40代以上の男性の3人に1人はED(頻繁に中折れが起こる等の軽度EDも含む)と言われる時代。
 ED男性は自分の情けなさを悲観するあまり、大事なことを忘れがちだ。
 「実はEDになって一番悲しんでいるのはパートナーの女性なんです。夫や彼氏が勃起しなければ、『自分に魅力がないのでは?』と思ってしまいがち。ちなみに、EDの夫や彼氏を持つ女性100人を調査した結果、17人がそれを理由に『別れたい』と考えていました」
 こう説明するのは、『脳で感じるセックス入門』の著者であり、弘邦医院院長のドクター林氏だ。

 確かに、相手あっての性生活であるだけに、EDは自分だけの問題ではない。
 「女性が最も嫌がるのは、EDになっているのに真剣に解消しようと取り組んでくれない男性です。『どうせ勃たないから』とか、『やってもまた途中で萎える』など、諦めた態度を取られると、本気で救いようがないと考えてしまう。もっと言えば、EDの夫や彼氏を持つ女性の3割以上が、浮気経験アリとも答えています」

 こうしたショッキングな事態を避けるためにも、勃たなくなった場合は、パートナーの女性とともに解決に取り組むべきなのだ。
 「女性も男性が『一緒になんとかしよう』と言ってくれれば、前向きに考えられるのです。大半の女性が夫や彼氏がバイアグラ等のED治療薬を服用することを悪くは捉えていません。むしろ、自分のために頑張って勃起させようとしてくれる姿に感謝しているのです」

 もちろんED治療薬に頼らなくても、2人で勃起力を取り戻す方法はある。
 その一つが、“匂いの記憶”だ。
 「匂いと記憶は密接な関係にあるのです。脳の中で匂いを伝達する入口となるのは、“第一次嗅覚野”と呼ばれる部分です。これは記憶を司る海馬につながる“内嗅皮質”と隣り合っているため、嗅覚への刺激は記憶や感情を強く呼び起こす作用があるのです」

 少々難しい話なので簡単に説明するとこうだ。
 皆さんは初恋の女性や、かつて愛した女性の匂いを覚えているだろうか。ほとんどの方があまり覚えていないはず。だが、その女性が当時付けていた香水と同じものを付けた女性とすれ違うと、ふいに「甘酸っぱい感情」や「懐かしさ」を覚える。つまり、自分では忘れていても、脳がしっかりと素敵だった思い出の匂いはしっかりと記憶しているのだ。
 「この脳のシステムを利用するのです。例えば、妻に若い頃に付けていた香水を付けてもらう。その匂いはあなたにとって、とても懐かしく、そして激しく愛し合った若き日のことを思い出させ、奮い“勃た”せてくれるわけです」

 勃起のメカニズムも、まずは脳が性的に興奮して、海綿体に血流が集まるように指示を出す。いわば“良かったセックスの匂い”を嗅ぐことで、脳をごまかして勃起を促すのだ。
 「本当にたったこれだけでEDが解消された例も沢山あります。『昔の香水を付けて』と言っても、女性は嫌がりません。むしろ、喜んでくれますよ」

 さあ、性春を取り戻そう。

ドクター林
弘邦医院(東京・江戸川区)院長。『脳で感じるセックス入門』や『お医者さまが教える癒されてもっと気持ちよくなる!』など著書も多数。ED治療にも精通しており、現在、同医院では局部海綿体注入法による「ICI治療」も行っている。