シンガポール戦のドローに続き、東アジアカップでは最下位。不振続きの日本だが、明らかな格下相手にどんなメンバーで臨むのかは注目されるところだ。

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 ワールドカップ・アジア2次予選のシンガポール戦に続き、東アジアカップの3試合でも白星なし。停滞感が漂うなか、ハリルホジッチ監督率いる日本代表は9月3日にカンボジアとホームで、同8日にアフガニスタンとアウェー(※政情不安によりイランでの開催)でワールドカップ予選を戦う。
 
 ロシア・ワールドカップのアジア2次予選は、各グループ(A〜H)の1位に加えて、同2位の8か国のなかで上位4チームが最終予選に進むシステムになっている。つまり、日本が無条件で最終予選に進出するためにはグループEで1位になるしかないのだ。
 
 6月にシンガポールとホームで引き分けた日本がグループの1位を狙ううえで、もはや1敗も許されない状況だろう。小さくないプレッシャーがかかるはずだが、それでもアジア2次予選でシンガポールに0-4と敗れたカンボジア、シリアに0-6と手も足も出なかったアフガニスタンに苦戦するようでは話にならない。
 
 正直、この2か国(カンボジアとアフガニスタン)になら欧州組を呼ばなくても勝てるはずだ。チーム力の底上げを考えて、東アジアカップのメンバーで戦う手もあるだろう(その可能性は限りなく低いだろうが)。
 
 ハリルホジッチ監督は「ロシア・ワールドカップの(グループステージでの)3試合に向けて準備をする」と言っている。本大会出場ではなく、ロシアの地での躍進が最大のミッションなら、3年後を見据えたチーム作りを推し進めるべきだ。
 
 つまり、3年後に34歳になる長谷部(ボランチ)、32歳になる本田(右ウイング)や岡崎(CF)らの後釜探しは、今のうちから計画的に進めるべきだということだ。その意味で、20代前半から半ばのロンドン五輪世代、さらにひとつ下のリオ五輪世代から何人招集されるのか、そのなかから誰がスタメンに抜擢されるのかは今回の大きな見どころだろう。
 ロンドン五輪世代で注目したいのは、C大阪の山口。先の東アジアカップで存在感を示した24歳のMFはブラジル・ワールドカップの経験者であり、その実績を考えれば“3年後のロシア”で主軸になるべきタレントだ。
 
 当面は長谷部のパートナーとしてでもいいが、いずれはボランチの確固たる核として──。代表で不動の地位を築いてもらいたい。
 
 リオ五輪世代で期待したいのは、湘南の遠藤。東アジアカップでは不慣れな右SBに加え、ボランチでも及第点以上のプレーを披露しただけに、この有望株を使わない手はないのではないか。
 
 内田、太田がコンディション不良で招集が見送られるはずの今回は、絶好のアピールチャンス。仮に招集されれば、A代表に定着できるか否かのひとつのターニングポイントになるかもしれない。
 
 ちなみに、山口、遠藤と同じ東アジアカップ組では、北朝鮮戦と中国戦でいずれも“ワンタッチゴール”を決めた武藤(浦和)もメンバー入りするに違いない。
 
 テストと位置付けられた東アジアカップで結果を残した選手が選ばれず、欧州組が優遇されるようなメンバー構成になればハリルホジッチ監督は批判の矢面に立たされるだろう。
 
 シンガポールより格下のカンボジア、アフガニスタンとの2連戦でベストメンバーを揃える必要があるかは疑問。アジアの強豪国が出揃う最終予選では、おそらくテストに多くの時間を割けないだろう。ならば、2次予選のうちに“3年後を想定したチーム”の基盤を作るべきだ。
 
 2次予選で求められるのは、「結果」と「成長」の両方だ。結果だけにこだわるチーム編成は、未来につながらない。普通に考えれば、従来の欧州組と、東アジアカップでアピールした選手が招集されるだろう。予想を裏切る──例えば若手主体のメンバーで挑むようなサプライズがあれば、それはそれでハリルホジッチ監督の覚悟と受け取れる。
 
 いずれにしても、チームの成長につながるような人材を躊躇なくピッチに送り込めるか。ハリルホジッチ監督にはアグレッシブな采配が求められる。
 
文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)