写真:土星の衛星エンケラドゥスを照らす不思議な光。NASA / ESAの探査機カッシーニが撮影

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この画像は、NASA と ESA の探査機カッシーニがとらえた土星の衛星エンケラドゥスです。被写体のエンケラドゥスが半分しか写っていないのは、この時のカッシーニの姿勢せいですが、この画像には不思議な点があることにお気づきでしょうか。

このエンケラドゥスは向かって右側からの光に照らされています。しかしそれにもかかわらず、左側でも星の稜線が輝いて見えます。普通ならこのようなことは起こりません。
 
  
NASAの説明では、このとき太陽はカッシーニからみてエンケラドゥスの向こう側にありました。そしてそれが星の稜線を輝かせる強い光となって写っています。一方でエンケラドゥスの右半分を照らしているのは、土星の輪。土星の輪が自ら発光するわけではありませんが、氷を主成分とする土星の輪は太陽光をよく反射するため、このような見え方になったのでした。

なお、真下にうっすらと見えるのは、内部からの水蒸気の噴出現象。
 

エンケラドゥス
 
1997年に NASA と ESA の共同プロジェクトとして打ち上げられた探査機カッシーニは、2004年に土星の軌道に到達しました。以来、未発見だった土星の衛星をいくつも発見し、衛星タイタンが地球のような地表と気候(といっても液体メタンやエタンの海や河川、液体メタンの雨、氷の大地)を持つことも確認しています。

氷で覆われたエンケラドゥスの地下に海があることを発見したのもカッシーニでした。また東京大学などからなる研究チームが、カッシーニが検出した微粒子中にナノシリカの成分を発見。エンケラドゥス内部が摂氏90度以上の熱水環境があることを発見し、生命の存在できる可能性が高いことも確認しています。

これまで数度にわたり運用計画を延長し、昨年には土星軌道到達10周年を迎えたカッシーニですが、2016年の「Grand Finale」ミッションをもって運用を終了します。最終ミッションでは、最接近時は土星のD環の内側を通る軌道で周回しつつ、土星の磁場や重力場の観測、さらにリング内の物質の詳細な観測を実施する予定です。