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3Dプリンタ大手のStratasysは8月27日、都内で会見を開き、同社の3DプリンティングならびにDDM(ダイレクト・デジタル・マニュファクチャリング)ビジネスの状況説明を行った。

Stratasys APのアジア太平洋地域&日本担当ゼネラルマネージャーを務めるOmer Krieger(オメール・クリーガー)氏は冒頭、「Stratasysは現在、ハードウェアのみならず、ソフトウェアまで含める形で、3Dプリンティングに必要なすべてのエコシステムを提供できる状態にある」と、現在の同社の状況を説明したほか、市場のニーズとして、従来のプロトタイピングでの3Dプリンタの活用も成長が続くが、それ以上にコンシューマ向けのデスクトップ3Dプリンタならびに最終製品や、それを製造するための部品や治具などを3Dプリンタで製造するDDM市場がより高い成長率を示していることを強調した。

また、「3Dプリンタの技術はかなり成熟してきており、製造手法の1つとして認知されるようになってきた。そのため、それぞれの市場ごとにより高い専門性などが求められるようになってきており、実際にそうしたことができる、ということを認知してもらう必要性が生じてきた。我々には、3Dプリンタを活用することで、何ができるのか、何が作れるのか、といったことをより広く知ってもらうための取り組みと、そのための専門性の向上が責任として求められている」(同)とし、ユーザーと共に専門性を培っていくための支援を日本でも行っていきたいとした。

そうした取り組みの具体例の1つとしては2014年に設立されたバーティカル・ソリューション事業部がある。Stratasys バーティカル・ソリューション事業部ヴァイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのRichard Garrity(リチャード・ガリティ)氏は、「最終製品の製造での活用に向け、自動車や航空、医療、一般消費財といったさまざまな産業で用いられるパーツに向けた専門性を自社で有する必要が出てきており、それぞれの業界におけるニーズと、それに対する意味のある解決策の提案を目指すのが我々の使命」と、同事業部の役割を説明する。

さらに、最終製品の部品などを直接3Dプリンタで製造できるようになってきたことで、「これまでの設計・製造手法では困難であった複雑なパーツ形状や、複数のパーツの統合なども容易化され、それによりこれまでなかった特注製品に特化したビジネスが生み出されたり、特殊治具の生産による生産性向上などが図れるようになった」(同)とし、国内外問わず、多くの企業が積極的にそうした技術に投資を行い、競争力のある差別化を図ろうとしていると説明。同社としても、そうした顧客ニーズに対応する専門性を高める投資を行っていることを強調した。

ではそうした動きに対して日本はどうかというと、ストラタシス・ジャパンの代表取締役社長である片山浩晶氏は、「DDMの分野に関しては、Stratasys DIRECT MANUFACTURINGというものがあるが、実際には顧客が先に動いている状況で、近い将来、そうした顧客の事業の立ち上げなどに全力で協力していきたい」とする。また片山氏は、製造業の在り方の変化にも言及。DDMが進むことで、パーツ工場は現在の集中生産型から、ネットワークでデータを送信することで各地で生産を行う分散型となり、新たなサプライチェーンが構築される可能性があるとしたほか、金型を必要としない3Dプリンタの特徴を生かした100〜1000個程度の小ロット品、高付加価値品の製造といったマスカスタマイゼーションへの展開の可能性を示唆した。

DDMはこれまでの製造業の置換でなく補完するものであるというのが同社の見解であり、そうしたビジネスの推進に向けた独自のオンラインパーツ見積りシステム「Stratasphere」の日本語化を進めているとのことで、2015年の第4四半期中にリリースする予定であるとしたほか、最終製品に3Dプリンタを活用することは、かなりチャレンジングなことであるため、同社としても各種の相談や技術支援などを行っていくほか、3Dプリンタフレンド利のプロダクトデザインなどを考案していく必要性があるとの判断から、そうしたことを理解したデザイナの育成にも注力していくとした。