世代別代表での活動は久しぶりとなる杉本。闘争心溢れるプレーで前線を活性化するなど、まずまずのアピールができた。写真:小倉直樹(サッカーダイジェスト写真部)

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 前線でボールを呼び込む動き出しを何度も繰り返す。それでパスを引き出せる時もあれば、徒労に終わる時もある。
 
 それでも、諦めずに何度もチャレンジする姿勢は終始、貫かれていた。
 
「ヴェルディでの動き出しのタイミングと、ここ(U-22代表)での動き出しのタイミングはちょっと違う部分があるから。それは俺も合わせないといけないけど、(自分の動き出しを)見てもらうことももちろん大事。もっと要求していきたい」

【U-22日本代表PHOTO】練習試合 対 京都サンガF.C.
 
 U-19代表時代は度々呼ばれていたが、世代別代表での招集は久々だ。今回のU-22代表の候補合宿では、浅野拓磨(広島)や小屋松知哉(名古屋)の負傷辞退を受けての追加招集ではあったが、J2で上位争いを演じる東京Vでの活躍を評価され、チャンスを掴んだ。
 
 東京Vでは2トップの一角でレギュラーを掴み、今季は     キャリアハイとなる出場数を記録している(30節終了時点で28試合・3得点)。合宿最終日の京都とのトレーニングマッチでは、2本目にフル出場。4-4-2の2トップと、4-2-3-1の左サイドでプレーし、「左サイドを上手く使えたし、動きのなかで誰かをフリーにさせたり、ラインを崩したりはできたと思う」とアピールに手応えを感じたようだ。
 
 手倉森誠監督が「自チームでポジションを取っている選手には可能性を感じました」と評価する一方、「(チームの)武器の数を今、増やしている状況」において、杉本竜士はひとつの選択肢になり得るだけのパフォーマンスを示せたのではないだろうか。
 
 本人が語るように、鋭さを伴ったオフ・ザ・ボールの動きは、味方にスペースを与える点でも効果的だった。ボールを持てば、果敢な仕掛けで局面の打開を図る。そして自慢の脚力は、前線からの精力的なハイプレスでも活かされていた。猛然と相手のボールホルダーに襲いかかり、ボール奪取を試みるが、特筆すべきはその球際の激しさであり、そこは杉本自身も強く意識しているところである。
 
「日本サッカー界的に、どう考えても球際に行く文化が緩いというか。アンダー世代のチームに入っても、球際に行く選手はなかなか少ないから、そこは俺が示していかないといけないし、俺のストロングポイントでもあると思っている。だから今日以上にもっとガツガツ行かないといけないし、もっと意識してやっていきたい」
 
 A代表監督のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が重視する“デュエル(1対1の決闘の意)”を表現できる選手――リオ五輪を目指す手倉森ジャパンにとっても、熾烈なアジア最終予選を戦い抜くためには、杉本のような“闘える男”は大きな武器となるはずだ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)