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全国の従業員規模100名以上の企業でのIoT利用率は4.9%であり、産業分野別では製造・資源が最も高かった。IDC Japanが2015年5月から6月にかけて実施した「国内IoT市場 企業ユーザー動向調査」による(有効回答数は6,906社)。

この調査によれば、全体の状況を見ると、IoTを利用している企業は4.9%にとどまった。「IoTを利用していない」との回答は34.4%あり、最も多かったのは「わからない」の60.5%だった。

産業分野別に見ると、IoTの利用率が最も高いのは製造・資源の6.7%であり、組立製造・プロセス製造分野を中心に各種の組み込み機器が古くからIoTとして利用されてきていることが関係しているという。その他の産業分野では、流通・サービスが5.0%、公共・インフラが3.2%、金融が1.3%だった。 IoTの利用用途別では、自社で保有する産業機器の稼働状態の可視化や故障検知などの社内用途が、IoT利用企業の回答の9割を占めたという。顧客が保有する産業機器のリモート管理・制御や顧客分析・マーケティングなどの社外用途は、利用企業の3割程度だったとのことだ。

将来展望として、組み込み機器を多用する産業分野向けのIoT導入は一巡しつつある中、組み込み機器との親和性がそれほど高くはない、その他の産業分野に対する事業者の関心が高まると見込まれるという。 また、分析技術の急速な発達に伴い、IoT利用企業が社内用途・社外用途の双方で、様々な付加価値を生み出すことが競争を勝ち抜く上では必須になるとしている。さらに、IoT利用企業の課題の1つという「IoTを利用する上での情報セキュリティ上の懸念」は、今後一段と強まると同社は予測する。

同社コミュニケーションズ マーケットアナリストの鳥巣悠太氏は、「IoT事業者は、新しい産業分野の顧客を開拓する上で、各産業分野に特化したソリューション・プロバイダやコンサルティング会社と提携していくことが重要になる」とし、「顧客がIoTでいかに収益を高めるかを最優先に考え、その上でいかに他の事業者よりも多くのトライ・アンド・エラーを繰り返すかが鍵になる」と見ている。 さらに、「『セキュリティReady』な状態でのソリューションの提供や、顧客へのセキュリティ・リスクに関する啓発活動を積極的に展開することが重要になる」と述べている。

(山本善之介)