Doctors Me(ドクターズミー)- スポーツをする人は要注意!脳震盪を侮るなかれ

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思わぬアクシデントに見舞われやすいスポーツ。中でも、命の危険にも関わる脳の外傷には注意が必要です。高次機能障害といった、脳震盪(のうしんとう)との診断を受けた後、重篤な症状が時間差で発症するケースもあり、この場合深刻な後遺症が残る可能性も。つまり、ただの脳震盪だと判断を早まるのは危険なのです。今回は、この脳の外傷と脳震盪について医師に詳しく教えていただきました。

脳震盪ってどんな症状?

脳震盪とは頭部の打撲により、一過性の意識消失や記憶障害、嘔気、嘔吐などを呈する状態です。子どもでは嘔吐の頻度が高く、高齢者では記憶障害の頻度が高いようです。
通常の頭部CTでは異常はありません。症状は時間とともに改善し、通常は元の生活に戻れますし、後遺症はありません。

脳震盪か否かの判断基準

通常の頭部CTで見えるのは、明らかな出血、脳挫傷などであり、これらがあると後遺症を残す可能性が高くなりますが、脳震盪ではこれらの所見がないので、後遺症はないとされています。

高次機能障害に要注意

最近では高次脳機能障害が注目されています。これは頭部外傷により、集中力の低下、記憶力障害などが永続して後遺症となるものです。通常の頭部CTでは異常が見られないことも多いので、最初は脳震盪と診断され、時間がたってから症状が明らかになります。頭部外傷からの時間が経過しているため、頭部外傷との因果関係がはっきりせず、保険などのトラブルとなることも多くあります。また、症状は軽度のため、本人のやる気のなさや性格などと判断され、病気であることが社会的に認識されないことも多くあり、社会的にも問題となることが多いようです。

高次機能障害の診断基準とは

高次機能障害の診断は知能テストと画像ですが、通常の頭部CTでは異常が見られないことも多く、MRIや特殊な画像診断の研究が行われています。CTで異常がなくとも、神経細胞の損傷や機能低下はありうることで、正常に回復すれば脳震盪であり、回復しなければ後遺症として残る可能性も十分に考えられるでしょう。

医師からのアドバイス

以上のことより、たとえ脳震盪と診断されても、安心してはいけません。しばらくは安静にして、症状が回復するのを待ちます。脳震盪後しばらくは、脳の機能低下の可能性も考えられるからです。また、症状が数日継続する場合はMRIなどの精査が必要な場合もあります。いっぽう脳震盪後に再度脳震盪を起こすと、さらに脳の損傷が重症になる場合があります。よって、格闘技や飛び込むスポーツでは注意が必要です。羽生選手のスケートでは頭部外傷直後に試合に出場しましたが、脳震盪の症状があれば医学的にはやってはいけないことです。脳震盪後に転倒していたら後遺症が残る可能性があります。