無駄なファールが減ってきた槙野には、チームのムードメーカーとしての役割も期待されているようだ。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 8月27日、ワールドカップ2次予選のカンボジア戦(9月3日)、アフガニスタン戦(9月8日)に臨む日本代表メンバー23人が発表された。ここでは、会見の前半に発表された招集メンバーと選手評をレポートする。
 
<選出メンバー>
GK(3名)
東口順昭(G大阪)、西川周作(浦和)、六反勇治(仙台)
DF(8名)
丹羽大輝(G大阪)、長友佑都(インテル)、槙野智章(浦和)、森重真人(FC東京)、米倉恒貴(G大阪)、吉田麻也(サウサンプトン)、酒井宏樹(ハノーファー)、酒井高徳(ハンブルク)
MF(6名)
長谷部誠(フランクフルト)、香川真司(ドルトムント)、山口 蛍(C大阪)、原口元気(ヘルタ・ベルリン)、柴崎 岳(鹿島)、遠藤 航(湘南)
FW(6名)
岡崎慎司(レスター)、本田圭佑(ミラン)、興梠慎三(浦和)、永井謙佑(名古屋)、宇佐美貴史(G大阪)、武藤嘉紀(マインツ)

【日本代表】9.3カンボジア戦&9.8アフガニスタン戦に向けたメンバー23人

<会見要旨/メンバー発表>
●メンバー発表の前に
「ミナサン、コンニチハ。霜田技術委員長から話がありましたように、(カンボジア戦は)今年日本で最後の試合になります。その後、アウェーの地で5試合ありますが、日本での試合は美しく終わりたいと思っています。
 
 シンガポール戦でも少し感じましたが、この日本代表はやはり好かれていると改めて思いましたし、今回の試合にも前回と同じようにたくさんの人が詰めかけてくれることを期待しています。
 
 このチームには全員のサポートが必要です。選手とともに良い試合ができるように尽くしたいし、みなさんの期待に応えて勝利に導きたいと思っています。さらにはアウェーゲームに向けてしっかりとした準備にもつなげていきたいと考えています」
 
●GK-東口、西川、六反について
「Jリーグでプレーしている3人です。国内でしっかりとしたパフォーマンスを見せていますし、このリストのなかに入ってきてまったく問題ない選手たちだと思っています。
 
 この3人は中国(東アジアカップ)に一緒に行きましたが、西川と東口は向こうでプレーして、クオリティをしっかりと見せてくれました。経験は少ないと思いますが、このようにしてどんどん経験を積んでいってほしい。
 
 そして、今回初めて、川島を選びませんでした。残念ながら彼はまだ自分の所属クラブを探すことができていません。おそらくもうしばらくしたらあるクラブに決まると思うんですが、ここ4、5年ずっと日本代表の先発メンバーでありながらクラブを見つけられないというのは少し驚きを感じています。彼がしっかりプレーできて、なおかつ良いクラブを見つけられるように期待しています」
 
●DF?-吉田、丹羽、槙野、森重について
「吉田は定期的に試合を重ねている選手です。テクニカルスタッフが向こうを訪れて、話をしてくれました。経験もありますし、成熟している選手なので、このチームにもたらしてくれるものに期待しています。
 
 丹羽は複数のポジションをこなし、そして素晴らしいメンタルを持っている選手です。本当に戦える選手であり、代表でプレーする資格があると思います。
 
 槙野も同様です。彼はA代表に相応しい選手になってきましたが、様々な面でまだ伸びる余地があります。日を追うごとにディフェンスも丁寧になってきています。今までは無駄なファールをして、私を少し怒らせたこともありましたが、トレーニングを重ねて向上してきました。
 
 オフェンス面でのFKの場面でも、槙野は重要な存在になってきます。人間性も良く、チームに良い雰囲気をもたらしてくれる選手です。
 
 森重は東アジアカップでキャプテンを担い、彼とはたくさん話をしました。彼もまだ伸びると思います。よく話を聞いてくれますし、経験もある。チームに安定感を与えてくれる選手であり、そして今、一番良い時期に来ているのではないでしょうか」
 
●DF?-酒井宏、酒井高、長友、米倉について
「右SBは宏樹と高徳です。彼らは海外でプレーしていますが、宏樹のほうはようやくプレーをし始めました。彼はものすごくポテンシャルがあり、さらなる成長が楽しみです。特にフィジカル面でのポテンシャルが高いので、そこをしっかりと伸ばしていってほしいと思っています。
 
 高徳に関しては、新しい移籍先で少し難しい状況にあります。実戦が必要ですが、ディシプリン(規律)があり、定期的に90分プレーできていないとしても信頼しています。我々の合宿では真面目にトレーニングに取り組んでくれるので、所属クラブで先発を勝ち取ってほしいです。
 
 長友に関しても、インテルでまだ先発に入り切れてない状況です。クラブを変えたいと言っているようですが、それも実現できていないし、移籍するかどうかも全然分かりません。ただ彼はビッグクラブで、有名な選手とプレーしています。フィジカル的にもトップレベルにあります。経験値も高いですが、彼にも所属クラブで先発に入ってほしいと思います。それをしっかりと今度話すつもりです。
 
 米倉は左SBの候補です。昨日のACLではプレーしていませんが、東アジアカップで見せてくれたパフォーマンスによって選びました。藤春や太田と競争していましたが、前者は今少し疲れていますし、後者は怪我をしています。
 
 米倉は戦う意識があり、フィジカルも優れていて、東アジアカップの中国戦では攻撃面で多くのものをもたらして得点にも絡みました。トレーニングでも、特にデュエルのところで彼がすごく戦っているところを見ましたし、かなり強かったと思います」
●MF?-長谷部、山口、遠藤について
「長谷部はキャプテンであり、リーダーのような存在です。所属クラブでは右SBをやっていますが、中盤をやることもあります。いずれにせよ彼は常にハイレベルなパフォーマンスを保ち続けている選手です。彼のような存在が代表には必要です。
 
 長谷部に要求しているのは、時にはミドルシュートを打ってほしいということ。『目をつぶってでもシュートしに行きなさい、そうすれば、1点入るかもしれない』という話も冗談交じりにしています。
 
 山口も東アジアカップで素晴らしいパフォーマンスを見せてくれました。彼もかなりクオリティがあり、戦えるタイプなので、もっと伸びると思います。ただ、頑張り屋さんなので仕方のない部分はありますが、特に守備の場面でいろいろなところに行ってしまところがあるので、しっかり指導していきたい。攻撃面では、ミドルシュートを強調していきたいと思っています。
 
 遠藤については長い期間、彼の動向を追ってきました。所属クラブでは最終ラインでプレーしていますが、彼は中盤の選手だと考えています。フィジカル的に強く、良いシュートも打てて、運動量もある。デュエルもかなり強いし、右SBでプレーする可能性もあります。
 
 若い遠藤は小さなところで満足する時があるので、もっともっと野心を持ってプレーしなさいと言いたい。ディフェンス面でもオフェンス面でも、そういったところを強調していきたいと思っています」
 
●MF?-柴崎、原口、香川について
「柴崎は前回は少し怪我があり、高いパフォーマンスを示すのが難しかったですけど、彼もかなり伸びてきている選手です。ディフェンス面でもアグレッシブになってきましたし、オフェンス面ではボールのないところでも良い動きをしています。そして柴崎にも、もう少しシュートを打ちなさいと言いたいです。
 
 原口は所属クラブでは左、もしくは右でプレーしていますね。中盤の外でプレーしていますが、彼はセンターの選手だと考えています。ディシプリンがあり、攻守においてかなりの運動量がある。ミドルシュート、ドリブルシュートを打てるし、ペナルティエリアに入っていく存在感もある。ハイプレスもかけられる。いろんなポジションでプレーさせてみたいなと思います。そして我々のなかでしっかりとレベルを上げていってほしい。
 
 香川は昨年よりも良い状態になってきているのではないかなと思います。ゴールを決め始めていますし、味方に取らせることもできる。そんな彼にはもっと決断力を持ってプレーしてほしいと願っています。
 
 決定的な仕事ができる香川は、攻撃の鍵を握っています。我々がスピードアップするかどうかは、彼にかかっています。DFの背後やラインの間でボールを受けてほしいし、代表でレベルアップしてほしいですね」
●FW?-本田、永井、宇佐美、武藤について
「本田とは何回か電話で話をしましたけども、ミランは監督が新しくなり、新しい選手も何人か入ってきています。そして彼は先発メンバーに入れるようにしっかりと努力していると話していました。トップ下でやっているようですが、彼はトップ下以外でもプレーできると思います。
 
 彼も我々のチームで非常に大事な選手になります。特にオフェンス面で違いを見せつけることができる。彼が必要になってくる状況はかなりあると思います。香川と本田が決定的な仕事をしてくれることを望んでいます。
 
 永井は東アジアカップでかなり期待していましたが、結果を出せませんでした。しかしながら戦う姿を見せてくれましたし、スプリントの面でも奮闘してくれていました。彼にはペナルティエリアの中でのプレーをしっかりと教えるつもりです。彼のスピード、戦う姿勢はチームになにかをもたらしてくれると思っています。
 
 宇佐美は今、疲労していると思いますが、能力はすでに備えていますし、彼も違いを作れる選手です。リーグ戦でも決定的なパスやシュートを披露していて、疲れから回復できれば、ゴールゲッターとして、そしてアシストする選手になるはずです。
 
 シンガポール戦でも中国戦でも、かなり惜しいシュートを打ちましたが、なかなか決めることができなかった。ただ持てる能力をさらに強化できれば、数か月後にはかなり良い選手になっていると見ています。
 
 武藤は海外移籍を果たしましたが、彼のような選手がJリーグからどんどん出てきてほしいと思っています。新天地ですぐに結果を出せてはいませんが、我慢していればいつか公式戦で点が入るはず。まだ慌てている状態ではありますが、所属クラブでしっかりプレーできているのは良いことです。ヨーロッパでプレーしていれば、向上するのは間違いありません。ただでも武藤はスピードに優れ、闘争心があり、規律を守れて、高い意識でピッチに立っている。1年後には大きく成長できているでしょう」
 
●FW?-岡崎、興梠について
「岡崎は人間性はもちろん、サッカー面でも素晴らしい選手です。今夏に移籍をしましたが、かなり満足しているようです。リーグ戦でも重要なゴールを決めていますが、しっかりと頑張れて、戦えるところ。これらを持って彼は先発メンバーに名を連ねています。イングランドではこのふたつが大事な要素になります。
 
 効果的なプレーができていない我々にとっては重要な選手です。そのパフォーマンスの良さが日本にとっては不可欠な要素となります。
 
 興梠は、大迫と競争していた選手です。残念ながら大迫は怪我をしてしまい、合宿には連れてこられないということで、興梠を選びました。東アジアカップにも参戦しましたが、彼のテクニックのクオリティは高いと見ています。まだまだいろんな部分で伸びる選手だとも思います。ゴール前でもっと効果的なプレーをしてほしいのですが、彼のような選手が国内にはまだ少ないので、興梠は貴重な存在ではあります」

【PHOTO】日本代表のワールドカップ予選での激闘

 
●メンバー発表を終えて
「フィールド20人、GK3人の23人です。バックアップメンバーはもちろん用意しています。名前は出しませんが、彼らには準備しておいてほしいという話はしています。チームに合流する前にリーグ戦が1節ありますので、そこで怪我をする選手が出てくるかもしれません。DFひとり、中盤は攻撃的な選手と守備的な選手をひとりずつ、そして3人のFWを用意しています。最後の最後で怪我人が出てしまった事態に備えて、準備はしています」