恋人とのデートや大切な商談。一軒目は上々、さて二軒目からが腕の見せ所だ。

気の利いた“立ち呑み処”で上質な夜を提案しよう!



マールやグラッパも希少なものが揃う。4坪の店内は立ち呑みが基本だが、ちょっとひと息つけるベンチシートもある
スタイリッシュなスタンディングバー
『Winestand Waltz』

恵比寿


恵比寿に数ある立ち呑みの店の中でもホットな店がこちら。はしご酒はここからスタートします。

『ワインスタンド ワルツ』は西小山にあった『カフェカウラ』の店主・大山恭弘さんが、同店を閉めて新たに開いたお店。

一緒に仕事をしていた奥様のご出産を機に「ひとりでやれる店を」と移転先を探し、この極小の物件に惚れこんでスタンディングのみのワインスタンドにしたそう。



パテ・ド・カンパーニュをはじめ、ケークサレや生ハムなどワインに合うつまみも4〜5種用意

路地のさらに脇に延びる石畳の小道にやわらかな灯りがぽつり。この静かで密やかなロケーションがまず魅力です。

『カウラ』時代同様、ワインはすべてヴァンナチュール。数こそ絞れどもケークサレやパテ・ド・カンパーニュなど手をかけたワインのお供も揃い、太っ腹のポーションで供されます。

流れる心地よい音楽にも素敵なアンティークの器にも、大山さんのセンスが感じられ、自然な造りのワインと渾然一体となって唯一無二の空気を生み訪れた人を包み込む。立ち呑み=「わいがや」の常識を覆す一軒。



ワインはフランス産が中心で、一部イタリアや日本のものも。グラスワイン6〜7種




店内はラフで温もりのある雰囲気
人気ブリューワリー直営
『Nakameguro Taproom』

中目黒


中目黒駅に隣接する中目黒GTプラザの2階。〆には1杯、おいしいビールが呑みたい!というわけで静岡県沼津市にある人気のブリューワリー『ベアードブルーイングカンパニー』が直営するビアパブ『中目黒タップルーム』へ。カウンター脇にスタンディングのテーブルがあり、ここがちょっと1杯ってときにいいんです。

醸造所の直営店とあって、ライジングサンペールエールをはじめとする定番ビール10種に加え、季節限定のビール数種類が樽生で楽しめます。



ナポリのピザをタップルーム風にアレンジ

生のホップと沼津のきれいな水を使い、無濾過、自然発泡で造られ熟成期間を経てリリースされるビールは、香りが豊かで複雑かつ繊細な味わいが格別。1杯をゆっくり、じっくり味わいたくなります。

そして忘れてならないのは名物のピザをオーダーすること。薄い生地をカリッカリに焼いたニューヘイブンスタイルの軽やかなピザは、ビールとの相性も格別。ひとりで1枚ぺろりといけちゃいます。味わい深いビールと〆ごはん的ピザで大満足。ごちそうさまでした。お腹いっぱいなので、家までまた散歩しながら帰るとします。



右から黒船ポーター、帝国IPAほか



スモーキーシーザーサラダ


次は、神楽坂の立ち飲み処



店内に流れる穏やかなジャズとカウンターを照らす照明がムードを引き立てる
大人の欲望を満たすシックな社交場
『BAR 夢幻』

飯田橋


年を重ねるごとに欲するようになる、自分だけの落ち着ける空間。そんな想いを叶えてくれるのが、神楽坂のバー『夢幻』である。

店内に入ると聞こえる軽妙ながら刺激的なジャズ。薄暗がりに浮かぶ木目のカウンター。“オールドクラシック”という言葉がうってつけな大人たちの社交場だ。こちらでシェイカーを振るのは、数々の老舗ホテルで経験を積んだ田淵無氏。奇をてらうのでなく、お酒とおつまみだけで至福の時間を提供する。訪れるなら、特別親密になりたい相手と、どうぞ。



お酒とおつまみ、これだけで会話は十分に盛り上がる



カウンターの裏には150種以上のお酒が常備されている




1949年築の古民家を利用しているだけあり、内観はレトロな雰囲気。備え付けの小説を読むこともできる
イ舛腓辰1杯イ忘播な昭和の空間
『カド』

神楽坂


飲み会の帰り道、ほっと一息つきたいときがある。この日常的なシーンに最適なのが神楽坂『カド』だ。入り口の隣に用意された6畳ほどの立ち呑みスペースで、まずはビールを1杯。

常時6〜7品が並ぶ黒板メニューから、いくつかつまむうちにお腹も心も満たされていく。〆におでんと熱燗で一杯やれば、家路に着くまでの道のりもほっこり。



熱燗と相性抜群のおでん。時期によっては提供していないので来店の際は問い合わせを




スタンディングコーナーは入り口付近に
腕利きシェフが提案する本場スペインの臨場感『バルマコ』

牛込神楽坂


神楽坂の名店『エル・カミーノ』で16年間シェフを務めた今村真氏が、次のステージに選んだのがバルだった。

スペインの店を食べ歩いて学んだタパスメニューを、今村氏の出身地・高知県土佐清水などの旬の食材で表現。魚介類を好んで食す日本とスペインの共通点を再認識させられる。お供にはスペインワインを。



芝エビのゴイス・アルギ風。新鮮なエビの旨みを凝縮したひと品


次は、神保町の立ち飲み処



早い時間から常連客で溢れる人気店
酒屋が営む癒し系バルで連れを温かくもてなす『明治屋2nd』

神保町


明治時代から続く酒屋が母体。2005年、先代から店を引き継いだ橋本一明氏がいち早くバルスタイルを取り入れたことで、徐々に酒場ファンの間で火が付いた。

「マスターに話を聞いてもらいたくて週に1度は訪れます」と常連客。このアットホームな空間で連れをもてなすことこそが、立ち呑み上級者の証である。




元は氷屋として使われていた建物。レトロな空気が心地良い
相手のガードを崩すなら憩いの古民家ビストロへ『ビストロ アリゴ』

神保町


ここだけ時が止まっているかのような木造建築。ガラス戸を開くと、ワイングラスを片手に人々が語り合う空間が広がる。意外性のあるこの光景が『ビストロ アリゴ』の魅力。

相手の驚いた表情を眺めつつ、酒を酌み交わせば愛情も一層深まるというもの。供されるのは男らしい骨太ビストロ料理と、これもまた予想外。



自家製ソーセージが豪快に入ったカスレ


次は、銀座の立ち飲み処



カウンターの奥で展開する調理風景も楽しい
デートの〆はカジュアルフレンチで
『ヴァプール』

銀座


有名店が居並ぶ銀座のコリドー街で、ひときわ賑わいを見せるフレンチバル。フランス語で「蒸気」を意味する店名の通り、厨房の奥では巨大な蒸し器がフルに稼働する。

自慢は宮城産の魚介類や、季節野菜などをふんだんに使った蒸し料理。入り口付近の立ち呑みスペースは酒の肴を、奥では本格フレンチを提供するという二面性も魅力的だ。立ち呑み屋に慣れているなら、あえてスタンディングスペースでメイン料理をいただくのもいいだろう。それもまた、銀座の立ち呑みスタイルなのだ。



アスパラのブイヨンを使った、アスパラガスとサーモンのテリーヌ。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例



トリュフ入りの自家製のソーセージ、ブーダンブラン。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例




活気溢れる店内
老舗酒屋が追求した旨い肴
『スタンドバー マル』

八丁堀


江戸時代から続く老舗酒屋に設置されたバースペース。始まりは角打ちだが、7代目の松沢弘一郎氏が国内外の旨い食材を探し出して提供し、現在の和洋折衷スタイルとなった。

築地近隣の立地もあって仲卸も昔馴染み。目利きが選んだ刺し身も看板メニューのひとつだ。旨い肴を酒屋価格の美酒と味わうこの幸せ、時を忘れてゆるりと愉しみたい



本まぐろ中落ち、三重産ホウボウ、活赤貝の刺身三種盛り合わせ。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例



長野の精肉店を口説き落として仕入れた信州りんご牛のローストビーフ。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例


まだある、銀座の立ち飲み処



L字型のカウンターは開店直後からいっぱいになることも
旨い肴にこだわる酒飲みたちの聖地
『かねます』

勝どき


上質な肴を求め食通たちが足繁く通う名店。築地で仕入れる鮮魚を中心に15種ほどのつまみを日替わりで提供する。

軽く炙った牛肉で生うにを巻いた「生うに牛肉巻き」といった店主の力作から、「かぶら蒸し」など素材を活かした料理まで。立ち呑みに酒以外の目的を見出した強者でさえも、納得せざるを得ない。



ぐじの昆布〆。一口噛み締めば、ぐじのねっとりとした旨みが口の中に広がる。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例




おでん缶から漂うトマトスープの香りに惹かれる
銀座の裏路地に佇むイでんゥ弌
『gindachi』

銀座


イタリアンバーに「おでん」の文字? この店のメインメニューは、北イタリアの煮込み料理“イタリア風おでん”とも称される「ボリート」。店内は時間が深くなるにつれ、この“ボリート”とワインのマリアージュに魅せられた客で溢れかえる。

しっぽりとディナータイムを過ごした後は賑やかな空間に身を投じてみては。



盛り合わせは3種。写真は豚スペアリブ、ソーセージなどが入った、ポーク&ベジタブル




立ち呑みはシンプルな白木のテーブルで
銀座に現れた角打ちスタイルの進化系
『銀座酒蔵検校』

銀座


日本各地から集めた名酒ばかりを提供する店。立ち呑みスペースでは缶詰博士の黒川勇人氏がセレクトした逸品を肴に、良質な酒がリーズナブルに愉しめる。

人気を博すのは、お薦め3種の酒からなる「飲み比べセット」。いい酒を知るために試したいところだ。もし運命的な出会いを感じたなら、その場で購入するべし。



手前から、肴のねぎ鯖(味噌だれ)と、桜姫鶏(たれ塩味)


最後は、六本木・麻布十番の立ち飲み処



映画の舞台のような空間
六本木の異空間で過ごす至福の時間
『アールツー サパークラブ』

六本木


無駄なものを一切省いたソリッドな空間は、1930年代の活気溢れるNYにあったサパークラブをイメージ。ハイアット系列のホテルや世界的名店で研鑽を積んだ3人のディレクターが、それぞれの専門性を活かして最高の一夜を演出する。

手軽な立ち呑みスタイルで色とりどりのカクテルと、フィレステーキやシーフードなど珠玉の味覚をいただこう。



オーストラリア産レンジャースヴァレー320日穀物飼育ブラックアンガスビーフ フィレ 200g。柔らかな赤身が特徴。仕入れ状況などによりメニューは異なる。写真は一例