着想を得るときは、最後まで成り行きを見守ってからにしたいものです。

23日、日本テレビがラグビーワールドカップをピーアールするために、自社サイト(http://www.ntv.co.jp/rugby2015/)に掲げていた動画が物議を醸しました。「セクシー★ラグビールール」と題したその動画は、ショートパンツにタンクトップ姿のセクシーな美女が、ラグビーのルールを解説するというものでした。

しかし、ルール解説は建前にすぎず、実際はセクシーな美女のセクシーさをアピールする内容。ボールを見せる体裁で胸の谷間をアップで映したり、キックの解説をする体裁で股間をアップで映したりする構成は、清々しいまでのスケベ目線でした。案の定「これはヒドイ」と世間から多数の声が上がり、動画は削除されることになったのです。

<ラグビー元日本代表平尾氏(※誠二ではない)も怒りの声を上げる>


さて、本件は「ラグビーを冒涜」「女性差別」的な視点に加え、もうひとつ残念な点があります。実はこの「セクシーな美女がラグビーのルールを解説する体裁でセクシーさを見せつける」というアイディアは、2011年のラグビーワールドカップにおいてすでに実行済みのネタだったのです。

4年前の2011年、日本でも「Lux」「Dove」などのブランドを展開するユニリーバ社がLynxという男性向け化粧品のブランドの告知のため、「セクシーな美女がラグビーのルールを解説する体裁でセクシーさを見せつける」動画を制作し、Youtubeにアップしました。これは大変ウケました。各地のニュースサイトで話題となりました。

おそらくはこの動画のことを知る制作サイドの誰かが、「前の大会ではウケてたな」「コレをちょっといただこう」「着想を得ること自体は問題ない」と同じようなアイディアを実行に移したのでしょう。ラグビーという勇壮な男たちが好みそうなスポーツには、セクシー美女がよく似合う…そんな思惑もあったかもしれません。

ただ、制作側は最後まで4年前の動画の動向をチェックしていなかったのでしょう。当該の動画は、4年前もやっぱり「ラグビーを冒涜」「女性差別」的な非難が起きまして、同社のチャンネルから削除されることになったのです。現在でも多数のコピーがYoutubeには残されていますが、それはあくまでもコピーで、本家本元はしっかり怒られていたのです。もしそこまで4年前の動向をフォローしていたなら、日テレも同じ轍を踏むことはなかったのではないでしょうか。

個人的に僕も両方の動画を視聴していますが、日本テレビのサイトに掲載された動画は、ユニリーバ社のものよりも「よりラグビーのルール解説はテキトー」で「よりスケベ目線は強い」ものであるように感じました。同じ轍を踏むどころかアクセル踏んで加速していくようなスタイル、嫌いではありませんが、ちょっと無茶だったかもしれません。今後は、何かから着想を得る場合は、最後まで事の成り行きをチェックしてからにするとよいのではないでしょうか。元ネタと同じ失敗を、わざわざもう1回することはないですからね。

<4年前の同じ騒動を紹介した海外ニュースサイトの記事>
(文=フモフモ編集長 http://blog.livedoor.jp/vitaminw/)