『新R&B入門 ディアンジェロでつながるソウル・ディスク・ガイド1995-2015 (SPACE SHOWER BOOks)』林 剛,荘 治虫 スペースシャワーネットワーク

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 8月15、16日のサマーソニック、そして18日、Zepp Tokyoにて行われた単独公演。最高にセクシーかつチャーミング、ブラックミュージック史の文脈上にありながら、独自の新しさを付随させたパフォーマンスによって、多くの観客を魅了。また約15年ぶりにD'Angelo and the Vanguardとして、新作『Black Messiah』をリリースしたアーティスト・ディアンジェロ。

 新作リリース、そしてまさかの来日に、長年半ば諦めつつも復活を待ちわびていたファンのみならず、新たにその楽曲やルーツとなる音楽の数々に興味を持った方も多いのではないでしょうか。

 本書『新R&B入門』は、「ディアンジェロと様々な形で繋がる1995年から2015年までのアルバム」を中心に、「ディアンジェロのルーツと思われるレジェンドたちを柱として章立てし、そこから派生して聴ける、ディアンジェロ登場以降のR&B作品」を紹介するというもの。

 たとえば、そのうちのひとつの章では、「プリンスの系譜」が取り上げられていますが、今回の公演でも、その最後に演奏された曲"Untitled (How Does It Feel)"に見受けられるプリンスの影響について、「"Do Me Bsby"での破綻を恐れない狂おしい裏声や裏声のシャウトは、滑らかであることに重きを置いた従来のソウルにおけるファルセット観を拡張するものであり、これは一部"Untitled (How Does It Feel)"のひな形となるなどディアンジェロの歌世界に大きく作用している」と述べられています。

 あるいは本書では、ディアンジェロに関連する周辺人物たちの参加するアルバムも紹介されており、たとえば今回の公演で紅一点、コーラスを担当していたジョイの『Star Kitty's Revenge』の紹介は、次のような文をもってはじまります。

「ドーン・ロビンソンの後釜としてルーシー・パールに加入したものの、グループは空中分解。それと前後してリリースとなったのが2枚目となる本作だ。そうした経緯からか、4曲をラファエル・サディークが手がけており、一部はルーシー・パークっぽくもある」

 ディアンジェロを基軸とし、関連する音楽が次々と紹介されていく本書。ライブの興奮さめやらぬうちにチェックしてみてはいかがでしょうか。