[練習試合]U-15代表候補が市立船橋に“2度目”の挑戦、2-7敗戦も成長の跡示す

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[8.26 練習試合 U-15日本代表候補 2-7 市立船橋高]

 26日、千葉県内で合宿中のU-15日本代表候補が全国高校総体準優勝校の市立船橋高(千葉)と練習試合(45分×3本)を行い、市立船橋が7-2で快勝した。U-15代表候補は28日まで千葉合宿を実施。9月には17年U-17W杯のアジア1次予選となるAFC U-16選手権予選(モンゴル)に出場する。

 5月にU-15日本代表候補が市立船橋と戦った際は0-5で完敗。森山佳郎監督が「どうしても再戦したくて」と明かしたように、U-15代表サイドの希望で実現した市立船橋戦で、中学生中心のメンバーが健闘した。5月に完敗を喫した当時のメンバーはFW山田寛人(C大阪U-18)、FW中村敬斗(三菱養和SC巣鴨ジュニアユース)の2人だけと“別チーム”でもあったU-15代表候補に対し、市立船橋はモンテディオ山形内定のU-18日本代表FW永藤歩こそ負傷欠場していたが、ベガルタ仙台内定のMF椎橋慧也主将やU-17日本代表CB杉岡大暉ら全国高校総体決勝と先発10人が同じ顔ぶれ。1本目は現状のフルメンバー、2本目、3本目はそれぞれ半数を入れ替えたものの、Aチームでアジア1次予選を控えたU-15代表候補に胸を貸した。

 序盤から市立船橋がボールを持つ展開。U-15代表候補は完全に押し込まれていたが、組織的な守りで強豪校に食い下がる。横へ動かされても、守備網の中へ潜り込まれても、簡単にシュートコースをつくらせない。10分には右SB古屋誠志郎の右クロスをFW矢村健に合わされ、29分にはスルーパスからFW高宇洋に決定的なシュートを放たれた。だがGK谷晃生(G大阪ジュニアユース)のビッグセーブなどで阻んだU-15代表候補は攻撃面でも、個で市立船橋のDFを剥がしてゴールへ迫るシーンを作り出す。注目の右MF久保建英(F東京U-15むさし)が絶妙なファーストタッチから攻撃をスピードアップさせれば、FW宮代大聖(川崎F U-15)と中村の2トップが強引に局面を打開して前進する。25分には右サイドから久保がドリブルで仕掛けてラストパス。DFを振り切ってPAへ持ち込んだ中村が切り返しから決定的な右足シュートを放った。

 市立船橋はゴール前ではさすがに相手に自由を与えなかったものの、なかなか守備で圧力をかけられない。球際で良く戦い、シュートレンジでは2人がかりでシュートブロックに行くなど集中力高いU-15代表候補に善戦を許した。それでも市立船橋は34分、左サイドの1年生SB杉山弾斗が目の前のDFを外してゴール右上隅へ左足の弾丸ミドルを突き刺して先制。2本目8分には高の決定的なヘディングシュートがGK高木心(JFAアカデミー福島U15)に阻まれながらも、こぼれ球から1年生FW有田朱里が右足シュートを決めて2-0と突き放す。

 だが、雨中で強いメンタリティーを見せていたU-15代表候補も1点を奪い返す。14分、速攻から右サイドでボールを受けたMF鈴木冬一(C大阪U-15)が中央へのドリブルから左足シュート。素晴らしい弾道の一撃が左ポストを叩き、そのままゴールラインを越えた。だが、市立船橋は直後の15分、左サイドから崩すと、有田のラストパスをMF押尾大貴が押し込んでリードを再び2点とする。

 U-15代表候補は23分に4選手をチェンジ。40分には高のスルーパスから右SB真瀬拓海に決められて1-4とされたものの、MF福岡慎平(京都U-15)は「絶対に勝ちたいという気持ちで臨んでいましたし、フィジカルでも負けたくないし、ボール際でも激しく行こうと全員で言っていた。(先発組が2本目に)リズムをしっかりつくれて1点取れたことは良かったんじゃないかと思います」と語り、森山監督も「2本目の途中まで主力(候補)のヤツらがいたときには多少何度かいい形でお互いの距離とか、関係性がある中で崩してシュートまでいく場面も作れて、成長の跡を少しは見せることができたかなと思います」と評した。

 U-15代表は先発メンバーからすべて入れ替わった3本目にも会場を沸かせる。4分、右コーナー近くへ抜け出したFW棚橋尭士(横浜FMジュニアユース)が、角度のない位置からGKが飛び出して無人のゴールへ右足シュートを沈めるファインゴール。この後は再三決定機をつくられる展開となったが、GK大内一生(横浜FCジュニアユース)のビッグセーブや右SB工藤蒼生(仙台ジュニアユース)、MF加藤隼登(アスルクラロ沼津U15)の身体を張った守りなどで失点のピンチを阻止していく。

 それでも30分に矢村に左足シュートを決められると、34分には杉岡にDFが剥がされ、アーリークロスから再び有田に決められてしまう。36分にも杉岡の突破からスルーパスを通されて有田に決められ、2-7で終わったが、市立船橋の朝岡隆蔵監督は「(U-15代表候補からは)一人ひとりの代表としての責任とプライドというのはプレーの節々から感じました。前回とは全く印象が違いましたし、崩れなかった」と前回の対戦から“変わった”U-15代表候補を讃えた。一方、U-15代表候補は善戦したものの、守備の状況判断ができていなければ、フィジカル、スピードで圧倒され、簡単に崩されてしまうシーンも。森山監督は「これをどう生かしていくかで差がついてくると思うのでチームとして掘り下げていきたい」。

 15歳の選手たちが18歳相手にできた部分があったことも確か。だが、森山監督が市立船橋に試合後すぐに来年の再戦希望を伝えたように、チームは満足せずにより高いレベルに近づくための努力を継続する。まずは9月に迫った1次予選突破へ全力。その先にあるアジア最終予選、世界での戦いを見据えて個人、チームの強化を続けていく。

(取材・文 吉田太郎)