W杯本番まで3年弱。日本にとっていま必要なのは、個人の力を上げることだ。カンボジア、シリア、アフガニスタン、シンガポール等々に、大勝することではない。次の代表戦に誰が選ばれるかも、大きな問題ではないのだ。

 岡田ジャパン時代の本田がそうであったように、チャンピオンズリーグで活躍すれば、時の代表監督は代表チームに呼ばざるを得なくなる。その時、代表で10番をつけていたエースとポジションが被れば、そちらをベンチに下げてでも使おうとする。日本代表レースとはそういうものだ。チャンピオンズリーガーは偉大なのだ。

 その数と、代表チームの力はほぼ比例する。日本サッカー界は、チャンピオンズリーガーを何人育てられるか。それこそが、代表チーム浮沈のカギだ。ハリルホジッチが優れた監督だとしても、0では話にならない。スタメンの半分ぐらいがチャンピオンズリーガーで占められていなければ、ベスト16以降には、よほどの運がない限り進めない。

 深刻な問題だと思う。いい選手の数は確実に減っている。おそらく大勝の連続になるに違いないアジア2次予選の結果など、大局的に見れば小さな話だ。いま心配することは別にある。そのことに、あえて見て見ぬ振りをするメディアの報道を見ていると、日本の行く末が、なおさら心配になるのである。