オリンピック3連覇を狙う「チームUSA」が、リオ五輪に向けて8月中旬にミニキャンプを行なった。

 キャンプに招集されたのは、レブロン・ジェームズ(クリーブランド・キャバリアーズ/SF)、カーメロ・アンソニー(ニューヨーク・ニックス/SF)、クリス・ポール(ロサンゼルス・クリッパーズ/PG)などの五輪経験組や、昨夏の「FIBAバスケットボール・ワールドカップ2014」の主力だったステファン・カリー(ゴールデンステート・ウォリアーズ/PG)、ケネス・ファリード(デンバー・ナゲッツ/PF)らのW杯組、そして五輪やW杯の代表候補に選ばれながら、故障で本戦出場が叶わなかったポール・ジョージ(インディアナ・ペイサーズ/SF)やブレイク・グリフィン(ロサンゼルス・クリッパーズ/PF)といった面々だ。

※ポジションの略称=PG(ポイントガード)、SG(シューティングガード)、SF(スモールフォワード)、PF(パワーフォワード)、C(センター)。

 さらに今回のキャンプには、昨季MIP(※)を受賞したジミー・バトラー(シカゴ・ブルズ/SG)や、2年連続リバウンド王のデアンドレ・ジョーダン(ロサンゼルス・クリッパーズ/C)も初めて代表候補として招集された。豪華で多彩な今メンバーは、合計34選手。また、今回のキャンプには招集されなかったものの、コービー・ブライアント(ロサンゼルス・レイカーズ/SG)もリオ五輪出場への意欲があることを表明している。

※MIP=シーズンでもっとも成長したプレーヤーに贈られる賞。

 当然、故障などで本戦出場が叶わない選手や、出場を辞退する選手も出てくるだろう。それでも、マイケル・ジョーダンやマジック・ジョンソンらを擁し、「ドリームチーム」と呼ばれたバルセロナ五輪(1992年)にこそ及ばないとしても、間違いなく世界最高峰の才能と人気を持つ12名が来夏、リオデジャネイロのコートに立っているはずだ。

 最終12名の選考にあたって、USAバスケットボール・マネージングディレクターのジェリー・コランジェロは、「ベストの12名ではない。ベストのチームを作るための12名の選考」と発言している。今回選出された代表候補34選手のリストを眺めると、リオ五輪で金メダルを狙うのはもちろん、リオ以降に続く国際大会に向けて、チームUSAの世代交代をスムーズに行なおうとする意図も読み取れる。

 そこで34選手の中から、2019年に中国で開催されるFIBAワールドカップ、さらには2020年の東京五輪で円熟期を迎える「U-23世代」の選手を紹介していきたい。招集された34選手のうち、23歳以下の選手は以下の8名だ。

マイケル・カーター=ウィリアムス
(1991年10月10日生まれ=23歳/ミルウォーキー・バックス/PG)
カイリー・アービング
(1992年3月23日生まれ=23歳/クリーブランド・キャブス/PG)
ビクター・オラディポ
(1992年5月4日生まれ=23歳/オーランド・マジック/SG)
ハリソン・バーンズ
(1992年5月30日生まれ=23歳/ゴールデンステート・ウォリアーズ/SF)
トバイアス・ハリス
(1992年7月15日生まれ=23歳/オーランド・マジック/SF)
アンソニー・デイビス
(1993年3月11日生まれ=22歳/ニューオーリンズ・ペリカンズ/PF)
ブラッドリー・ビール
(1993年6月28日生まれ=22歳/ワシントン・ウィザーズ/SG)
アンドレ・ドラモンド
(1993年8月10日生まれ=22歳/デトロイト・ピストンズ/C)

 現時点ですでにチームUSAの主力となっているのが、アンソニー・デイビスとカイリー・アービングだ。

 デイビスは昨夏のワールドカップで、チームUSAのインサイドの要として優勝に貢献。昨季のレギュラーシーズンでは平均24.4得点(リーグ4位)、10.2リバウンド(同8位)、2.9ブロック(同1位)を記録し、プレーオフではNBA制覇を果たしたウォリアーズを相手に4試合平均31.5得点を叩き出し、リーグ屈指のプレーヤーであることを証明した。

 一方、アービングも昨夏のワールドカップ出場メンバー。抜群のスピードで相手ディフェンスを切り裂き、決勝ではゲームハイの26得点を上げて大会MVPも獲得している。

 このふたりがチームUSAの今後を支えるインサイドとアウトサイドの主軸であり続けるのは間違いない。だが、現時点では上記のふたりより評価は低いものの、急成長を遂げているのが次の面々だ。

 アンドレ・ドラモンドは、211センチ・127キロの恵まれた体躯を誇るセンター。さほど器用さはないが、パワーとスピードでディフェンスを圧倒する昨今では珍しい本格派だ。特にオフェンスリバウンドは圧巻。平均リバウンドこそ2年連続でリーグ2位だったが、オフェンスリバウンドに限れば2年連続でリーグナンバー1。8月のキャンプ3日目の紅白戦では、ゲームハイの27得点・16リバウンドを記録し、その存在を強烈にアピールしている。

 ハリソン・バーンズは、ウォリアーズのリーグ制覇に貢献した万能型のスモールフォワード。名門ノースカロライナ大出身で、ファストブレイクで先頭を走る走力と、3ポイントシュートが大きな武器だ。ディフェンスも得意で、ポイントガードからセンターまですべてのポジションを守ることができる。チームにとっては心強いマルチな才能を持った選手だ。

 ビクター・オラディポは、試合中に「360度回転ダンク」を叩き込むなど、派手なダンクが印象的なシューティングガード。デビューイヤーだった昨季の平均13.8得点から、今季は平均17.9得点まで急上昇させるなど、シュートセレクションも格段に向上させるなど成長著しい。キャンプの紅白戦では4本のスリーポイントを含む25得点を上げる活躍で、「来季は初のオールスター出場か」とささやかれている。

 また、2013−14シーズンの新人王に輝いたマイケル・カーター=ウィリアムス、シュートが入り出したら止まらないブラッドリー・ビール、そして万能型フォワードとして高く評価されているトバイアス・ハリスと、今の「U-23」は粒ぞろいだ。

 はたして東京五輪のコートに、彼らのうち何人が立っているだろう。レジェンドとなりうるポテンシャルを秘めた彼らの若手時代を、今のうちにしっかりとその目に焼き付けておきたい。

水野光博●構成・文 text by Mizuno Mitsuhiro