働き盛りに増えているのは、最近のサラリーマンの働き方と密接に結びついているからだという。では、どんな働き方が心臓の負担を高める要因になるのか。
 あるIT企業で仕事をしている斉藤貢さん(=仮名・43)が急性心筋梗塞で倒れたのは2年前だ。
 クライアント先の決済システム作りがヤマ場を迎え、毎晩のように深夜帰宅。睡眠は4時間ほど。しかも毎日、半日以上もパソコンに向かい合っているため、首から肩、腰もパンパン。眼精疲労もあり、悪化すると頭痛もした。

 「疲れた体で仕事をしていれば誰にだってある。休日の寝だめで楽になるし、気にしていませんでした」
 と、斉藤さん。ところが納入直前、システムの不具合が見つかり、その修復作業と、クライアントへの折衝と謝罪などでクタクタの状態だった。
 「何とか謝罪と説明を終え家に帰る途中、点滅の信号を渡ろうとダッシュしたら突然、胸の痛みに襲われ…。救急車で病院へ搬送されたのです」(同)

 担当医が言う。
 「こうした急性心筋梗塞のベースにあるのは、睡眠不足と炭水化物中心の偏食。それにトラブル処理が加わり、ストレスが急上昇したのです。クレーム処理が終わりホッとしたのでしょうが、実はこの間の血圧の乱高下がいけません」

 ネオマーケティングの「デスクワークに関する意識調査」によると、長時間のデスクワークで「イライラ」、「疲労」を感じる割合は、営業職の50代が58%なのに対し、システムエンジニアは76%と圧倒的に多かったという。
 デスクワークが1日6時間以上になると、疲労を感じる割合は一気に高まる。そして日本企業の46%がデスクワーク中心の働き方だ。1日6時間以上、パソコンなどのOA機器の前にへばり付いている人は気を付けなければならない。

 最後に、こうした血栓によって起こる脳梗塞や心筋梗塞を防ぐにはどうすべきか。
 専門医に聞いた。
 「夏場は当然、脱水に注意すること。水分補給で血液の粘度を高くしないことが必須条件です。もう一つは寝る前の飲酒です。発汗作用や利尿効果があるため、寝ている間に水分を失う。膀胱に溜まったものは、体内から排出されているのと同じ状況で、血中の水分が失われているのです。飲んだ後は、必ず水分を取るようにしてください」

 高年者は加齢とともに血栓を溶かす作用が弱まる。また若年層も、過度の飲酒や疲労の積み重ねは危険。肝に命じておこう。