『言論江湖』「ブログ時評」という論理破たん(上)
2005年03月25日17時01分 / 提供:PJ
虚偽をあたかも真実のように報道し、反論の機会を持ち得ない無実の人々が生み出されてしまう「報道被害」が後を絶たない。インターネットが登場し、報道被害の被害者が個人的なブログなどで反論するチャンスが到来したが、個人的なブログではその認知度からしても、マスメディアの影響力とは比肩できないのが実情だ。ライブドアPJニュースでは、報道被害による被害者の声も積極的に紹介していきたい。
「ライブドアPJに忠告し忘れた欠陥」と題した「ブログ時評」
こんなことを考えていた矢先、「報道被害」が「ライブドアPJニュース」という組織に対してもあった。岩波書店の『世界』創刊60周年記念号(2005年4月号)に掲載された、「ライブドアPJに忠告し忘れた欠陥」と題した記事がそれである。朝日新聞社の現役社員、団藤保晴氏による「ブログ時評 On SEKAI」の第1回目である。
団藤氏のヒステリックな表現など、本来、批評すべき事柄ではない。実際、この原稿は今年2月、団藤氏の「ブログ時評」と題したブログに掲載されていた。けれども、ネット掲示板にありがちなプライベートな言説なので、そういう見方もあるのかと見捨てておいた。
だが、伝統ある『世界』にパブリッシュされれば、話は違ってくる。根拠もなく公然と「欠陥」と断言されれば、ライブドアの「パブリック・ジャーナリズム(PJ)ニュース」の当事者として、この場を借りて反論しなければなるまい。PJ各人によって支えられているライブドアPJニュースに対する侮辱であり、名誉侵害とも受け止められるからだ。
名誉毀損という刑法上の犯罪
名誉侵害や侮辱はれっきとした犯罪である。名誉毀損罪を定める刑法第230条では、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」とある。つまり、「虚偽の事実」であれば当然、この法律に抵触する。また、侮辱罪を定める刑法第231条では「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する」としている。
ただし、「公正な論評」ならば、憲法の保障する表現の自由にある「公正な論評の法理」の観点から、名誉毀損に抵触する表現であっても免責される、というものがある。浜辺陽一郎・早大教授の著書『名誉毀損裁判』によれば、公正な論評に当てはまる条件として、1)公共の利害に関する事項で(公共事項性)、2)専ら公益目的で(公益目的性)、3)前提事実が主要な点で真実であることの証明があり(真実性)、4)人身攻撃におよぶことなどの論評の域を逸脱していない、とされる。
「ブログ時評」、名誉侵害のおそれ
団藤氏の記事の中で、「ニッポン放送株を電撃取得し、フジテレビ系列メディアの支配でも目論むのかと世情お騒がせなライブドア」、「マネーゲームの野望、その一翼を担うニュース部門」、「ライブドアという出自自体が・・・欠陥」というくだりがある。この記事全体からは、ニッポン放送株取得は、ライブドアという欠陥企業が行ったマネーゲームの野望の表れであり、ニュース部門はそのマネーゲームを正当化する宣伝機関であるというニュアンスが、筆者には伝わってくる。
はたして、団藤氏が主張するように、ライブドアによるニッポン放送株取得は「マネーゲームの野望」だったのだろうか。ニッポン放送によるフジテレビジョンへの新株予約権の発行差し止め問題をめぐり、東京高裁は今月23日、「債務者(ニッポン放送)は、債権者(ライブドア)がマネーゲーム本位で、ニッポン放送の事業を解体し、資産を切り売りしようとしていると主張する。しかしながら、ライブドアが前記のようなニッポン放送の事業や資産を食い物にするような目的で敵対的買収を行っていることを認めるに足りる確たる資料はない」との判断を示した。しかも、ニッポン放送は特別抗告を断念した。
名誉毀損か、公正な論評か
つまり、裁判所とこの問題の当事者であるニッポン放送は、ライブドアの同放送株取得は「マネーゲームではない」と認めたのだ。団藤氏の言論は公然と行われており、しかも、何らの証明もなしに「マネーゲームの野望、その一翼を担うニュース部門」、「ライブドアという出自自体が・・・欠陥」との表現を使っている。
団藤氏の記事を一般読者が普通に読んで、ライブドアPJニュースへの不信感や嫌悪感が生まれ、社会的評価が低下したとするなら、それは名誉毀損に該当することになる。それを免れるには、団藤氏は少なくとも、ライブドアのマネーゲームの一環としてPJニュースを行っていること、ライブドアという出自自体に欠陥があることを証明しなければなるまい。【続く】
言論江湖
「ライブドアPJに忠告し忘れた欠陥」と題した「ブログ時評」
こんなことを考えていた矢先、「報道被害」が「ライブドアPJニュース」という組織に対してもあった。岩波書店の『世界』創刊60周年記念号(2005年4月号)に掲載された、「ライブドアPJに忠告し忘れた欠陥」と題した記事がそれである。朝日新聞社の現役社員、団藤保晴氏による「ブログ時評 On SEKAI」の第1回目である。
団藤氏のヒステリックな表現など、本来、批評すべき事柄ではない。実際、この原稿は今年2月、団藤氏の「ブログ時評」と題したブログに掲載されていた。けれども、ネット掲示板にありがちなプライベートな言説なので、そういう見方もあるのかと見捨てておいた。
だが、伝統ある『世界』にパブリッシュされれば、話は違ってくる。根拠もなく公然と「欠陥」と断言されれば、ライブドアの「パブリック・ジャーナリズム(PJ)ニュース」の当事者として、この場を借りて反論しなければなるまい。PJ各人によって支えられているライブドアPJニュースに対する侮辱であり、名誉侵害とも受け止められるからだ。
名誉毀損という刑法上の犯罪
名誉侵害や侮辱はれっきとした犯罪である。名誉毀損罪を定める刑法第230条では、「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」とある。つまり、「虚偽の事実」であれば当然、この法律に抵触する。また、侮辱罪を定める刑法第231条では「事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱した者は、拘留又は科料に処する」としている。
ただし、「公正な論評」ならば、憲法の保障する表現の自由にある「公正な論評の法理」の観点から、名誉毀損に抵触する表現であっても免責される、というものがある。浜辺陽一郎・早大教授の著書『名誉毀損裁判』によれば、公正な論評に当てはまる条件として、1)公共の利害に関する事項で(公共事項性)、2)専ら公益目的で(公益目的性)、3)前提事実が主要な点で真実であることの証明があり(真実性)、4)人身攻撃におよぶことなどの論評の域を逸脱していない、とされる。
「ブログ時評」、名誉侵害のおそれ
団藤氏の記事の中で、「ニッポン放送株を電撃取得し、フジテレビ系列メディアの支配でも目論むのかと世情お騒がせなライブドア」、「マネーゲームの野望、その一翼を担うニュース部門」、「ライブドアという出自自体が・・・欠陥」というくだりがある。この記事全体からは、ニッポン放送株取得は、ライブドアという欠陥企業が行ったマネーゲームの野望の表れであり、ニュース部門はそのマネーゲームを正当化する宣伝機関であるというニュアンスが、筆者には伝わってくる。
はたして、団藤氏が主張するように、ライブドアによるニッポン放送株取得は「マネーゲームの野望」だったのだろうか。ニッポン放送によるフジテレビジョンへの新株予約権の発行差し止め問題をめぐり、東京高裁は今月23日、「債務者(ニッポン放送)は、債権者(ライブドア)がマネーゲーム本位で、ニッポン放送の事業を解体し、資産を切り売りしようとしていると主張する。しかしながら、ライブドアが前記のようなニッポン放送の事業や資産を食い物にするような目的で敵対的買収を行っていることを認めるに足りる確たる資料はない」との判断を示した。しかも、ニッポン放送は特別抗告を断念した。
名誉毀損か、公正な論評か
つまり、裁判所とこの問題の当事者であるニッポン放送は、ライブドアの同放送株取得は「マネーゲームではない」と認めたのだ。団藤氏の言論は公然と行われており、しかも、何らの証明もなしに「マネーゲームの野望、その一翼を担うニュース部門」、「ライブドアという出自自体が・・・欠陥」との表現を使っている。
団藤氏の記事を一般読者が普通に読んで、ライブドアPJニュースへの不信感や嫌悪感が生まれ、社会的評価が低下したとするなら、それは名誉毀損に該当することになる。それを免れるには、団藤氏は少なくとも、ライブドアのマネーゲームの一環としてPJニュースを行っていること、ライブドアという出自自体に欠陥があることを証明しなければなるまい。【続く】
言論江湖
※この記事は、PJ個人の文責によるもので、法人としてのライブドアの見解・意向を示すものではありません。また、PJはライブドアのニュース部門、ライブドア・ニュースとは無関係です。
パブリック・ジャーナリスト 小田 光康
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