専門誌では読めない雑学コラム
木村和久の「お気楽ゴルフ」連載●第18回

 日頃、ゴルフとうら若き女性との素敵な関係を妄想することはありますが、日本で若くて綺麗な女性がゴルフをするのは、サマンサタバサレディース(例年7月、茨城県のイーグルポイントGCで行なわれる女子プロツアーのひとつ。プロアマにモデルの女性が多数参加し、当日にはファッションショーもある、派手なトーナメント)くらいですか。

 通常、ゴルフ場に若い女性が少ないのは、周知の事実。だいたい、ミニスカート着用禁止のコースがいまだ存在していますからね。爺さんがミニスカ見て、鼻血を出すんですか?って話ですよ。私が支配人なら、「ミニスカートでプレイの方、プレイ代3000円割引」とかにしますけど。

 冗談はさておき、数少ない女性ゴルファーと、やたら多い野郎ゴルファーを、どうやってマッチングさせるべきか――昔からいろいろなテがありました。

 バブル全盛の頃は、「ゴルコン」というイベントが花盛りで、男女が数十人集まって、ゴルフ場でコンパをしたもんです。その昔、『ねるとん紅鯨団』という合コン&告白番組があって、そこら辺から「ゴルフ場で"ねるとん"をやれば、楽しいんじゃないか」なんて、発想で始まったんでしょう。

 私も何度か「ゴルコン」の取材に行きました。確かに楽しいのですが、案外面倒臭いんですよ。早起きして、遠方のゴルフ場に行くわけですが、誰もゴルフに夢中じゃないし......って、当たり前ですがね。だったら、ゴルフ場でやらなくてもいいじゃんと、思ったものです。

 というわけで、ゴルフ場での「ゴルコン」は、あっという間にすたれてしまいましたが、「ゴルコン」そのものはしっかりと存在しています。会場は都内のシミュレーションゴルフ場です。主催するのは、結婚相談関係の会社で、そのひとつのイベントとして人気なのです。

 参加者の年の頃はと言えば、男女とも30代が圧倒的に多い。結婚にマジというか、焦っている世代です。でも、焦っている方々に、婚活パーティーという触れ込みだと、モロ直球過ぎて誰も来ない。そこで、「ゴルコン」という、結婚とまったく関係ないネーミングにして、さりげなく来てもらおうという作戦に出たのです。

 実際、行ったことがあるんですが、建前のゴルフはおざなりですね。マイドライバーを持って来た人がいましたが、完全に浮いていました。チームに分かれて、シミュレーションゴルフでスコアを競うのですが、途中からゴルフそっちのけで、メアド交換会を始めていますから。

 この世代は、非常に自意識過剰とでもいうのですか? 行動にいちいち理由づけしないと、できないようです。積極的な方は、早々に2次会の段取りをしていますが、奥手な方は、主催者が「最後になりました、お隣さんとメアド交換してください」と懸命にアピールして、ようやくスマホを取り出す、そういう人もいるんです。

 というわけで「ゴルコン」は、婚活の"隠れ蓑"として、ささやかに都内に生息していたのです。

 じゃあ、本当の「ゴルコン」はすたれたのか? いや、実は「街コン」のひとつの形態で発展していたんですね。

 ここ5年で急激に増えて、すたれた「街コン」ですが、最初に始まったのは、栃木県の宇都宮って知っていました? 宇都宮では、今でも年70回ぐらい『宮コン』という名前で「街コン」が超盛り上がって、外部からも参加者が続々集まって来ます。ここはノウハウが確立していて、リピート率も高く、いまだにすたれていません。

 その『宮コン』の延長戦として、ゴルフをやりながら『宮コン』をするべぇと、年に数回「ゴルコン」をやっているようです。今度機会があったら参加したいんですが、年齢制限あるのかなぁ......。

 そして、「ゴルコン」の発展形がもうひとつ。実は世田谷の家の近所を散歩していたら、ゴルファー向けのシェアハウスを発見。それで早速、別媒体ですが、取材したことがあるんです。

 専用のバンカーや、シミュレーションゴルフが完備。ゴルフ場に行くための自動車も、リースで即乗車可能と、なんとも至れり尽くせりですね。もし恋人を見つけて、仲良くゴルフができたら、"リア充"そのものですよ。でも逆に、なんにも生まれないと、素振りの日々ですかね......。

 ちなみに、シェアハウスの平均滞在期間は、1年未満が多いそうです。つまり、"戦い"に敗れたり、何事も起きなかったりした方々は、また別なところを探すようです。

 ゴルフのシングルはいいけど、生活におけるシングルは、どうしたものか......。ゴルフと恋愛の関係は、なかなかどうして、厳しいようですね。

【プロフィール】
■木村和久(きむら・かずひさ)
1959年6月19日生まれ。宮城県出身。株式をはじめ、恋愛や遊びなど、トレンドを読み解くコラムニストとして活躍。ゴルフ歴も長く、『週刊パーゴルフ』『月刊ゴルフダイジェスト』などの専門誌で連載を持つ。

木村和久●文 text by Kimura Kazuhisa