冬には再開、増量するという患者は多い。また退職でストレスから解放されると血圧が下がり、最終的に薬が不要になる人もいます」(同)

 環境因子の多くは、生活習慣を改善することで解決できるが、この生活習慣を見直すことは相当な決意が必要。糖尿患者が一向に減らない事でも分かるが、これが出来るかどうかが大きなポイント。
 この暑い時期は、薬からの脱却も含め、高血圧について改めて考えなおす良い機会となるはずだ。