川島に代わるスタメン候補と見られる西川。持ち前の足技で攻撃の推進力となれるか。(C) SOCCER DIGEST

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 9月上旬のワールドカップ・アジア2次予選に向けた日本代表メンバーが8月27日に発表された。日本は、9月3日にカンボジア(埼玉/19時25分)と、同8日にアフガニスタン(イラン/未定)と対戦する。
 
 ここでは、東アジアカップから引き続き選出された13名の国内組の近況をお伝えする。東アジアカップ最下位という屈辱を経て臨んだJリーグ、ACLで選手たちはいかなるパフォーマンスを見せているのか。
 
【PHOTO】カンボジア戦、アフガニスタン戦に向けた日本代表メンバー23人
 
GK
東口順昭(G大阪)
今季成績(J1):25試合・25失点
平均採点:5.94(GK部門5位)
 
 G大阪での安定したパフォーマンスが評価され、ハリルホジッチ体制では、西川とともに全試合に招集。東アジアカップ第3戦の中国戦で念願の代表デビューを飾った。西川に比べると、フィードの精度やタイミングはまだ見劣りするが、キャッチングや状況判断などの能力は総じて高い。
 
 指揮官がGKに求める要素のひとつとして「空中戦の強さ」があり、東口はハイボールの対応に自信を持つ。フィード、ポジショニング、守備範囲と課題も少なくないが、自身の武器に磨きをかけて正守護神の座を狙う。
 
GK
西川周作(浦和)
今季成績(J1):25試合・24失点
平均採点:5.98(GK部門2位)
 
 浦和では昨季からリーグ戦全試合フル出場を続ける。全員攻撃・全員守備を掲げるミシャスタイルのなかで、「ウチには一番後ろにGKではなく、もうひとりリベロがいると思っている」と那須が語るほど、守備はもちろん足技(フィード、パス)でも貢献している。
 
 最近は相手との駆け引きが円熟味を増してきた印象で、“先手”のポジション取りから相手の決定的なシュートを食い止めるか、ショットミスに誘っている。
 
GK
六反勇治(仙台)
今季成績(J1):23試合・36失点
平均採点:5.74(GK部門9位)
 
 第1ステージ・3節からスタメンの座を掴むも、チームはリーグ最多失点(37失点)と決して褒められる内容ではない。ただGKにとってノーチャンスの場面は少なくなく、ピンチが多い分だけビッグセーブでチームを救ったシーンも多い。
 
 武器とするフィードはカウンターの起点になれるほど精度が高く、“縦”を意識する日本代表にはフィットするはず。まずは第3GKとして代表の水に慣れ、巡ってきたチャンスを確実にモノにしたいところだ。
DF
丹羽大輝(G大阪)
今季成績(J1):25試合・0得点
平均採点:5.90(DF部門12位)
 
 東アジアカップの第3戦・中国戦では右SBで起用され、8月26日のACL準々決勝第1戦・全北現代戦でも右SBで出場した(※米倉の負傷欠場も影響)。G大阪での主戦場はCBながら、SBでのプレーも板に付いてきた。
 
 CBとSBをこなすユーティリティ性に加えて、1対1の守備で見せる粘り強さと球際での激しさは、まさにハリルホジッチ監督好み。守備に関しては一定の安定感があるとはいえ、SBとしての展開力や打開力、クロス精度などはまだ物足りない。そうした点を改善できれば、定位置確保も見えてくる。
 
DF
槙野智章(浦和)
今季成績(J1):24試合・2得点
平均採点:6.08(DF部門2位)
 
 ハリルホジッチ体制下で通算6試合にフル出場し、招集メンバーの中で出場時間は“最長”を誇る。浦和では3バックの左ストッパーを主戦場とし、1対1の「デュエル」で強さを発揮。空中戦でも負けていない。湘南戦では攻撃参加から決勝ゴールを奪い、“DFW”の本領を発揮した。
 
 代表でもキリンチャレンジカップのイラク戦でCKからゴールを決めたように(日本が4-0で勝利)、セットプレー時の得点力も武器。もうひとつの特長である大きな声で、ラインをコントロールし、チーム全体を鼓舞する。
 
DF
森重真人(FC東京)
今季成績(J1):23試合・6得点
平均採点:5.93(DF部門10位)
 
 東アジアカップ後、最初のリーグ戦(第2ステージ・7節)では、G大阪を相手に及第点以上の守備を披露。55分にはドリブルで突進してきた宇佐美をテクニカルファウルで止め、失点のピンチを防ぐなど老獪さも光った。
 
 今年6月の代表2連戦で出番がなかった悔しさを糧にさらなる成長を求めてきた。9月シリーズの目標のひとつは、レギュラーポジションの奪取。チーム内のサバイバルを勝ち抜き、ピッチで持ち前のフィジカルと得点力も見せつけたい。
 
DF
米倉恒貴(G大阪)
今季成績(J1):23試合・1得点
平均採点:5.80(DF部門19位)
 
 G大阪では不動の右SBながら、ハリルホジッチ監督は「左SBの候補」と断言。また招集の意図を「東アジアカップのパフォーマンスを受けて呼んだ。良い試合をすれば代表に入れるというメッセージです」と語り、指揮官が求めるデュエル(1対1の強さ)を高く評価された形だ。
 
 機を見た上がりと運動量も目を見張るものがあるだけに、攻撃面でどれだけ存在感を発揮できるかがポイントになる。「藤春との競争。藤春が疲れているので米倉を呼んだ」(ハリルホジッチ監督)という危うい立場だけに、練習から猛アピールが必要だ。
MF
山口 蛍(C大阪)
今季成績(J2):25試合・1得点
平均採点:6.04(MF部門7位)
 
 東アジアカップでは全3試合にフル出場し、代表初ゴールをマーク。大会から6日後の岐阜戦では「疲れているが……」と語っていたが、本誌MOMとなる活躍で、チームの勝利に貢献(○1-0)した。
 
 そして続く23日の大分戦では今季リーグ初ゴールとなる強烈なミドルを突き刺し、右肩上がりのパフォーマンスで好調ぶりをアピール。過酷な昇格争いのなか、代表戦と出場停止を除く25試合にフル出場中と、疲労は溜まっているはず。しかし、その素振りも見せず、充実のパフォーマンスを維持している姿は、ワールドカップ予選へ向け頼もしい限りだ。
 
MF
遠藤 航(湘南)
今季成績(J1):23試合・4得点
平均採点:6.00(DF部門6位)
 
 8月22日の第2ステージ・8節の川崎戦では、3バックの右ストッパーとして大久保らへのクサビのパスを確実に止めて起点を作らせなかった。さらにボール奪取から攻撃の始点役にもなり、劇的な逆転勝利に貢献した。
 
 この試合に視察に訪れていたハリルホジッチ監督へ、しっかりアピールできた。東アジアカップでは4バックの右SBとボランチで出場した“日本のラーム”が、今度はどのように起用されるかも注目だ。
 
MF
柴崎 岳(鹿島)
今季成績(J1):21試合・5得点
平均採点:6.25(MF部門1位)
 
 東アジアカップは不完全燃焼に終わったものの、帰国後は鹿島で不動のボランチとして君臨。巧みな配球とタイミングの良い飛び出しで攻撃を活性化し、第2ステージの首位キープに大きく貢献している。4節から就任した石井監督の下では、ここ5試合で3得点と結果を残しており、本人はゴールに直結する仕事を意識している様子だ。
 
 今回のメンバー選出に関しては、「ワールドカップ予選は長いスパンで開催されますが、あまり先のことは考えずに目の前の試合に集中し、最良の結果を得られるようにベストを尽くします」とコメント。「結果が求められる大事な試合」という重要な2試合に向け、「コンディションを整えて臨みたい」と徐々に集中力を高めている。

 
FW
興梠慎三(浦和)
今季成績(J1):18試合・8得点
平均採点:6.00(FW部門4位相当)※ただし出場時間が足りないため(総試合時間の3分の2以上)、ランク外
 
 第1ステージ途中に怪我から完全復活すると、CFとして浦和の攻撃を牽引。第2ステージ・8節の仙台戦では巧みなポジション取りから、武藤の決勝ゴールをアシストした。前線の感覚的なポジション取りとボールを引き出す技術、それにキープ力は日本人の中でも抜きん出ている。
 
 その“最前線にボールを引き出す力”が、香川、本田ら1.5列目や2列目の選手と、いったいどのような化学反応を起こすのか――。そのあたりの楽しみも膨らむ。
 
FW
永井謙佑(名古屋)
今季成績(J1):25試合・6得点
平均採点:5.88(FW部門10位)
 
 第2ステージの序盤戦では躍動感を示し、名古屋の上位進出の原動力となった。しかし、東アジアカップ後のリーグ戦では勢いはなく、8節のFC東京戦でも二度の決定機を外すなど序盤戦の好調ぶりは陰を潜める。
 
 代表ではいまだ本領を発揮できていないが、「チームにスピードをもたらしてくれる」(ハリルホジッチ監督)部分を評価する指揮官の期待に応えたい。
 
FW
宇佐美貴史(G大阪)
今季成績(J1):24試合・16得点
平均採点:5.88(FW部門10位)
 
 先日の東アジアカップでは目立った活躍を見せられなかったが、JリーグやACLでは随所に攻撃性能の高さを発揮しており、その能力を疑う者はいない。現在23歳で、3年後のロシア・ワールドカップは26歳と盛年で迎えるだけに、ハリルホジッチ監督もエース候補として期待を寄せている。
 
 事実、現体制下で招集されたFW陣において、宇佐美は唯一全試合に出場しているのだ。最近のG大阪では、代表と同じ左MFでの起用が続く。長谷川監督から怠惰な守備を叱責された試合もあったが、本人は徐々に“コツ”を掴み始めており、近いうちにひと皮むけそうな気配も漂う。