KAT-TUN中丸雄一、『シューイチ』で魅せる“何言ってるかわからないコメント術”
『NEWS ZERO』の櫻井翔や、『news every.』の小山慶一郎など、ジャニーズのアイドルがニュース番組でキャスターを務める姿もすっかりおなじみになりました。そんな中、パネリストとして『シューイチ』(日本テレビ系、日曜朝7:30〜9:55)にレギュラー出演しているKAT-TUNの中丸雄一が、気になる存在です。

 櫻井翔ならば、大したことのない内容も、さも重要であるかのように聞かせてしまうスピーチ術。小山慶一郎ならば、同年代のアナウンサー以上にソツなく生放送を仕切れてしまう調整能力が際立ちます。

 その一方、中丸が独特なのは、スキルよりも人柄があらわれる話し方にあると思うのです。キャスターではなくパネリストなので、話す機会は限られる。だからこそ、彼のキャラが一気に凝縮されるのではないでしょうか。

◆早口コメントの「へりくだる力」

 MCの中山秀征から、話をふられる。「どう? 中丸くん」。すると中丸は、敵の襲来を察知した小動物のように素早く身構えて、まず一言。「そうっすね」。

 しかし聞き取れるのはここまで。本題に入るやいなや、中丸の口から子音が速射砲のように放たれる。

「とぅるるん とぅるるん おっぺんぽろりん とぅるるん」

 ほとんど口を開かない早口なので、一体何を話しているのか分かりません。けれども中丸はひるまない。与えられた時間のなかで、人が何やら話しているらしい場面を必死に演じきります。

 すると観ているこちらが、気づかされるのです。“もしかして話の中身よりも大切なことがあるのではないか”と。言葉の意味は分からなくても、顔や姿勢、声のトーンで、卑屈にならずに、上手にへりくだっていることが伝わってくるからです。

 「とぅるるん とぅるるん」と音を出す中丸の表情からは、「こんな自分にもコメントする時間をいただけて、かたじけないっす」と、すまなそうに振る舞う、したたかな人の好さがうかがえます。

 そして、その大きく開かない口には、細やかな神経が宿っている。“自分の意見など、取るに足らないのだから早々に切り上げなければならない。でも、だからといって投げやりになったのでは、もっと失礼になってしまう”。

 そんな気づかいが、目に見える形になってあらわれる中丸の早口コメント。

 大事なことは、「何を話すか」ではなく、「どう話すか」。自らの行為も、ひとつのモノとして客観視するように振る舞う中丸雄一は、大した男なのかもしれません。

<TEXT/沢渡風太>