D-BOYS荒木宏文・遠藤雄弥インタビュー「Dステ映画祭を通して舞台の面白さを知ってほしい」
 ワタナベエンターテインメントの俳優集団・D-BOYSが、今月15日から渋谷・シネクイントにて「Dステ映画祭2015」を開催している。2007年より16作品上演してきた“Dステ”という演劇公演を、映画館のスクリーンで上映するという新たな試み。舞台挨拶後、D-BOYS荒木宏文さんと、元D-BOYS遠藤雄弥さんにお話を伺った。

――舞台挨拶で、荒木さんは「劇場に足を運んでくれる人たちに支えられている」とおっしゃいました。

荒木宏文(以下、荒木):エンターテイメントって、家にいても成立する時代だと思うんですよ。テレビの画質も上がって、ブルーレイやDVDで、家でいつでも見られる環境にありますよね。でも劇場に行くには、移動の交通費もチケット代もかかる。それなのにわざわざ予定を空けてチケットを取って作品を楽しむ、というエンターテイメントの楽しみ方を大切にしているファンの方は、すごくありがたいです。

――舞台を“生で見る楽しさ”と、それを映画で観るというのは、また違うような気もします。

荒木:だから余計に思うんです。生で見るわけではなく、それでも劇場に足を運んでくださるというのは、とても感謝すべきお客様だと思います。

遠藤雄弥(以下、遠藤):いまゲキ×シネとかライブビューイングなんかもありますから、Dステもそういう形に今後なっていけたら面白いんじゃないかと思っています。エンターテイメントの中でも広がりが出てきたらいいですね。

――個人的には、“舞台でお芝居を観る”というハイソな習慣がないのですが……。

荒木:基本そうだと思います。日本では習慣づいていないですよね。なにかを観に行くとしても、歌舞伎とか宝塚歌劇だと思うんです。普通の芝居はそこまで浸透してないというか、敷居が高いイメージですよね。チケットも高いですし(笑)。映画だったらデートでも行きやすいと思うので、今回のDステ映画祭がお芝居を観に行くきっかけになれば嬉しいです。

――映画祭で上映される作品の中で、とくに“お芝居の良さ”が感じられる作品はどれでしょうか?

荒木:『淋しいマグネット』でしょうか。一人の役者が、9歳と19歳と29歳を演じています。子役が出るわけではなくて、いまの年齢で9歳に見える芝居、19歳に見える芝居をするのですが、制限があるなかでお客様の想像力を膨らませる演出をしていくという、芝居の面白さが見えるんじゃないかと思います。映像でカット割されることによって、ヘタすれば粗が見える可能性もありますが(笑)。

遠藤:舞台のあとDVDで観ると、がっかりしたりするよね(笑)。こんな芝居してたんだ、みたいな、自分では気づかなかったところに気づかされます。

荒木:舞台の匂いであったり空気感っていうのは、映像で出すのは難しいです。舞台上でやっている“引きつけ感”とはべつになってしまうんですよ。舞台では、例えば一人が台詞を言うと、お客様はみんなその人を見るんです。それはその人に視点がいくように、舞台上のみんなが空気を作るんですが、さらにべつの一人が違うことをやることで、「あれ? 一人違うことをやってるな」と今度はそっちに視点が行く。それが伏線になったりするんですけど、そういうのは舞台だからこそ味わえることだと思います。映像では分かりやすく、話している人や注目させたい人のカットが入るので。

遠藤:そのほうがストーリーは追いやすいですけどね。表情とかも拾ってくれますし。

荒木:舞台で観た作品を映像で観ると、作品についてより理解を深めていただけると思います。理想としては、Dステ映画祭を通して「Dステが色々なジャンルで面白いことをやっている」ということを知っていただいて、10月からやる『夕陽伝』を生で観てみたいと思ってもらえたら、この映画祭をやって本当によかったと思います。

<取材・文・撮影/尾崎ムギ子>